カーリー・エリザベス・サイモン(英語: Carly Elisabeth Simon、1945年6月25日 - )は、アメリカ合衆国出身の女性シンガーソングライター、ミュージシャン。フォーク畑出身で、1970年代からソロに転向し早々に開花。1980年代にはアカデミー賞を受賞するなど、米国の代表的アーティストとして知られる。
略歴
ニューヨーク出身でとても裕福な家庭の子女として育った。父親は米国の大手出版社創業者の(リチャード・L・サイモン)。1964年に姉のルーシーとフォーク・デュオのサイモン・シスターズを結成する。
1971年2月、アルバム『Carly Simon』でソロ・デビューを果たす。「幸福のノクターン」「アンティシペイション」がヒットした。第14回グラミー賞(1972年3月開催)で最優秀新人賞を受賞[4]。
1972年に、ミック・ジャガーがバックボーカルで参加した曲「うつろな愛 (You're So Vain) 」及びアルバム『ノー・シークレッツ』(プロデュースは(リチャード・ペリー))をリリースし、翌1973年にはシングル、アルバム共に全米1位の大ヒットとなる[4]。また、同年11月にはジェームス・テイラーと結婚し、後に2児をもうけた(テイラーとは1983年に離婚。この時の憔悴し切った様子を見た竹内まりやが作ったのが『元気を出して』)[5]。1974年にはテイラーとのデュエットによるカバー曲「愛のモッキンバード」及びアルバム『ホットケーキ』がヒットした。
カーリーは1970年代前半のシンガーソングライター・ブームの一翼を担った。内省的なアーティストが多かった中で、サイモンはよくも悪くも明るく活動的なイメージを持ち、女性アーティストとしてはキャロル・キングやジョニ・ミッチェルと並ぶ人気を誇った。
1977年には映画「007 私を愛したスパイ」の主題歌「私を愛したスパイ (Nobody Does It Better) 」が全米2位のヒットとなる[4]。さらに1978年にはマイケル・マクドナルドと共作した「ユー・ビロング・トゥ・ミー」が全米6位を記録し、収録アルバム『男の子のように』はBillboard 200で10位に達した[4]。1981年には自身初のスタンダード集『トーチ』を発表した[3]。
1989年には映画「ワーキング・ガール(Working Girl)」の主題歌「ステップ・バイ・ステップ(Let the River Run)」でアカデミー歌曲賞を受賞している[6]。2005年にスタンダードのカバー集『(ムーンライト・セレナーデ)』が全米7位を記録し、27年ぶりの全米トップ10アルバムとなった[4]。
2022年5月4日、米Rock & Roll Hall of Fame Foundationのロックの殿堂にて、パフォーマンス賞を受賞[7]。
1978年頃のフォト
1978年頃のフォト
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
- 『(カーリー・サイモン)』 - Carly Simon(1971年)
- 『アンティシペイション』 - Anticipation(1971年)
- 『ノー・シークレッツ』 - No Secrets(1972年)
- 『ホットケーキ』 - Hotcakes(1974年)
- 『人生はいたずら』 - Playing Possum(1975年)
- 『見知らぬ二人』 - Another Passenger(1976年)
- 『男の子のように』 - Boys in the Trees(1978年)
- 『スパイ』 - Spy(1979年)
- 『パーティへようこそ』 - Come Upstairs(1980年)
- 『トーチ』 - Torch(1981年)
- 『ハロー・ビッグ・マン』 - Hello Big Man(1983年)
- 『スポイルド・ガール』 - Spoiled Girl(1985年)
- 『カミング・アラウンド・アゲイン』 - Coming Around Again(1987年)
- 『マイ・ロマンス』 - My Romance(1990年)
- 『愛に揺れる想い』 - Have You Seen Me Lately(1990年)
- Romulus Hunt: A Family Opera(1993年)
- 『届かぬ手紙』 - Letters Never Sent(1994年)
- 『フィルム・ノアール〜銀幕への想い』 - Film Noir(1997年)
- 『ザ・ベッドルーム・テープス』 - The Bedroom Tapes(2000年)
- 『ムーンライト・セレナーデ』 - Moonlight Serenade(2005年)
- 『イントゥ・ホワイト』 - Into White(2007年)
- 『ディス・カインド・オブ・ラヴ』 - This Kind of Love(2008年)
- Never Been Gone(2009年)
ライブ・アルバム
- 『グレイテスト・ヒッツ・ライヴ』 - Greatest Hits Live(1988年)
サウンドトラック
脚注
- ^ a b c d Ruhlmann, William. Carly Simon | Biography & History - オールミュージック. 2021年4月11日閲覧。
- ^ Palmer, Ewan (2021年3月23日). “50 Number One Songs From the Last 50 Years”. Newsweek. Newsweek Digital LLC. 2021年4月10日閲覧。
- ^ a b “Carly Simon”. Songwriter Hall of Fame. 2019年6月26日閲覧。
- ^ a b c d e “”. AllMusic. 2015年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月26日閲覧。
- ^ ジェイムス・テイラー、人生を振り返る15曲 - ローリングストーン
- ^ シンディ・ローパー、『ワーキング・ガール』ミュージカルの音楽を制作 - BARKS
- ^ “デュラン・デュラン、エミネム、ドリー・パートンらロックの殿堂入り”. BARKS. 2022年11月8日閲覧。
外部リンク
- 公式ウェブサイト(英語)