茶碗蒸し(ちゃわんむし)は、日本料理の一つで、蒸し茶碗に具材と溶き卵に出汁を加えた卵液を注ぎ入れて蒸した料理である。また汁物の一種ともされる。なお、蒸し茶碗に入れて蒸した料理でも、かぶら蒸しや、(空也蒸し)、羽二重蒸しなどは茶わん蒸しとはよばない[1][2]。
茶碗蒸し | |
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製法
円筒状の茶碗に椎茸・ギンナン・ユリ根・蒲鉾(主に板蒲鉾)・鶏肉・小海老・焼きアナゴ・帆立などの具材と、溶き卵に薄味の出し汁を合わせたものを入れ、吸口にミツバや柚子の皮などを乗せて蒸し器で蒸す。蒸し器の蓋はずらして乾いた布巾を挟んでおく。
急激に加熱すると、卵が早く凝固して隙間(す)ができる。これは、60度程で固まりはじめる卵のたんぱく質と100度で沸騰する水に温度差があることで生じる。[3]マイタケを生のまま入れるとプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の作用で卵が凝固しなくなるので、火を通してから入れる。
夏場には冷やして上に冷たいダシをはり、冬場には熱いままで提供される。
業務用として茶碗蒸し用の具材入り卵液が販売されている。
バリエーション
茶碗蒸しを扱った作品
その他
- 宅配やファミリーレストランなど、寿司を扱っている店舗では、サイドメニューとして出されることもある。
脚注
- ^ 富江 ハス子「茶わん蒸し」『調理科学』第24巻第1号、日本調理科学会、1991年、71-75頁、doi:10.11402/cookeryscience1968.24.1_71。
- ^ 市川 朝子、下村 道子「卵豆腐・茶碗蒸しのおいしさとその科学」『日本海水学会誌』第61巻第4号、日本海水学会、2007年、210-216頁、doi:10.11457/swsj1965.61.210。
- ^ 茶碗蒸しに「す」が入るのはなぜ? | 食育まめ知識と健康レシピ満載!あなたの健康生活をサポート 食育大事典
- ^ “うちの郷土料理 小田巻き蒸し 大阪府”. 農林水産省. 2022年6月7日閲覧。
- ^ “春雨入り茶碗蒸し愛好会”. 鳥取県商工労働部兼 農林水産部市場開拓局. 2022年6月8日閲覧。
関連項目
- 日本料理
- (蒸蛋)
- カスタードプディング - 似た製法の洋菓子。
- 玉子豆腐
- たまごふわふわ - 茶碗蒸しの原型の一つと言われるスフレ状の料理。直火に掛けて作る。