美波町(みなみちょう)は、徳島県の南部に位置する町である。海部郡に属す。
みなみちょう 美波町 | |
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国 | 日本 |
地方 | 四国地方 中国・四国地方 |
都道府県 | 徳島県 |
郡 | 海部郡 |
市町村コード | 36387-1 |
法人番号 | 9000020363871 |
面積 | 140.80km2 |
総人口 | 5,774人 ([編集]) (推計人口、2023年4月1日) |
人口密度 | 41人/km2 |
隣接自治体 | 阿南市、那賀郡那賀町、海部郡海陽町、牟岐町 |
町の木 | ウバメガシ |
町の花 | サクラ |
町の鳥 | イワツバメ |
美波町役場 | |
町長 | 影治信良 |
所在地 | 〒779-2305 徳島県海部郡美波町奥河内字本村18番地1 北緯33度44分05秒 東経134度32分08秒 / 北緯33.73461度 東経134.53553度座標: 北緯33度44分05秒 東経134度32分08秒 / 北緯33.73461度 東経134.53553度 |
外部リンク | 公式ウェブサイト |
■ ― 市 / ■ ― 町・村 | |
ウィキプロジェクト |
概要
県南部の太平洋沿いにあった海部郡日和佐町と由岐町が合併し、2006年に誕生した。日和佐地区は四国八十八箇所霊場・薬王寺の門前町であり、門前の桜町通りには商店が軒を連ね、総じて落ち着いた街並みで新日本観光地100選に選ばれているほか、吹き筒花火などでも知られる赤松地区は、美しい日本のむら景観百選に選ばれている。室戸阿南海岸国定公園に属する地域であり、ウミガメが産卵に訪れる美しい浜辺や海の幸も観光資源となっている。
四国地方のNHKテレビの天気予報では、県南部を代表して「美波」が予報地として報じられる。
近年は足湯もある道の駅日和佐が新たな県南部の交流拠点・情報発信基地になっているほか、日和佐道路の開通で従来不便だった由岐地域との連絡も改善された。
2007年(平成19年)7月、徳島県内では初めて美波町内の商店からレジ袋の有料化を実施し、同年10月には海部郡3町に実施を拡大するなどしている[1]。
同協議会は2007年(平成19年)11月23日、農林水産省による農林水産祭 むらづくり部門の最優秀賞の天皇杯を受賞した。
また、2016年には、美波町に本社を構える株式会社あわえと美波町の地方創生におけるパートナーシップ協定を締結。
現在でも、過疎地域であることを逆手に取った「“にぎやかそ” にぎやかな過疎の町 美波町」のスローガンのもと、官民・住民が一丸となって地域活性化に取り組んでいる。
地理
地形
西部は八郎山、胴切山等の最高峰から赤松川や日和佐川の源流となっている。赤松川は那賀川に注ぐが、川沿いには侵食平野や堆積平野による小規模な耕地や盆地を形成している。日和佐川は(山河内谷川)や(白沢谷川)などの支流が東へと合流する。御世山を源流とする北河内谷川と合流し、日和佐湾へと注ぐ。下流には沖積平野があって、耕地となっている。日和佐川の河口は人口密集市街地となっており、漁港も形成されている。奥潟川の下流域は湿田が見られる。[2]
山・川・島
隣接している自治体
人口
合併以来人口減少の一途を辿っていたが、2014年(平成26年)には6人の転入超となった[3]。
美波町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 美波町の年齢・男女別人口分布(2005年) | |
■紫色 ― 美波町 ■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |
美波町(に相当する地域)の人口の推移 | ||
総務省統計局 国勢調査より |
気候
太平洋側気候に属する。全国でも上位1割に入るほどの降水量を誇る多雨地域である。[4]
徳島県内の気温は沿岸部で高く、剣山を中心とする山間部で低くなる傾向がみられる。
剣山と日和佐の気温差は8月に約12℃、1月に14℃ほど異なり、冬場のほうが暖かいということが言える。[2]
美波町日和佐(1976年 - 2018年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 21.1 (70) | 23.3 (73.9) | 23.9 (75) | 27.8 (82) | 31.1 (88) | 33.3 (91.9) | 37.4 (99.3) | 37.6 (99.7) | 35.5 (95.9) | 31.8 (89.2) | 26.6 (79.9) | 23.4 (74.1) | 37.6 (99.7) |
平均最高気温 °C (°F) | 11.7 (53.1) | 12.2 (54) | 15.1 (59.2) | 19.9 (67.8) | 23.6 (74.5) | 26.4 (79.5) | 30.0 (86) | 31.7 (89.1) | 29.0 (84.2) | 24.1 (75.4) | 19.1 (66.4) | 14.4 (57.9) | 21.5 (70.7) |
平均最低気温 °C (°F) | 2.4 (36.3) | 2.8 (37) | 5.6 (42.1) | 10.1 (50.2) | 14.5 (58.1) | 18.7 (65.7) | 27.7 (81.9) | 23.6 (74.5) | 21.1 (70) | 15.6 (60.1) | 10.0 (50) | 4.8 (40.6) | 12.7 (54.9) |
最低気温記録 °C (°F) | −4.9 (23.2) | −8.3 (17.1) | −4.0 (24.8) | 0.7 (33.3) | 4.3 (39.7) | 10.5 (50.9) | 15.6 (60.1) | 17.7 (63.9) | 12.9 (55.2) | 5.5 (41.9) | −0.3 (31.5) | −4.1 (24.6) | −8.3 (17.1) |
降水量 mm (inch) | 76.5 (3.012) | 110.7 (4.358) | 179.9 (7.083) | 239.1 (9.413) | 269.3 (10.602) | 344.0 (13.543) | 290.7 (11.445) | 247.6 (9.748) | 315.9 (12.437) | 199.1 (7.839) | 146.1 (5.752) | 76.5 (3.012) | 2,516.9 (99.091) |
平均月間日照時間 | 173.9 | 164.7 | 179.9 | 194.6 | 185.5 | 144.4 | 183.8 | 212.9 | 163.1 | 170.7 | 165.1 | 182.0 | 2,120.5 |
出典1:気象庁 [統計 1] | |||||||||||||
出典2:気象庁 [統計 2] |
歴史
原始
- 縄文時代田井遺跡[5]ができる。
- 今の美波町立日和佐小学校前で祝部の土器の破片が見つかる。
古代
- 935年(承平5年)1月22日から1月26日にかけて土佐日記の作者『紀貫之』が土佐から京都への帰る途中、日和佐に阿波国内では最長の4泊停泊。恵比須浜港に停泊したという説が有力である。日和佐港は阿波国外にも良港として知られていた。
中世
- 中世に成立していた保として、日和佐保があった。日和佐保は1379年(康暦元年)5月日の記念銘をもつ日和佐八幡神社旧蔵の朱漆足付盤に以下の記述があるだけである。「阿波国海部郡日和佐保八幡宮」
- 中世に成立していた荘園として日輪之荘があった。日輪之荘は現在の美波町木岐地区周辺にあったと考えられる。「阿州日輪之庄岐々之村(1456年(康正2年)旦那願文案/二階堂氏文書/徴古雑抄)」
- 「平家物語」に結城の浦との記述があるが、旧由岐町のことであると考えられる。「阿波国結城の浦より小舟にのり、鳴戸浦をこぎとほり、紀伊路(平家物語 巻一○横笛)
- 1223年(貞応2年)5月 承久の乱で土佐に配流されていた、後鳥羽上皇の第一皇子、土御門上皇が、都に近いところでという配慮で、阿波国に移られることになった途中、薬王寺に滞留されたようである。
- 「太平記」に正平地震津波記事として「雪ノ湊」との記述があるが、旧由岐町のことであると考えられる[6]。「中ニモ阿波ノ雪ノ湊ト云浦ニハ、俄ニ太山ノ如ナル潮漲来テ、在家一千七百余宇、悉ク引塩ニ連テ海底ニ沈シカバ、家々ニ所有ノ僧俗・男女、牛馬・鶏犬、一モ不残底ノ藻屑ト成ニケリ」(太平記 巻三十六)
- 室町時代末期、日和佐氏の日和佐肥前守が日和佐城を築城したとされる。
近世
日和佐肥前守の子孫の濱氏が阿波藩蜂須賀氏諸奉行格80石余を知行。また薬王寺は寺領として十五石を給わった。
- 1771年(明和8年)6月11日 ハンガリー人のモーリツ・ベニョヴスキーがロシア船を乗っ取り、日和佐浦に漂着。
- 1807年(文化4年) 陣屋が海部から日和射に移される。
- 1829年(文政12年)12月20日以降、宍喰沖・牟岐浦・日和佐浦に異国船(黒船)が度々来航(牟岐浦異国船漂着事件)。ペリー来航の24年前のことであった。
- 1868年(慶応4年)1月4日 戊辰戦争のなかで旧由岐町沖で阿波沖海戦があった。この海戦は日本初の洋式艦同士の戦いで赤塚源六艦長率いる薩摩艦隊は、幕府軍艦頭榎本武揚 が陣頭指揮をとる幕府艦隊「開陽丸」を振りきり逃走した。逃げ去った薩摩艦船「春日丸」には日露戦争で活躍した東郷平八郎も砲手として乗り込んでいた。その海戦を伝える阿波沖海戦公園がある。
近代以降
- 1926年(大正15年)7月1日 -日和佐警察署を廃止し牟岐町に移す。
- 1927年(昭和2年)4月 - 県立海部中学校開校。
- 1939年(昭和14年)12月14日 - 国鉄牟岐線福井-日和佐間開通。
- 1942年(昭和17年)7月1日 - 国鉄日和佐-牟岐間開通。
- 1946年(昭和21年)12月21日 - 南海地震により、被害甚大。多くの家屋が倒壊・浸水。
- 1955年(昭和30年)2月1日 - 町立日和佐病院開設。
- 1958年(昭和33年) - 日和佐幼稚園創立。
- 1968年(昭和43年)4月3日 - 香川県詫間町(現・三豊市)と日和佐町が姉妹都市締結。
- 1969年(昭和44年)5月8日 - オーストラリア、ケアンズ市と日和佐町が姉妹都市締結。
- 1973年(昭和48年)5月1日 - 海部郡農業協同組合を設立。日和佐に事務所設置。
- 1974年(昭和49年)4月26日 - 南阿波サンライン全線開通。
- 1977年(昭和52年)4月19日 - 沖縄県国頭郡恩納村と日和佐町が姉妹都市締結。
美波町成立以降
- 2006年(平成18年)3月31日 - 海部郡日和佐町・由岐町が合併して美波町発足。同時に町章を制定する[7]。
- 2009年(平成21年)4月1日 - 徳島県立水産高等学校が徳島県立徳島科学技術高等学校(徳島市)へ統合される。
- 2010年(平成22年)3月31日 - 美波町立赤松小学校、美波町立由岐中学校阿部分校が閉校。
- 2011年(平成23年)3月31日 - 美波町立阿部小学校が閉校。
- 2013年(平成25年)3月27日 - 徳島県立日和佐高等学校跡地で防災ヘリポート完成記念式典を開催[8]。
- 2016年(平成28年)3月1日 - 日和佐病院と由岐病院を統合し、美波町国民健康保険美波病院を開設[9]。
- 2016年(平成28年)3月31日 - 美波町立木岐小学校が閉校。
- 2016年(平成28年)5月17日-株式会社あわえと美波町の地方創生におけるパートナーシップ協定を締結。
- 2016年(平成28年)10月-美波町立日和佐小学校にて、全国初となるデュアルスクールの実施。
- 2020年(令和2年)4月1日 - (美波町みなみらいスクエア)が開場。
地域
大字
由岐地区
郵便番号 | 大字名 |
---|---|
779-2101 | (西由岐) |
779-2102 | (港町) |
779-2103 | (西の地) |
779-2104 | (東由岐) |
779-2105 | (志和岐) |
779-2106 | (阿部) |
779-2107 | (伊座利) |
779-2108 | (木岐) |
779-2109 | (田井) |
日和佐地区
行政・議会
町長
代位 | 市長氏名 | 任期 | 肩書き | 所属政党 | 備考 | |
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就任年月日 | 退任年月日 | |||||
- | (中東覚) | 2006年(平成18年)3月31日 | 2006年(平成18年)5月14日 | 町長職務代理者 | ||
初代 | 藤井格 | 2006年(平成18年)5月14日 | 2009年(平成21年)7月 | |||
- | (中東覚) | 2009年(平成21年)6月11日 | 2006年(平成21年)8月23日 | 副町長 | 町長職務代理者 | |
第2代 | 影治信良 | 2009年(平成21年)8月23日 | 現職 |
自治体交流
美波町議会
2022年美波町議会議員選挙
候補者名 | 当落 | 年齢 | 党派名 | 新旧別 | 得票数 |
---|---|---|---|---|---|
遊亀聖悟 | 当 | 29 | 無所属 | 新 | 483票 |
向山篤宏 | 当 | 68 | 無所属 | 現 | 364票 |
松本晋児 | 当 | 69 | 無所属 | 現 | 326票 |
片山正敏 | 当 | 68 | 無所属 | 新 | 325票 |
北山朝彦 | 当 | 62 | 無所属 | 現 | 322票 |
岩瀬公 | 当 | 68 | 無所属 | 現 | 305票 |
戎野博 | 当 | 73 | 無所属 | 現 | 275票 |
丸龍孝敏 | 当 | 67 | 無所属 | 現 | 266票 |
中川尚穀 | 当 | 70 | 日本共産党 | 現 | 246票 |
小部博正 | 当 | 56 | 無所属 | 新 | 237票 |
春田裕計 | 当 | 63 | 無所属 | 現 | 167票 |
鈴木健宏 | 当 | 34 | 無所属 | 新 | 162票 |
谷睦尚 | 落 | 51 | 無所属 | 新 | 151票 |
宮原英夫 | 落 | 73 | 無所属 | 現 | 90票 |
衆議院
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|
当 | 仁木博文 | 55 | 無所属 | 元 | 99,474票 | |
比当 | 後藤田正純 | 52 | 自由民主党 | 前 | 77,398票 | ○ |
比当 | 吉田知代 | 46 | 日本維新の会 | 新 | 20,065票 | ○ |
佐藤行俊 | 73 | 無所属 | 新 | 1,808票 |
参議院
2022年参議院議員選挙
時の内閣:第2次岸田内閣
2022年(令和4年)7月10日執行
当日有権者数:人 最終投票率:% (全国投票率:52.05%( 3.25%))
教育
中学校
小学校
特別支援養護学校
交通
鉄道路線
町役場の最寄駅は日和佐駅である。特急列車は由岐駅と日和佐駅に停車する。田井ノ浜駅は海水浴シーズンのみ営業する。
バス
- 高速バス
- 徳島バス 室戸・生見・阿南 - 大阪線
- 由岐停留所、日和佐停留所
- (上記停留所を含む、阿南駅 - 甲浦間相互のみ予約無しでの途中乗降可能、阿南駅 - 浅川間JRの有効な乗車券等で利用可能)
- 路線バス
- 南部バス 川口(那賀町) - JR日和佐駅
道路
特産品
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 名所・旧跡
薬王寺
日和佐城
- 名勝
- 博物館など
- 日和佐うみがめ博物館
- ぽっぽマリン(JR牟岐線由岐駅に併設)
- 催事
- 由岐天神祭り(7月日曜)
- 由岐の連続秋祭り(9月中旬)
- 伊勢エビ祭り(10月日曜)
- 赤松地区の吹筒花火(10月)
- うみがめ祭り(7月中旬)
- ひわさうみがめトライアスロン(うみがめ祭りの翌日)
- 八幡神社秋季例祭(秋祭り)日和佐地区(10月)
出身有名人
縁のある人物
ゆかりのある放送
参考文献
脚注
注釈
出典
- ^ “徳島県海部郡消費者協会の「レジ袋有料化」の取組について”. 徳島県消費者協会 (2017年5月29日). 2020年4月4日閲覧。
- ^ a b 日和佐町史. 日和佐町. (昭和59年3月20日)
- ^ 漁師町にITオフィス 「東京よりかっこいい」:読売新聞
- ^ “年降水量(平年値)ランキング”. weather.time-j.net. 2019年6月26日閲覧。
- ^ 徳島県立埋蔵文化財総合センター - とくしま埋文資料集成
- ^ 下中直人、徳島県の地名、第37巻、日本歴史地名大系、2000年2月25日、p692-p693
- ^ 図典 日本の市町村章 p191
- ^ 『日和佐高跡地に建設 防災ヘリポート 完成祝い式典』徳島新聞2013年3月28日 18面 地域面 ワイドとくしま
- ^ 八角健太 (2016年2月16日). “津波に備え、病院が標高23メートルの高台に 美波町、完成し記念式典”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 徳島全県版
- ^ “ファミリーヒストリー 蛭子能収〜伝説の漁師集団 父は死の海にこぎだす〜”. gooテレビ番組. 2019年10月6日閲覧。
- ^ “ファミリーヒストリー 久本雅美〜笑いの原点 2人の祖父は女形〜”. NHK. 2022年4月23日閲覧。
- ^ “平成21年度後期の連続テレビ小説は「ウェルかめ」です!”. 日本放送協会 (2009年1月8日). 2019年10月6日閲覧。
統計資料
関連項目
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 美波町観光協会ホームページ
- ウィキトラベルには、美波町に関する旅行ガイドがあります。
- 美波町に関連する地理データ - オープンストリートマップ
- 地図 - Google マップ