概要
結城市街は、鎌倉時代より結城氏初代の朝光の城下町として栄え、酒造りも盛んに行われてきた。浦里家は、1859年(安政6年)の酒造鑑札を保管しており、安政蔵は酒造業を始めた安政年間の建築と考えられ、1854 - 1860年頃(安政年間)に創業していたことは明らかである。現在の結城市は、城下町であり、伝統産業の結城紬の里でもある。現在、「結(ゆい)」、「富久福(ふくふく)」ブランドの日本酒を醸造販売する老舗酒造メーカーである[1]。
2022年(令和4年)5月11日14時45分ごろ、江戸時代後期に建設された国の登録有形文化財の「安政蔵[2]」と「新蔵[3]」の酒蔵2棟と木造2階家屋の3棟、計1,114平方メートルが全焼した[4]。酒造の女性職員によれば、ボイラーから出火し酒蔵に延焼したため119番通報した[5]。安政蔵は1859年(安政6年)ごろ、新蔵は1865 - 1868年(慶応年間)に建築されたとされ、2000年(平成12年)に同文化財に登録された[5]。「煉瓦造煙突[6]」は倒壊していないという[5]。社長によると、「酒の火入れに使う湯を温めていて、消火をしたが天井に火が燃え移った」と話している[5]。現場には消防車10台が出動し、11日20時半に鎮圧した[5]。
一夜明けた12日、茨城県内外の酒蔵や酒販会社が支援に乗り出し、地元の伝統産業である酒造業の発展のため後押ししたいと[7]。結城市の市長も現場を視察し、クラウドファンディングも含め「再建に向けて行政としてできることがあれば、しっかりサポートしていきたい」と述べた[7]。
営業情報
- 酒造見学
電話にて予約必要
- 定休日 - 日曜日、祝日
- 営業時間 - 8時〜17時
文化財
受賞歴
- 全国新酒鑑評会
交通
- 鉄道
関連文献
- 茨城県教育委員会『国指定文化財一覧 結城酒造株式会社 安政蔵ほか2棟(平成12年4月28日登録)』[14] 「結城酒造株式会社 安政蔵ほか2棟 - 結城市街は、鎌倉時代より結城氏初代朝光の城下町として栄え、酒造りも盛んに行われてきた。結城酒造には安政6年の鑑札が残されており、創業当時から安政蔵による酒造りが始められ約150年の歴史を持つ」
- 茨城県『東日本大震災の記録 地震・津波災害編』「結城酒造(結城市)、笠間稲荷・塙家住宅(笠間市)、椎名家住宅(かすみがうら市)、善光寺楼門(石岡市)、旧土浦中学本館(土浦市)(被害状況)(国指定文化財、国登録文化財、県指定文化財 」2013年3月、2016年10月17日
脚注
- ^ a b c d 結城酒造株式会社 - [1]
- ^ 『登録有形文化財(建造物)』「結城酒造株式会社安政蔵」 2022年5月17日閲覧]
- ^ 『登録有形文化財(建造物)』「結城酒造株式会社新蔵」 2022年5月17日閲覧
- ^ a b c 『読売新聞』「創業1594年の老舗酒蔵、2棟「安政蔵」「新蔵」が全焼、国登録有形文化財」 2022年5月11日閲覧
- ^ a b c d e f g 『茨城新聞』「「速報」 老舗・結城酒造で酒蔵2棟全焼 国登録文化財、江戸時代の建設 茨城」 2022年5月12日閲覧
- ^ 『登録有形文化財(建造物)』「結城酒造株式会社煉瓦煙突」 2022年5月11日閲覧
- ^ a b 『茨城新聞』「茨城・結城酒造火災 蔵再建、支援の輪」 2022年5月17日閲覧
- ^ 結城酒造株式会社安政蔵 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 結城酒造株式会社新蔵 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 結城酒造株式会社煉瓦煙突 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 『酒類総合研究所』「平成28酒造年度全国新酒鑑評会 入賞酒目録」酒類総合研究所、平成29年5月18日、2022年5月25日閲覧
- ^ 『酒類総合研究所』「平成29酒造年度全国新酒鑑評会 入賞酒目録」酒類総合研究所、平成30年5月17日、2022年5月25日閲覧
- ^ 『酒類総合研究所』「令和3酒造年度全国新酒鑑評会 入賞酒目録」酒類総合研究所、令和4年5月25日、2022年5月25日閲覧
- ^ [2]
関連項目
外部リンク
- 結城酒造 - 公式ウェブサイト
- 茨城県酒造組合 - 公式ウェブサイト
- 酒類総合研究所 - 公式ウェブサイト
- 日本醸造協会 - 公式ウェブサイト
座標: 北緯36度18分21.02秒 東経139度52分30.56秒 / 北緯36.3058389度 東経139.8751556度