無軌条電車線(むきじょうでんしゃせん)は、富山県中新川郡立山町芦峅寺室堂にあり、標高2450 mの室堂平の中央に位置する室堂駅から、立山ロープウェイとの連絡駅である大観峰駅(同町芦峅寺大観峰)までを結ぶ立山黒部貫光の無軌条電車線(トロリーバス)である。立山黒部アルペンルートを構成する交通機関の一つ。通称は立山トンネルトロリーバスで、全区間立山直下の立山トンネルの中を通る。
無軌条電車線 | |
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立山トンネルトロリーバスの車両 | |
基本情報 | |
通称 | 立山トンネルトロリーバス |
国 | 日本 |
所在地 | 富山県 |
種類 | 無軌条電車 |
起点 | 室堂駅 |
終点 | 大観峰駅 |
駅数 | 2駅 |
開業 | 1971年4月25日[1] (専用道経由の路線バスとして) |
無軌条電車化 | 1996年4月23日[2] |
所有者 | 立山黒部貫光 |
運営者 | 立山黒部貫光 |
使用車両 | 車両の節を参照 |
路線諸元 | |
路線距離 | 3.7 km |
電化方式 | 直流600 V 架空電車線方式 |
高低差 | 134 m (440 ft) |
最高速度 | 40 km/h[3] |
開業当初はディーゼルバスにより運行されていたが[4]、観光客の増加による増便に伴ってトンネル内に排気が滞留するようになり、換気装置を設置しても大した効果が見られなかったため、環境保護のため1996年にトロリーバスへ転換したものである[2][4][5]。
2018年12月に関電トンネルトロリーバスが鉄道事業を廃止し、2019年4月に関電トンネル電気バスとして電気バスへ転換されたことにより[6]、現存する日本で唯一のトロリーバス路線となった[7]。
路線データ
運行形態
大観峰 - 室堂間の所要時間は10分[5]。冬期は運休する。
車両
ディーゼルバス時代はいすゞ自動車製の大型バス(車体は富士重工業製)を使用していて、途中1984年ごろに更新し、トロリーバス化される1996年まで使用されていた。
歴史
駅一覧
- 全駅有人駅
- 廃駅:雷殿駅(2013年廃止)
脚注
- ^ a b c 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』 30号 モノレール・新交通システム・鋼索鉄道、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2011年10月16日、18頁。
- ^ a b 梅原 2019, p. 62.
- ^ a b 寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』 - ネコ・パブリッシング[]
- ^ a b “アルペンルート関電トンネルのトロリーバス廃止…2019年から電気バスに”. レスポンス. イード (2017年8月28日). 2021年4月29日閲覧。
- ^ a b c d e 川島 2010, p. 91.
- ^ 『関電トンネルにおけるトロリーバスの電気バスへの変更について』(プレスリリース)関西電力、2017年8月28日2021年4月29日閲覧。 。
- ^ a b c d e 梅原 2019, p. 63.
- ^ 1965年(昭和40年)7月16日運輸省告示第242号「専用自動車道の工事施工を認可した件」
- ^ a b c 地鉄 1979, p. 181.
- ^ a b 『立山黒部貫光30年史』(1995年10月30日、立山黒部貫光発行)140頁。
- ^ 立山黒部アルペンルート 2014安全報告書 (PDF) 、p.5。
参考文献
関連項目
外部リンク
- 立山黒部アルペンルート 立山トンネルトロリーバス