神戸駅(ごうどえき)は、群馬県みどり市東町神戸にある[1]、わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線の駅である。駅番号はWK12。
神戸駅* | |
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花桃の開花時期の駅舎(2023年4月) | |
ごうど GÔDO | |
◄WK11 小中 (2.0 km) (7.0 km) 沢入 WK13► | |
所在地 | 群馬県みどり市東町神戸891[1] |
駅番号 | WK12 |
所属事業者 | わたらせ渓谷鐵道 |
所属路線 | ■わたらせ渓谷線 |
キロ程 | 26.4 km(桐生起点) |
電報略号 | コト |
駅構造 | 地上駅 |
(ホーム) | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- | 198人/日(降車客含まず) -2018年- |
開業年月日 | 1912年(大正元年)9月5日[2] |
備考 | 無人駅(ボランティア駅長委嘱駅)[3][4] 登録有形文化財[5] * 開業時は神土駅[1][2][6] |
この駅から沢入駅までの約6 kmは急勾配区間で、草木ダムの堤体高さ(約140 m)と同じ高低差を草木トンネルで一気に登っていく。
歴史
ディーゼル化される前は、C12形蒸気機関車の牽引で貨物・客車列車を運行していた。当駅より足尾本山側は急勾配が続くため、重連による蒸気機関車の運行を行っていた(この駅が重連の拠点となっていた)が、草木トンネルの開通に伴い無煙化された。
開業時は、駅名を神戸駅(こうべえき、兵庫県神戸市中央区)との混同を防ぐため神土駅(ごうどえき)としたが[1][6]、わたらせ渓谷鐵道への転換時に本来の地名に合わせ、現在の駅名に改称した[6]。「神土」の表記は小中駅 - 当駅間にある第一神土トンネル・第二神土トンネルに残っている。
年表
- 1912年(大正元年)
- 1913年(大正2年)10月13日:足尾鉄道を国が借入れ。路線名を足尾線に改称[2]。
- 1918年(大正7年)6月1日:国が足尾鉄道を買収し国有化[2]。
- 1965年(昭和35年)12月15日:貨物取扱を廃止[2]。
- 1973年(昭和48年)6月27日:草木ダム建設に伴い、当駅 - 沢入駅間の線路を付け替え[2]。草木駅を廃止[7]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅となる[2]。
- 1989年(平成元年)3月29日:JR足尾線の第三セクター鉄道転換により、わたらせ渓谷鐵道の駅となる[2]。同時に駅名を神戸駅に改称し、無人化[2]。
- 2009年(平成21年)11月2日:駅舎および上りプラットホームが国の登録有形文化財として登録される(官報告示は11月19日)[5]。
- 2016年(平成28年):駅本屋が「わたらせ渓谷鐵道関連施設群」の一部として、土木学会選奨土木遺産に選ばれる[8]。
駅構造
相対式ホーム2面2線を有する地上駅である。無人駅であるが、わたらせ渓谷鐵道が地元住民にボランティア駅長として委嘱している[3][4]。土日・祝日や行楽シーズン、団体客が利用するときには、職員が出向して有人駅となる。
駅舎側が足尾方面、反対側のホームが桐生方面で列車交換が可能[2]。両ホーム間は跨線橋および小中方にある(構内踏切)で連絡している。国鉄時代は2面3線だったが、現在桐生方面の1線は列車のレストラン「清流」(次節)が利用している。
開業時に竣工した木造の駅舎が現在でも使用されており(開業後増築・改修を3回実施)、駅舎に隣接する下り線のプラットホームとともに登録有形文化財となっている[4][5]。
駅前広場には路線バスの停車・転回スペースがあるほか、大型観光バス・乗用車用の駐車場が設けられている。当駅周辺は花桃の名所となっており[6][9]、毎年4月の「神戸駅花桃まつり」の際は駐車場がイベントスペースとなり、一般車の駅前乗り入れはできなくなる[10]。
のりば
※案内上ののりば番号は割り当てられていない。
列車のレストラン「清流」
特急けごんとして東武鉄道日光線を走っていた元1720系「デラックス・ロマンス・カー」の4両目と5両目の2両を利用した列車レストランで[3][11]、駅舎がある桐生方面ホーム横に設けられている[6]。当初は清流にちなんだ青色に塗装されていたが、2011年(平成23年)1月末に現役当時の塗装に復元された[12]。車内は、テーブルの設置以外ほとんど改造されておらず、当時のままの姿を保っている。
駅舎内(2023年4月)
ホームと跨線橋(2023年4月)
構内踏切(2023年4月)
列車のレストラン「清流」(2023年4月)
駅弁
土曜・休日を中心に車内での販売も行われることがある。主な駅弁は下記の通り[13]。
- やまと豚弁当[3]
- トロッコ弁当
利用状況
近年の利用状況は以下のとおりとなっている。
1日乗降人員推移 [14] | |
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年度 | 1日平均人数 |
2011年 | 229 |
2012年 | 246 |
2013年 | 206 |
2014年 | 219 |
2015年 | 227 |
2016年 | 228 |
2017年 | 206 |
2018年 | 198 |
駅周辺
- みどり市立あずま小中学校
- 国道122号
- みどり市立富弘美術館 - 徒歩ではやや遠い。
- 群馬県道268号船笹神戸停車場線
バス路線
- みどり市東町路線バス
その他
当駅では、普通乗車券所持者に限り途中下車が可能となっている(整理券では不可)[15]。
ロケ地となった作品
当駅では、以下の作品でロケ地として使用されている。
- その他
隣の駅
脚注
- ^ a b c d e “【ロケ地巡りの旅】山々が迫る雨の駅舎でラストシーン 映画「天使の恋」 わたらせ渓谷鉄道・神戸(ごうど)駅”. 産経ニュース. (2016年6月5日)2022年1月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日、203頁。ISBN (978-4-7770-1336-4)。
- ^ a b c d . 朝日新聞デジタル. (2012年3月20日). オリジナルの2017年6月6日時点におけるアーカイブ。 2022年1月23日閲覧。
- ^ a b c “弥生の四 拡大スペシャル~春の渡良瀬 我が町の渓谷鉄道~”. 人生の楽園. テレビ朝日 (2015年3月28日). 2022年1月23日閲覧。
- ^ a b c わたらせ渓谷鐵道神戸駅本屋及び下り線プラットホーム - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 「26日で足尾線草木駅廃止」『交通新聞』交通協力会、1973年6月21日、3面。
- ^ “土木学会関東支部 悠悠・土木 / 土木遺産 / わたらせ渓谷鐵道関連施設群”. www.jsce.or.jp. 2022年6月9日閲覧。
- ^ . 読売新聞オンライン. (2020年9月10日). オリジナルの2020年9月11日時点におけるアーカイブ。 2022年1月23日閲覧。
- ^ 車は置いて、列車に乗って行こう! 神戸駅花桃まつり 〜300本の花桃に囲まれて〜 - わたらせ渓谷鉄道イベント情報(2016年版/2017年1月17日閲覧)
- ^ “トロッコ列車で栃木へ 知られざる足尾銅山の本気”. NIKKEI STYLE (2015年11月21日). 2022年1月23日閲覧。
- ^ 東武デラックス・ロマンス・カーの色に復元しました - わたらせ渓谷鐵道 列車のレストラン「清流」(2017年版/2017年1月17日閲覧)
- ^ 『JTB時刻表』2023年3月号、JTBパブリッシング、2023年、570頁。
- ^ 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2021年4月1日閲覧
- ^ “普通乗車券”. わたらせ渓谷鐵道. 2022年8月4日閲覧。
関連項目
- 「ごうど」と読む同音異字の駅
外部リンク
- 神戸駅 - わたらせ渓谷鐵道
- わたらせ渓谷鐵道神戸駅本屋及び下り線プラットホーム - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- 動画で見るニッポンみちしる 神戸駅 - NHKアーカイブス