真寂入道親王(しんじゃく にゅうどうしんのう、正字体:眞寂)は、宇多天皇の第三皇子。母は橘義子。出家前は斉世親王(ときよ しんのう、正字体:齊世)。三品、兵部卿。
経歴
仁和2年(886年)、臣籍に降下していた源定省の三男・源斉世として生まれる。仁和3年(887年)、父(宇多天皇)の皇籍復帰と即位に伴い、皇族に列することになった。寛平元年12月28日(890年1月22日)、兄弟3人とともに親王宣下[1]。
寛平8年(896年)11歳の時に大学寮において講書初めが行われ、昌泰元年(898年)11月に元服した。その後三品に叙され、兵部卿・上総太守などを歴任した。しかし延喜元年(901年)、岳父の菅原道真が、斉世親王の兄である醍醐天皇から斉世親王に譲位させようとしたという嫌疑で九州大宰府に左遷される(昌泰の変)と、斉世親王は仁和寺に入って真寂と名乗った。その後は欣求修行につとめ7回の灌頂を受けたという。のち円成寺に移った。