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白色テロ(はくしょくテロ、英: White Terror)とは、為政者や権力者、反革命側(君主制国家の為政者あるいは保守派)によって政治的敵対勢力に対して行われる弾圧や暴力的な直接行動のことである。国家組織および権力を是認して行われる不当逮捕や言論統制などがある。フランス語(Terreur blanche)に由来するため白色テロルとも言う。
一般に国家の何らかの関与を前提とするため、単なる右翼テロとは異なる。
語義
「白色」とはフランス王国の王権の象徴であった白百合に由来しており、フランスでは白色(白旗)は王権または王党派を意味する色であった。転じて、フランス以外でも治世者を全般をさす色とされ、イランの白色革命などの用法がある。白色テロは、元来はフランス革命中の1794年から1795年にかけて、シュアヌリ(ふくろう党)が行ったテロ行為、または極右に転向したテルミドール派による左派(ジャコバン派または山岳派)への弾圧、あるいはフランス復古王政期の超王党派(ユルトラ)による国王弑逆者である共和派への報復や、ギヨーム=マリ=アンヌ・ブリューヌ元帥やラメル元議員の暗殺などを指して、形容した言葉であった。
転じて反革命側(右派)の革命側(左派)に対する、もしくは為政者(保守派)の反体制側(革新派)に対する弾圧を意味するようになったが、特に20世紀には 社会主義者と共産主義者(およびその疑いがある人物)に対する厳しい弾圧を表すのにも用いられた。
定義
白色テロには強権的警察行為も含まれ、アルゼンチンの汚い戦争のように非合法なまま秘密裏に行なわれるものが多いが、恣意的な法解釈によって合法とされて公然と行なわれることもあり、正規の治安維持活動との線引きは不明瞭である。植民地や一方的に領有を宣言し占領している実効支配地域での民族独立運動に対する警察権力の乱用、軍事介入等の弾圧も白色テロに含まれることがある。
共産主義・社会主義政権が関係する時の表現の揺れ
反体制派に対してテロを行った体制側が共産主義・社会主義政権の場合、これを赤色テロと呼ぶ者が居る。赤色(赤旗)は共産主義・社会主義を表す色だからである。しかしこのような考え方をする場合、共産主義・社会主義政権の時に反体制派(右派)がテロを行っても、それを白色テロとは言わないという。白色テロは、あくまでも政権側・体制側が行った場合のテロ表現であり、反体制左翼の行為も含める赤色テロと対照の定義とはなっていない。このような考え方は世界的に普遍ではなく、通信社の配信記事[1]では白色テロを共産党政権関係の記事にも使用する。
主要な白色テロ
ヨーロッパ
- フランス
- フランス復古王政下における王党派による白色テロ(百日天下を参照)
- ロシア
- (6.3クーデター)
- 血の日曜日事件
- ドイツ
- バイエルン・レーテ共和国への白色テロ
- 夜と霧
- 長いナイフの夜
- 水晶の夜
- イギリス(北アイルランド)
- ハンガリー
- ギリシャ
- フィンランド
- スペイン
- (白色テロ (スペイン))
アジア
- 日本
- 中華民国(大陸時期)
- 中華民国(台湾時期)
- 韓国
- フィリピン
- ベニグノ・アキノ(暗殺事件)
- インドネシア
- 9月30日事件以降の共産党弾圧
- 自由ベトナム臨時政府によるテロ活動
アメリカ
脚注
関連項目
- 官製デモ
- 秘密警察 - (情報保全隊の市民活動監視問題)
- 死の部隊 - 西半球安全保障協力研究所
- カウンタークーデター(反クーデター)
- 粛清
- 弾圧
- 反共主義
- 反共法
- 治安維持法
- 国家保安法 (大韓民国)
- 破壊活動防止法
- 凶器準備集合罪
- 共謀罪
- 騒擾罪
- 白旗
- 赤色テロ
- 黒色テロ - 無政府主義者によるテロ
- テロリズム
- 中国国民党
- 敵の出方論