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波羅蜜

波羅蜜(はらみつ、パーリ語: Pāramīパーラミーサンスクリット語: पारमिताPāramitāパーラミター)とは、完全性を意味する仏教用語。仏典文学においては、釈迦は前世における修行において10の波羅蜜を完成させた結果、数千年前のインドに降臨したのだと説いている[1]

仏教用語
パーラミー
パーリ語 pāramī
サンスクリット語 पारमिता
中国語 波羅蜜
日本語 波羅蜜, 波羅蜜多
(ローマ字: はらみつ, はらみった)
英語 perfection
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仏教
波羅蜜
       
同色は両者に存在する項目

転じて大乗仏教においては、になるために菩薩が行う修行のこと[2]彼岸(とうひがん)、(ど)、波羅蜜多(はらみった)などとも訳す[3][注釈 1]六波羅蜜十波羅蜜がある[2]

語源

サンスクリット文法による語源的解釈では、Pāramitā を、"pāramī"(「最高の」を意味する "parama" の女性形)+ "-tā"(抽象名詞をつくる接尾辞)と分解し、「最高であること」、「完全であること」とされる[要出典]。しかし中国およびチベットなどの北伝仏教の伝統的な解釈では、これを"pāram"(彼方、"pāra" の 業格)+ "ita"(動詞 "i" 行くの過去分詞女性形)と読み、漢語訳においては「彼方に行った」すなわち此岸(迷い)から彼岸(覚り)に到る行と解するのが通例である[5]。例えば、漢語訳における「度(ど)」、「到(とう)彼岸」などの訳語や、チベット語訳の「パロルトゥ・チンパ」(pha rol tu phyin pa)も「パロルトゥ」(pha rol tu)が「pāram」、「チンパ」(phyin pa)が「itā」に相当する語である[5]

部派仏教

上座部大寺派

上座部仏教においては、涅槃へ至るための修行や前世を含めた善行のこと。パーリ仏典仏種姓経では、以下の十波羅蜜が挙げられている。

  • 布施(Dāna)[1]
  • 持戒(Sīla)[1]
  • 出離(Nekkhamma) - 俗世間の欲から遠ざかること[1]
  • 智慧(Paññā) - 真理を発見すること[1]
  • 精進(Viriya)- 目的に達するまで進むこと[1]
  • (忍辱)(Khanti) - 正しい道をあきらめずに耐え忍ぶこと[1]
  • 真諦(Sacca) - 嘘をつかないこと[1]
  • 誓願(Adhiṭṭhāna)- 優柔不断を克服し、目標を心に定めること[1]
  • (Mettā) - 生命をいつくしむこと[1]
  • (Upekkhā)- 無執着[1]

説一切有部

四波羅蜜

カシミール有部の『大毘婆沙論』には以下の四波羅蜜が説かれる[6]

  1. 施波羅蜜多 (Dāna)
  2. 戒波羅蜜多 (Śīla)
  3. 精進波羅蜜多 (Vīrya)
  4. 般若波羅蜜多 (Prajñā)

大乗仏教

六波羅蜜

六波羅蜜(ろくはらみつ、ろっぱらみつ、Ṣatpāramitā)とは、大乗仏教で説く悟りの彼岸に至るための6つの修行徳目[7]。六度彼岸(ろくどひがん)や[要出典]六度とも呼ばれる[7]

  1. 布施波羅蜜 - 檀那(だんな、Dāna ダーナ)は、分け与えること。dānaという単語は英語のdonation、givingに相当する。具体的には、財施(喜捨を行なう)・無畏施・法施(仏法について教える)などの布施である。檀と略す場合もある。
  2. 持戒波羅蜜 - 尸羅(しら、Śīla シーラ)は、戒律を守ること。在家の場合は五戒(もしくは八戒)を、出家の場合はに規定された禁戒を守ることを指す。
  3. 忍辱波羅蜜 - 羼提(せんだい、Kṣānti クシャーンティ)は、耐え忍ぶこと。
  4. 精進波羅蜜 - 精進毘梨耶(びりや、Vīrya ヴィーリヤ)は、努力すること。
  5. 禅定波羅蜜 - 禅那(ぜんな、Dhyāna ディヤーナ))は、特定の対象に心を集中して、散乱する心を安定させること。
  6. 般若波羅蜜 - 般若 (はんにゃ、Paññā パンニャー)は、全ての事物や道理を見抜く深い智慧のこと。波羅蜜とも呼ばれ、十波羅蜜の智波羅蜜とは区別される[8]。1~5の五波羅蜜は、この般若波羅蜜を成就するための階梯と位置付けられるもので、最終的には、般若波羅蜜を希求することによって調御、成就される。

龍樹は『宝行王正論[注釈 2]においてこの6項目を以下の3つのカテゴリーに分けて解説している[10]

龍樹によれば、釈迦の教えとは要約すれば「自利・利他・解脱」の3つに尽き、「自利・利他・解脱」はすべて六波羅蜜によって包摂されるため、阿含経に根拠を持たない大乗独自のこれら六波羅蜜も仏説であるという[10]

十波羅蜜

十波羅蜜(じっぱらみつ)は、六波羅蜜に、方便・願・力・智の四波羅蜜(六波羅蜜の般若波羅蜜より派生した4つの波羅蜜)を加えたもの。唯識論ではこの十波羅蜜を立てて十勝行と称す。華厳教学などでは、菩薩の(五十二位)の中の十行のことともいわれる。また菩薩は十地において正しくこの十波羅蜜を順次に習得するという。[要出典]

  1. 方便波羅蜜 - 烏波野、漚和拘舎羅(Upāya、Upāyakuśala ウパーヤ、うはや、日本語訳:方便)は、巧みな手段で衆生を教導し、益すること。六波羅蜜の行によって集めたる善根を有情に廻向せしめて彼と共に無上菩提を求むる廻向方便善巧、一切有情を済度する抜済方便善巧の2種類を修行する。
  2. 願波羅蜜 - 波羅尼陀那(Praṇidāna プラニダーナ、はらにだな、日本語訳:願)は、(彼岸すなわち仏の理想世界に到達せんと立願すること。今日ではこれらすべての修行を完成せんと願う希望をいう。求菩提願・利他楽顔の2つを修行する。
  3. 力波羅蜜 - 波羅(Bala バラ、はら、日本語訳:力)は、二義あり、一義に一切の異論及び諸魔衆の壊すことなきをいい、また一義に十力の行のうち、思擇力・修習力の2つを修行する。
  4. 智波羅蜜 - 智(Jñāna ジュニャーナ、日本語訳:智)は、万法の実相を如実に了知する智慧は生死の此岸を渡りて、涅槃の彼岸に到る船筏の如く、受用法楽智・成熟有情智の2つを修行する。

仏典における扱い

般若経』では般若波羅蜜(般若波羅蜜多)ほか全6種(六波羅蜜)を数え、『華厳経』などではこれに4種を加え10種(十波羅蜜)を数える[要出典]。『摩訶般若波羅蜜経』は九十一波羅蜜を列挙する[11]

常楽我浄

大乗仏教の宝性論では、如来の法身の特徴(guṇa)として[12]常楽我浄を挙げ、それぞれ常波羅蜜、楽波羅蜜、我波羅蜜、浄波羅蜜と呼んでいる[13]。小川によれば、これは波羅蜜(pāramitā)を「究極的な境地に到達した状態」という意味で用いているという[12]

脚注

注釈

  1. ^ 度や到は、渡る・到るの意味であり、迷いの世界から悟りの世界へ渡った・到着したことを表す。[4]
  2. ^ 傍証により龍樹作とされている[9]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k アルボムッレ・スマナサーラ『日本人が知らないブッダの話』学研プラス、2010年、304/3227頁。ISBN (978-4054044104)。 
  2. ^ a b 「波羅蜜」 - 精選版 日本国語大辞典、小学館。
  3. ^ 三枝充悳「波羅蜜」 - 日本大百科全書(ニッポニカ)、小学館。
  4. ^ 「六波羅蜜」 - 世界大百科事典 第2版、平凡社。
  5. ^ a b 渡辺章悟『般若波羅蜜多(prajñapāramitā)の解釈』、<東洋学論叢(22)>、東洋大学文学部、1997年、p. 145。
  6. ^ 修四波羅蜜多而得円満。謂施波羅蜜多。戒波羅蜜多。精進波羅蜜多。般若波羅蜜多。(T1545_.27.0892a26~T1545_.27.0892a28)
  7. ^ a b “六波羅蜜(ろくはらみつ)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2017年8月13日閲覧。
  8. ^ 中村元ほか(編) 『岩波 仏教辞典』 岩波書店、1989年12月、「智慧」。
  9. ^ 梶山雄一、瓜生津隆真(訳)『大乗仏典〈14〉龍樹論集 (中公文庫)』、中央公論新社、2004年10月、p.242、(ISBN 978-4122044371)
  10. ^ a b 梶山雄一瓜生津隆真(訳)『大乗仏典〈14〉龍樹論集 (中公文庫)』、中央公論新社、2004年10月、p.310、(ISBN 978-4122044371)
  11. ^ 『摩訶般若波羅蜜經 遍歎品第四十四 丹百波羅蜜品』 (T0223_.08.0311c15 - 0313a25)。
  12. ^ a b 小川 1966, p. 363.
  13. ^ 小川 1966, p. 362.

参考文献

  • 小川, 一乘「四波羅蜜多について -ダルマリンチェン造寶性論釋疏を所依として-」『印度學佛教學研究』第15巻第1号、日本印度学仏教学会、1966年、362-365頁。 

関連項目

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