概要
東京府出身の官能小説評論家である。雑誌などで官能小説を紹介するコラムを手掛け、多くの官能小説を読破した。その経験をもとに、官能小説における用語や表現を纏めた辞典を編纂するなど[1][2][3]、官能小説研究の第一人者として知られるようになった。テレビなどでは「性愛表現の生き字引」[4]「官能小説を1万冊読んだ男」[4]として紹介されることもある。なお、「ポパイシリーズ」の翻訳を手掛けたことでも知られている[5][6]。
来歴
1933年、東京府(のちの東京都)にて生まれた。東京外国語大学に進学するも、中途退学した。その後、バッド・サゲンドルフの『ポパイ和英大作戦』や『ポパイ和英大旋風』といった「ポパイシリーズ」の翻訳を手掛けていた[5][6]。また、『ダ・カーポ』においては、官能小説を紹介するコラム「くらいまっくす」を長年にわたり手掛けていた。のちにこのコラムの選集が『特選! くらいまっくす99』として一冊に纏められている[7]。この間、官能小説を多数読み込み、官能小説に関する評論家としても知られるようになる。官能小説における独特の用語や表現を採録した『官能小説用語表現辞典』を編纂したが[1]、こちらはのちに加筆された上でちくま文庫にも収録されている[2]。また、官能小説の絶頂時の表現に着目し採録した『官能小説「絶頂」表現用語用例辞典』や[3]、官能小説の擬声語や擬態語を採録した『オノマトペは面白い』を手掛けている[8]。
官能小説の書き方十か条
著書『官能小説の奥義』で「官能小説の書き方十か条」を挙げている。
- 官能小説は性欲をかきたてるだけのものではない
- 好きな作家を見つけよ
- まず短編を書いてみる
- 官能シーンを早く出せ
- 自分がしたくても出来ないことを書く
- 三人以上の人物を登場させよ
- 恥ずかしいと思うな
- オノマトペをうまく使う
- 性の優しさ、哀しさ、切なさを知っておく
- 書いている途中でオナニーをするな
著作
単著
- 永田守弘著『官能小説の奥義』集英社、2007年。(ISBN 9784087204100)
- 永田守弘著『官能小説の奥義』筑摩書房、2010年。(ISBN 9784480065414)
- 永田守弘著『日本の官能小説』朝日新聞出版、2015年。(ISBN 9784022736093)
- 永田守弘著『官能小説の奥義』KADOKAWA、2016年。(ISBN 9784044000998)
共著
編纂
- 永田守弘編『官能小説用語表現辞典』マガジンハウス、2002年。(ISBN 4838713592)
- 永田守弘編『官能の淫髄・極めつき10編』河出書房新社、2003年。(ISBN 4309474519)
- 永田守弘編『宴溺色の女』徳間書店、2004年。(ISBN 4198920796)
- 永田守弘編『祭魔悦の女』徳間書店、2004年。(ISBN 4198920982)
- 永田守弘編『奏秘悶の女』徳間書店、2004年。(ISBN 4198921083)
- 館淳一著、永田守弘編『館淳一の秘巻7篇――官能の淫髄』河出書房新社、2005年。(ISBN 4309481523)
- 永田守弘編『官能小説用語表現辞典』筑摩書房、2006年。(ISBN 4480422331)
- 永田守弘編『官能の淫髄・とどめの8編』河出書房新社、2007年。(ISBN 9784309481692)
- 永田守弘編『官能小説「絶頂」表現用語用例辞典』河出書房新社、2008年。(ISBN 9784309481753)
- 永田守弘編著『オノマトペは面白い――官能小説の擬声語・擬態語辞典』河出書房新社、2012年。(ISBN 9784309481937)
翻訳
- バド・サゲンドルフ作、永田守弘訳『ポパイ和英大作戦』ツル・コミック社、1971年。
- バド・サゲンドルフ作、永田守弘訳『ポパイ和英大旋風』ツル・コミック社、1971年。
出演
脚注
- ^ a b 永田守弘編『官能小説用語表現辞典』マガジンハウス、2002年。
- ^ a b 永田守弘編『官能小説用語表現辞典』筑摩書房、2006年。
- ^ a b 永田守弘編『官能小説「絶頂」表現用語用例辞典』河出書房新社、2008年。
- ^ a b 『タモリ倶楽部』テレビ朝日、2015年10月9日。
- ^ a b バド・サゲンドルフ作、永田守弘訳『ポパイ和英大作戦』ツル・コミック社、1971年。
- ^ a b バド・サゲンドルフ作、永田守弘訳『ポパイ和英大旋風』ツル・コミック社、1971年。
- ^ 永田守弘・荒木経惟『特選! くらいまっくす99』マガジンハウス、1999年。
- ^ 永田守弘編著『オノマトペは面白い』河出書房新社、2012年。
- ^ 蒼井凜花のブログ[1]
- ^ タモリ倶楽部