永島 まなみ(ながしま まなみ、2002年10月27日 - )は、日本中央競馬会(JRA)所属の騎手。高橋康之厩舎(栗東トレーニングセンター)所属。父は地方競馬の兵庫県競馬組合に所属していた元騎手で現在は調教師の永島太郎。
来歴・人物
兵庫県で生まれる。5歳のときから騎手だった父親に憧れて乗馬を始め、2015年にジョッキーベイビーズ関西地区予選に出場。
2018年に競馬学校騎手課程37期生として入学。在学中から直接指導を受けていた栗東トレーニングセンター・高橋康之厩舎に所属。
2021年に騎手免許を取得[2]。
目標騎手として、武豊と岩田康誠(2006年まで父・太郎と同じ兵庫県競馬に所属していた)を挙げている[1]。
2021年
2月9日、JRA騎手免許試験に合格[3]。
3月6日の小倉競馬第2Rでデビュー。6番人気のフェイトリッパーに騎乗して4着だった[4]。
3月14日の中京競馬第2Rでアクイールに騎乗して初勝利を挙げた[5]。
4月10日の新潟競馬第7Rでランランウィングに騎乗。オパールシャルム騎乗の藤田菜七子に次いで2着となり、JRA史上初の女性騎手によるワンツーフィニッシュを飾った[6]。なお、この日は古川奈穂も新潟で騎乗しており、3R・4R・9Rで女性騎手3人の同一レース騎乗が実現した。これは1998年9月13日中山第2Rの牧原由貴子・田村真来・板倉真由子の3人以来、23年ぶりの出来事となった[6]。
4月17日、新潟第7Rでモノポリーアイズに騎乗して3着。このレースでは古川奈穂がクラウンデザイアーで1着、2着に藤田菜七子のキムケンドリームが入り、JRA史上初の女性騎手によるワンツースリーとなった[7][8]。
5月16日、新潟第3Rをベルゼールで勝利。同日の新潟第6Rでは藤田菜七子が勝利しており、2000年12月10日に細江純子と西原玲奈が同日に勝利を挙げて以来20年ぶりとなる、複数の女性騎手による同日勝利となった[9]。
9月22日に園田競馬場で行われたヤングジョッキーズトライアルラウンドに出場した。兵庫県競馬の調教師である父・太郎が見守る中、チェリーウラノスに騎乗して1着となり園田での初勝利となった[10]。
2023年
5月3日、JRAから開催日における騎手の通信機器・スマートフォンの不適切使用が認められ、日本中央競馬会施行規定第147条第19号「競馬の公正確保について業務上の注意義務に違反した者」として、2023年5月13日から6月11日までの30日間(開催日10日間)の騎乗停止となった。本件は同年4月23日の福島競馬場の騎手控室内において、スマートフォンを用いてレース動画の閲覧が判明した事によるものである。本件では永島に加え、古川奈穂、今村聖奈、角田大河、河原田菜々、小林美駒の計6名の若手騎手が同様の騎乗停止処分を受けている[11][12]。処分発表後、父である永島太郎は同月4日に取材に応じ「先に生きている人たちが競馬に対してクリーンなイメージを作ってくれて、ファンの皆さまに安心して馬券を買ってもらっている中で、今回の出来事が起こって(信頼を)崩してしまった。競馬で生活している生産者や装蹄師など、競馬に携わっている人にも迷惑をかけたことを自覚しなければいけない」と娘に苦言を呈したうえで、娘とは本件について連絡を取っていないものの、関係者としての責任からバリカンで自身の頭を短髪に刈り上げて、反省の意を示した[13]。
騎乗成績
概要
日付 | 競馬場・開催 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
初出走 | 2021年3月6日 | 2回小倉7日2R | 3歳未勝利 | フェイトリッパー | 16頭 | 6 | 4着 |
初勝利 | 2021年3月14日 | 2回中京2日2R | 3歳未勝利 | アクイール | 9頭 | 4 | 1着 |
年度別成績
中央競馬
年度 | 1着 | 2着 | 3着 | 騎乗数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 表彰 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021年 | 7 | 7 | 9 | 268 | .026 | .052 | .086 | |
中央 | 7 | 7 | 9 | 268 | .026 | .052 | .068 |
出典: JRA日本中央競馬会 騎手名鑑の過去成績より
地方競馬
年度 | 1着 | 2着 | 3着 | 騎乗数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2021年 | 1 | 0 | 0 | 8 | .125 | .125 | .125 |
地方 | 1 | 0 | 0 | 8 | .125 | .125 | .125 |
出典: 地方競馬全国協会 データ情報より
エピソード
2022年11月の福島開催から、4歳年上の姉が(バレット)を務めている。姉は高校卒業後にまなみや家族のサポートを目指し、専門学校に3年通って鍼灸師の資格を取得。鍼灸師の仕事と並行して競馬開催日にまなみのバレットとしてサポートしている[14]。
注釈
出典
- ^ a b c d e “永島 まなみ(2021年 ルーキーズ)”. 日本中央競馬会. 2021年4月13日閲覧。
- ^ “菜七子以来、女性騎手5年ぶり誕生 古川奈穂さん&永島まなみさん”. netkeiba.com. 2021年4月13日閲覧。
- ^ “2021年度 調教師・騎手免許試験合格者 JRA”. 日本中央競馬会. 2021年4月13日閲覧。
- ^ 「5年ぶり誕生の女性騎手 永島まなみデビュー戦4着「向上していきたい」【小倉2R 3歳未勝利】」『中日スポーツ』、2021年3月6日。2021年4月13日閲覧。
- ^ “永島まなみ、12戦目でデビュー初勝利!女性騎手では2位タイ 師匠の馬でのVに喜び”. netkeiba.com. 2021年4月13日閲覧。
- ^ a b “JRA史上初の女性騎手ワンツー!菜七子&まなみが決めた 23年ぶり女性3騎手対決も”. netkeiba.com. 2021年4月13日閲覧。
- ^ “【4歳以上1勝クラス】(新潟7R) 古川奈穂騎手騎乗のクラウンデザイアーが勝利してJRA史上初の女性騎手ワンツースリー | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年4月17日閲覧。
- ^ 「JRA史上初の女性騎手ワンツースリー!古川奈がデビュー6勝目」『サンケイスポーツ』、2021年4月17日。2021年4月17日閲覧。
- ^ “女性騎手20年ぶり同日2人勝利 まなみ3勝目、菜七子は連日V | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年5月17日閲覧。
- ^ “永島まなみ“地元”園田で初星 父・太郎師も祝福「勝ってくれて良かった」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年9月23日閲覧。
- ^ 騎手控室にスマホ持ち込みネット閲覧、調整ルームで通話も JRA若手6人騎乗停止 - 日刊スポーツ 2023年5月3日
- ^ 大量騎乗停止 JRA審判部長、通話の2人は「誤った解釈があった」騎手同士の連絡もアウト - Sponichi Annex 2023年5月3日
- ^ スマホ不適切使用 永島まなみ騎手の父、園田の永島太郎調教師が反省の意 丸刈りに - 日刊スポーツ 2023年5月4日
- ^ 永島まなみ騎手活躍の影に姉の存在あり バレットのみなみさん「落ち着ける場所であれば」 - UMATOKU 2023年3月28日
関連項目
外部リンク
- 2021年 ルーキーズ永島 まなみ - 日本中央競馬会
- 永島 まなみの騎手情報 - 競馬ラボ