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民兵

民兵(みんぺい、: militia ミリティア)は、軍人ではない民間人を要員として編成した実力組織のこと。

概要

民兵は本来的には、平時においてその他の職業についている民間人が、緊急的な軍事要員として短期的な軍事訓練を受けた上で戦時において召集されたもので、正規の戦力である陸海空の軍隊とは区別されて考えられる。ハーグ陸戦条約においては、付属書1条の全要件[注釈 1]を満たせば民兵ないし義勇兵として交戦者資格が認められる他、それ以外でも限定的ながら一定の場合[注釈 2]は群民兵として交戦者資格を生ずることが付属書2条で定められている。民兵の編成については各国によって差があり、正規軍の一部であったり、戦争が勃発してから緊急的に編成されるものであったりと一概には言えない。ただし、傾向としては、訓練期間は比較的短期間で、投入される費用も限定的であることなどがあげられる。

マスコミや講学上では、その実態に応じて、

などと表現される。実際に、民兵の定義は複数あるが、基本的には地域共同体に属ざす非専業戦闘員の集団である。

近年ではこれらを総称した「武装勢力」という名称が多用されるようになっている。

分類

「民兵」・「市民軍」

アメリカ英語: militia は、国家・政府から完全に独立した、市民の市民による市民のための軍隊を指す。アメリカ合衆国には、(合衆国憲法修正第二条)に記されているmilitia武器を保持する権利により、独立以来綿々と、ミニットマンテキサス・レンジャーなど多数のmilitiaが存在して来た。

しかし、1916年に制定された国民防衛法(NDA)により、州兵National Guard)がmilitiaとして扱われるようになり、本来ミリシアと呼ばれていた人達は「市民ミリシア(Civilian Militia)」として区別されるようになった[要出典]1995年に起こったオクラホマ連邦庁舎爆弾テロの犯人ティモシー・マクベイは、この「市民ミリシア」と深い関わりがあったとされ、以降アメリカでは国内の「市民ミリシア」に関心が集まっている。

また、国によっては正規軍とは別に、民兵組織を結成する場合がある。この場合はアメリカとは異なり、当初から国家が主体となって結成される例がほとんどである。正規軍のサポートの他、時としては正規軍の代替として作戦行動を取る事も多い。

正規軍に比して、装備(重装備はほとんど保有しない事が多く、下記の例のように基本的な銃火器すら支給されない事もある)・教育・賃金(無給である事も多い)など運用費用が低い事から、発展途上国では正規軍より規模が大きい例もある。元軍人など軍隊経験者が配属される事がほとんどであるが、国によっては正規軍とは全く別系統で採用が行われる事もある。紛争国では、全く訓練を施さずに住民に粗末な武器棍棒牛刀など)を与えて強制的に入隊させたり、若者や子供(いわゆる少年兵)を強制徴募するなど人権問題が発生する例もある。また、紛争国では必要最低限以下の教育・訓練で動員される事から、ジェノサイドを引き起こしたり、犯罪集団化したりする場合もある。

イラン・イラク戦争ルワンダ内戦ではこれらの民兵組織が重要な行動を取った。

厳密にはmilitiaではないが、ロシア連邦や旧東側諸国では、(文民警察)を軍隊および準軍事組織との対比でミリツィア(мили́ция)、またはそれに類する言葉で表す。東ドイツではフォルクスポリツァイ (Volkspolizei)、略してフォーポー(VoPo)と呼称された。これらは日本語では通常、(民警)もしくは人民警察と訳される。

「私兵」・「私設軍」・「軍閥」

 
レバノン内戦中の民兵組織「カタエブ」の訓練風景。典型的なレバノンの軍閥であり、民兵は国軍兵士同様に戦闘服軍靴ベレー帽を着用している。
 
上記のカタエブと対立関係にあるシーア派民兵組織「アマル」の民兵

私兵とは、国家ではなく、ある限られた人物や団体が「私的」に作り上げた兵士をいう。広義では、目的も「私的」か否かは問わないが、狭義では、目的も「私的」である場合を指す。この、「私兵」と解釈されるべき民兵は世界的に数多く存在している。代表的な例としては、以下が挙げられる。なお、ここでは便宜上、独立主張のある地域などにおけるものは含まない。

 
アメリカの黒人民族主義団体「ニューブラックパンサー党」の民兵。
 
ニューブラックパンサー党の前身、ブラックパンサー党の民兵。戦闘服ではなく、私服を着用し、ショットガンで武装している。

なお、かつての日本戦国大名僧兵神人、幕末の(草莽隊)や(諸隊)も、定義だけに照らせば私兵・軍閥と言えるが、通常これらを私兵と呼ぶことはまれである。対置されるべき正規軍、近代国民国家がまだ存在していなかったからである。

一部の国では、法律などによってその身分が制定されている場合もあるが、そのほとんどは政治団体宗教団体や土地の有力者などによって脱法・非合法的に所有されている。規模・組織に関しては様々で、資産家や政治家といった富裕層の保有するボディーガード程度のものから、単なる私兵集団の域を超えて国家や国際社会にまで影響力を持つ集団まで様々である。一般的には小銃拳銃といった小火器の装備がほとんどであるが、内戦状態の国では戦車ロケット弾といった重装備を持つ例もある。

私兵が成立する要因としては、以下のものが挙げられる。

  • 武器・重火器の所有を禁止・制限する法律が存在しない。あるいは、存在していても十全に機能していない。
  • 政府・国軍の力が弱く、中央集権化がうまく行われていない。
  • 国家とは別の、歴史的(近代以前から続く旧・王族豪族)・宗教的・土着的(血族・氏族集団)な権力が、国内の全体もしくは一部に存在しており、その権力が時として国家をも上回る。
  • (特に新興の多民族(多宗派)のモザイク国家、旧植民地諸国において)同じ国民であるという意識(広義のナショナリズム)が存在していない。
  • 政治闘争の激しい国において、国家が行えない非合法活動を代行させる。

かつて植民地だった地域では、植民地時代以前から、宗派や血縁、地縁で結ばれた中小グループが数多く存在していた。これらは常に武装しており、政策などが中央政府と食い違ったり、外国勢力が侵攻してきた場合には、対抗して闘争を繰り広げた。ときには、集団内において抗争を繰り広げることもあった。こうした集団は、これらの地域が独立して以後も一定の影響力を持ち続け、強権的な政府に対しても、警察権の行使などにおいて一定の妥協を求めた。こうした集団は現在でも数多く存在し、パキスタンではトライバルエリアなど事実上の自治区を築くに至っている。また、レバノンの各宗派政党、イエメンの武装部族も、こうした前近代的な権力を背景にした集団といえる。

中南米諸国では、古くから資産家や大地主が私兵を設ける事が多く(メキシコなど)、これら小規模な私兵をベースに、コロンビアなどでは冷戦期に政府や軍の肝煎りで民兵組織が結成される事もあった。後者は、ある意味「民兵」と訳されるべきmilitiaではあるが、後述の理由から政府や軍はあくまでも無関係を装っていた。こうした民兵組織は、国内で跋扈する左翼ゲリラとの対峙に主眼がおかれていた。しかし、それ以上に重要だった事は、国軍や警察が行えない非合法活動を行うことであった。このため、民兵組織のメンバー(幹部)には元軍人情報機関関係者が就いている事も多い。これらの民兵は、左翼ゲリラに対する掃討も行ったが、左翼にシンパシーを持つといわれる貧民や知識人に対しても、拉致拷問・処刑を繰り返した。特に、ストリートチルドレンの殺害は「街の清掃」などとも言われ、左翼ゲリラ同様に麻薬取引にも関わっている事もあって、国際的な人権問題に発展する事がしばしばあった。

 
ミャンマーのワ州連合軍の民兵。中国製の装備が目立つ。

この他にも、近隣の敵対的な国家が私兵を育成する例もある。レバノンでは、イスラエルパレスチナ解放機構などに対抗させるためにキリスト教系の南レバノン軍(South Lebanon Army)を支援し、ヒズボラもイランシリアから武器や資金などの支援を受けている。また、ミャンマー(ビルマ)では同国北部に拠点を置いて抵抗を続けたビルマ共産党中華人民共和国が長年支援してきており、同党が内紛から瓦解した後に出現したワ州連合軍などいくつかの民兵組織にも支援を続けていると見られる。

「義勇兵」・「義勇軍」

義勇兵型のmilitiaは、古くはスペイン内戦における国際旅団、初期のナチス突撃隊、最近ではユーゴスラビア紛争、ミャンマー内戦、アフガニスタン内戦などで数多く見られる。特にアフガニスタン紛争ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争において、国外のイスラム教徒が義勇兵(ムジャーヒディーン)の形で参加した事が有名となった。日本人でもクロアチア紛争、ボスニア紛争、ミャンマーのカレン族ゲリラに参加した者がいると言われる。金銭的な理由というよりは、同じ民族・宗教としての連帯感や憤慨感であったり、戦争の実態を知りたいなどの好奇心や冒険心の満足といった、内面的な理由に拠る事が多い。

著名人が結成もしくは参加する例もあり、イタリアのダンヌンツィオは私兵部隊を結成し、第一次大戦後の係争地であったフィウメを占領している。また、スペイン内戦においてアーネスト・ヘミングウェイアンドレ・マルローなどが人民戦線側の国際旅団に参加し、ジョージ・オーウェルマルクス主義統一労働者党(POUM)に参加した。

個人単位の自発的な参加が大半であるから、「雇用主」であるゲリラ組織から「報酬」が得られるかは不透明であったりするなど、身分的には非常に不安定であり、また、指揮官の下の組織化がしばしば不十分なため、国際法上の保護も得にくい。「雇用主」によっては、自前の兵力の損失が惜しい場合の「捨て駒」として使われたりする事もある。また、士気こそ高いが軍事的に無知であったり、現地社会と摩擦を起こしたりする事も多く、地元民とのトラブルが発生する事もある。特に、宗教的・民族的連帯感に基づいた義勇兵は、大量虐殺など戦争犯罪を起こす可能性も高いと言われる。

現地政府や軍、交戦国は、捕らえた反政府ゲリラ参加の外国人を、捕虜として取り扱うことは少なく、処罰する場合が多い。2001年アフガニスタン紛争において、ターリバーン兵士であったイスラム教徒のアメリカ人は、国家反逆罪でアメリカ政府に逮捕された。

日本では銃砲刀剣類所持等取締法により、個人の銃器所有に対する規制が非常に厳重なため、これらが発達する余地は皆無に等しい。

正規軍・国軍と民兵との中間的な存在

正規軍に近い、あるいは同様の編成や装備を持ちながら、体制や党の私兵的性格をもつ軍事組織

対義語

主な対義語としては、以下の例が挙げられる。

脚注

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注釈

  1. ^ 「上官として責任者がいること」「遠くからでも判り易い特殊徽章をつけること」「武器を隠さず携帯すること」「行動する際は戦争の法規と慣例を遵守すること」
  2. ^ 「占領されていない地域への敵接近に対し、付属書1条によって編成された軍隊が来ていない間のみ、侵入軍隊に抗敵する為に地域人民が緊急編成していること」「自ら兵器を操る者が公然兵器を携帯すること」「戦争の法規慣例を遵守すること」

関連項目

民兵・私兵組織

関連する概念

外部リンク

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