比良山地 (ひらさんち) は、滋賀県の琵琶湖西岸に連なる山地。最高峰は武奈ヶ岳(ぶながたけ、1,214.4 m)[1][2]。大部分が琵琶湖国定公園に属し、古くから近江八景の一つ「比良の暮雪」で知られる景勝地。京阪神からの交通の便もよく[1]、登山やスキーに多くの人が訪れる。
概要
東を琵琶湖で、南を(和邇川)で、西と北を安曇川で丹波高地から区切られた[3]、南北約20km、東西約15kmの山地。北北東-南南西方向に走る2本の稜線からなる。南は比叡山へ繋がり、北は野坂山地へ繋がる[3]。
一般に、西(安曇川)側を「奥比良」と呼び、東(琵琶湖)側稜線のうち、釈迦岳から堂満岳の一帯を「北比良」、それ以南の蓬莱山・権現山の一帯を「南比良」、釈迦岳以北の岩阿沙利山・岳山の連なる標高500 - 700mの尾根を「リトル比良」と呼ぶことが多い。
東側は(比良断層)が、西側は(花折断層)がそれぞれ走っており、これらの断層の活動により成立した地塁山地である[3]。
地形は変化に富み、八ツ淵の滝[4]、楊梅滝(やまもものたき)、神爾滝(しんじのたき)などの滝、八雲ヶ原、小女郎池、ノタノホリなどの湿原や池塘などが点在する。
気候は日本海側気候の影響を強く受け、冬季には多量の積雪がある。比良山地から琵琶湖岸に吹き降ろす強風を比良おろし、特に春先に吹くものは比良八荒と呼び、時に交通や農業・漁業に被害を及ぼすことがある。
積雪と強風の影響を最も強く受ける武奈ヶ岳付近の稜線は、樹木が生育しないため、近畿地方では屈指の眺望が得られ、著名な登山ルートの一つとなっている。また南比良の打見山頂付近には、びわ湖バレイスキー場がある。なお、京阪グループの比良索道が運営していた北比良の比良リフト、比良ロープウェイ、比良山スキー場は2004年に廃止されている。
主な山
- 奥比良
- 武奈ヶ岳(ぶながたけ、1,214.4 m)
- (釣瓶岳)(つるべだけ、1,098 m)
- (蛇谷ヶ峰)(じゃたにがみね、901.7 m)
- 北比良
- (釈迦岳)(しゃかだけ、1,060.3 m)
- 堂満岳(どうまんだけ、1,057 m)
- 南比良
- 蓬萊山(ほうらいさん、1,174.2 m)
- (打見山)(1,108 m)
- (白滝山)(1,022 m)
- リトル比良
- (岩阿沙利山)(いわじゃりやま、686.4 m)[5]
- (岳山)(565 m)
ギャラリー
神爾の滝(雄滝)
北比良峠付近から琵琶湖を見る
八雲ヶ原のスキー場跡
菜の花畑越しに望む
脚注
- ^ a b 日本の山1000 (1992)、582頁
- ^ “日本の主な山岳標高(滋賀県の山)”. 国土地理院. 2015年2月21日閲覧。
- ^ a b c 日本山名辞典 (1992)、445頁
- ^ 「八ツ淵の滝」は、国土地理院の表記によれば「八(はち)淵滝」
- ^ 国土地理院の地形図における表記は「岩門沙利山」である。