柳沼 重剛(やぎぬま しげたけ、1926年12月1日 - 2008年7月29日)は、日本の西洋古典学者。筑波大学名誉教授、プルタルコスの原典訳が著名。
経歴
1926年、東京生まれ。浦和高等学校(旧制)を卒業。大正15年生まれの最後の徴兵にあった年代であったことから、在学中に初年兵として兵役に就いた。広島に原爆投下直後から10日間駐留し、爆心地で救援に当たったため、二次被曝した。1949年、京都大学文学部を卒業、田中美知太郎や松平千秋の門下生であった。
1949~56年、都立九段高校で、英語教師として「英語」と「世界史」を受け持ちつつ、東京大学大学院で学び、高津春繁の指導を受けた。大学院修了後、立命館大学助教授・教授。その後、東海大学教授を経て、筑波大学教授、大妻女子大学教授をつとめた。2008年、原爆症に起因する急性骨髄性白血病のため死去した。
受賞・栄典
著書
訳書
- 編訳 『ギリシア・ローマ名言集』 別冊岩波文庫、2003年、ワイド版2004年
- プルタルコス『英雄伝』[3]〈西洋古典叢書〉京都大学学術出版会、第1・2巻、2007年、第3巻、2011年
- プルタルコス『食卓歓談集』 岩波文庫、1987年
- ※文庫版は各『倫理論集 モラリア』の抜粋。
- アテナイオス 『食卓の賢人たち』(全5巻)〈西洋古典叢書〉京都大学学術出版会、1997年~2004年
- 抜粋版『食卓の賢人たち』 岩波文庫、1992年
- ソポクレス 『アンティゴネー』 岩波書店〈ギリシア悲劇全集3〉、1990年
- エウリピデス 『ヘラクレスの子供たち』、『レソス』、ちくま文庫〈ギリシア悲劇 3・4〉、1986年
- 元版『世界古典文学全集9 エウリピデス』 筑摩書房、1965年、復刊2005年ほか
- エウリピデス『イオン』-『ギリシア悲劇全集 第3巻 エウリピデス篇Ⅰ』 人文書院、1960年
- ギルバート・ハイエット[4](Gilbert Highet)『西洋文学における古典の伝統』 筑摩書房〈筑摩叢書 上下〉、1969年、新版1985年
- アルナルド・モミリアーノ(Arnaldo Momigliano) 『伝記文学の誕生』 東海大学出版会(東海選書)、1982年
脚注
外部リンク
- 「本人による1990年までの自略歴年譜、著作」[]
- 柳沼重剛 (2001年1月31日). “岡君の思い出” (PDF). 西洋古典論集. 京都大学西洋古典研究会. 2018年1月14日閲覧。京都大学学術情報リポジトリ