この記事は(中立的な観点)に基づく疑問が提出されているか、議論中です。(2011年6月) |
来歴
1960年、京都府東山区生まれ。朝鮮大学卒業後、フランスのソルボンヌ大学に留学。帰国後、徳間ジャパンを経て89年に配給会社シネカノン設立。
アジア・ヨーロッパの秀作を中心に配給活動を行い、93年、初製作の『月はどっちに出ている』(崔洋一監督)で第67回キネマ旬報ベストテン第1位、第3回日本映画プロフェッショナル大賞、毎日映画コンクール映画大賞、ブルーリボン賞作品賞など国内外で50を越える映画賞を受賞。興行的にも大成功し、新宿ピカデリーで26週間ロングランという記録を作った。94年に韓国映画『風の丘を越えてー西便制』を配給し、続く2000年には『シュリ』『JSA』『殺人の追憶』『スキャンダル』等を配給し韓国映画ブームの火付け役となる。
特に『シュリ』は韓国映画として初めて130万人を超える動員を記録して業界に衝撃を与えた。
05年には『パッチギ!』(井筒和幸監督)を製作し毎日映画コンクール日本映画大賞、キネマ旬報ベストテン第1位、ブルーリボン賞作品賞など多数受賞。続く06年には、『フラガール』(李相日監督)を製作、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。インディペンデントで製作・配給した映画としては史上初の受賞となる。翌年には映画文化への貢献を評価され、第16回淀川長治賞を受賞、日本アカデミー協会特別賞、第1回SARVH賞最優秀プロデューサー賞、韓国釜山映画祭アジア映画貢献賞などを受賞。
その後、震災後の東北沿岸を拠点に移動映画館MOMO(Moving out Movie oasis)を展開し、福島、宮城、岩手の各県で移動映画館を開館した。
2011年には株式会社スモモの最高執行責任者(CEO)および株式会社マンシーズエンターテイメントの代表取締役に就任。
故高倉健の人生を描いたドキュメンタリー映画『健さん』をプロデュースし、第40回モントリオール世界映画祭の最優秀作品賞を受賞。14年には自らの企画、脚本で『イン・ザ・ヒーロー』(武正晴監督・東映配給)を製作。17年に『リングサイド・ストーリー』(武正晴監督)の企画・脚本・製作総指揮、19年に『あの日のオルガン』(平松恵美子監督、戸田恵梨香・大原櫻子ダブル主演)の企画・製作総指揮を担当した。
映画の製作、配給の他にも、劇場の経営(シネアミューズ、シネカノン有楽町、ヒューマントラスト銀座、渋谷、他)や世田谷もの作り学校でスクーリングパットを開設し次世代の映画人、俳優の育成など、多方面にわたり日本の映画界を牽引してきた、日本映画界のキーパーソン。
最近では長年親交のあるポン・ジュノ監督の米アカデミー賞受賞作『パラサイトー半地下の家族』の演劇化を世界初で手掛けると発表して話題を呼んだ。映画、演劇、配信ドラマのプロデュースにも活動の領域を広げている。
主な製作・企画・脚本・配給作品
映画
- 1993年 月はどっちに出ている - 製作・配給(崔洋一監督)
- 1994年 月より帰る - 企画・配給(じんのひろあき監督)
- 1994年 風の丘を超えて〜西便制〜 - 配給(林権澤監督)
- 1994年 苺とチョコレート - 配給(トマス・グティエレス・アレア監督)
- 1995年 平成無責任一家 東京デラックス - 製作・企画(崔洋一監督)
- 1996年 ビリケン - 製作・配給(阪本順治監督)
- 1996年 ウオレスとグルミット - 配給(ニック・パーク監督)
- 1996年 カップルズ - 配給(エドワード・ヤン監督)
- 1996年 恋愛時代 - 配給(エドワード・ヤン監督)
- 1997年 デカローグ - 配給(ククシュトフ・キシェロフスキー監督)
- 1997年 ブラス! − 配給(マーク・ハーマン監督)
- 1997年 フープドリームス - 配給(スティーブ・ジェームス監督)
- 1998年 マルセイユの恋 - 配給(ロベール・ゲディギャン監督)
- 1999年 のど自慢 - 企画・製作・配給(井筒和幸監督)
- 1999年 ハピネス - 配給(トッド・ソロンズ監督)
- 1999年 ビッグ・ショー! ハワイに唄えば - 企画・製作(井筒和幸監督)
- 1999年 セカンドチャンス - 製作・配給(水谷俊之、富岡忠文共同監督)
- 1999年 地雷を踏んだらサヨウナラ - 配給(五十嵐匠監督)
- 2000年 太白山脈 - 配給(林権澤監督)
- 2000年 MONDAY - 製作、配給(SABU監督)
- 2000年 サンピエールの生命 - 配給(パトリス・ルコント監督)
- 2000年 グリーン・フィッシュ - 配給(イ・チャンドン監督)
- 2000年 スプリング・イン・ホームタウン - 配給(イ・グァンモ監督)
- 2000年 シュリ - 配給(カン・ジェギュ監督)
- 2001年 JSA - 配給(パク・チャヌク監督)
- 2001年 風花 - 配給(相米慎二監督)
- 2001年 チキンラン - 配給(ニック・パーク監督)
- 2001年 シーズンチケット - 配給(マーク・ハーマン監督)
- 2001年 ファニーゲーム - 配給(ミヒャエル・ハネケ監督)
- 2001年 ダンボールハウス・ガール - 製作、配給(松浦雅子監督)
- 2001年 光の雨 - 配給(高橋伴明監督)
- 2002年 KT - 企画・製作・配給(阪本順治監督)
- 2002年 バスを待ちながら - 配給(J・C・タビオ監督)
- 2002年 友へ〜チング - 配給協力(クァク・キョンテク監督)
- 2002年 ブレッド・アンド・ローズ - 配給(ケン・ローチ監督)
- 2003年 さよなら、クロ - 製作・配給(松岡錠司監督)
- 2003年 ゲロッパ! - 企画・製作・配給(井筒和幸監督)
- 2003年 殺人の追憶 - 配給(ポン・ジュノ監督)
- 2003年 北京バイオリン - 配給(チェン・カイコー監督)
- 2003年 パイラン - 配給(ソン・ヘソン監督)
- 2003年 ホテル・ハイビスカス - 配給(中江裕司監督)
- 2003年 永遠のモータウン - 配給(ポール・ジャストマン監督)
- 2004年 誰も知らない - 企画協力・製作・配給(是枝裕和監督)
- 2004年 お父さんのバックドロップ - 製作総指揮(李闘士男監督)
- 2004年 オアシス - 配給(イ・チャンドン監督)
- 2004年 スキャンダル - 配給(イ・ジェヨン監督)
- 2005年 パッチギ! - 企画・製作・配給(井筒和幸監督)
- 2005年 恋は五・七・五! - 製作・配給(荻上直子監督)
- 2005年 オオカミの誘惑 - 配給(キム・テギュン監督)
- 2005年 復讐者に憐れみを - 配給(パク・チャヌク監督)
- 2005年 スカーレットレター - 配給(ピョン・ヒョク監督)
- 2005年 Dear フランキー - 配給(ショーナ・オーバック監督)
- 2005年 マカロニウェスタン〜800発の銃弾 - 配給(アレックスD・イグレシア監督)
- 2005年 南極日誌 - 配給(イム・ピルソン監督)
- 2005年 マラソン - 配給(チョン・ユンチョル監督)
- 2006年 ゆれる - 配給(西川美和監督)
- 2006年 転がれ!たま子 - 製作・配給(新藤風監督)
- 2006年 青いうた〜のど自慢 青春編〜 - 企画・製作・配給(金田敬監督)
- 2006年 フラガール - 製作・配給(李相日監督)
- 2006年 明日へのチケット - 配給(E・オルミ、ケン・ローチ、キアロスタミ監督)
- 2006年 麦の穂をゆらす風 - 配給(ケン・ローチ監督)
- 2006年 ジダン〜神が愛した男 - 配給(ダグラス・ゴードン監督)
- 2006年 みえない雲 - 配給(グレゴール・シュニッツラ監督)
- 2007年 魂萌え! - 企画・製作・配給(阪本順治監督)
- 2007年 キトキト! - 製作・配給(吉田康弘監督)
- 2007年 ミルコのひかり - 配給(クリスティアーノ・ボルトーネ監督)
- 2007年 サディスティック・ミカ・バンド - 企画・製作・配給(滝本憲吾監督)
- 2007年 - 企画・製作・配給(井筒和幸監督)
- 2007年 アフターウエディング - 配給(スザンヌ・ビエール監督)
- 2007年 ある愛の風景 - 配給(スザンヌ・ビエール監督)
- 2008年 歓喜の歌 - 企画・製作・配給(松岡錠司監督)
- 2008年 歩いても 歩いても - 製作・配給(是枝裕和監督)
- 2008年 ラストゲーム 最後の早慶戦 - 製作・配給(神山征二郎監督)
- 2009年 ハルフウェイ - 製作・配給(北川悦吏子監督)
- 2009年 真夏の夜の夢 - 製作・配給(中江裕司監督)
- 2010年 ハナー奇跡の46日間 - 配給(ムン・ヒョンソン監督)
- 2011年 預言者 - 配給(ジャック・オディアール監督)
- 2012年 EDEN - 企画・脚本・製作・配給(武正晴監督)
- 2013年 チスル - 配給(オ・ミヨル監督)
- 2013年 ローマに消えた男 - 配給(ロベルト・アンドー監督)
- 2014年 イン・ザ・ヒーロー - 企画・脚本・製作総指揮(武正晴監督)
- 2014年 グレート・ビューティ〜追憶のローマ - 配給(パオロ・ソレンティーノ監督)
- 2015年 セバスチャン・サルガド - 配給(ヴィム・ヴェンダース監督)
- 2015年 グロリアの青春 - 配給(セバスチャン・レリオ監督)
- 2016年 健さん - 製作総指揮・配給(日比遊一監督)
- 2016年 パコ・デ・ルシア〜灼熱のギタリスト - 配給(クーロ・サンチェス監督)
- 2017年 リングサイド・ストーリー - 企画・脚本・製作総指揮(武正晴監督)
- 2017年 僕と世界の方程式 - 配給(ダニー・コーエン監督)
- 2018年 ロープ - 配給(フェルナンド・レオン・デ・アラノア監督)
- 2019年 あの日のオルガン - 企画・製作総指揮・配給(平松恵美子監督)
- 2022年 (恋に落ちた家) - プロデューサー
著書
- 1994年 「月はどっちに出ている」をめぐる2、3の話(社会評論社)
- 1998年 先に抜け、撃つのは俺だ(アスペクト社、四方田犬彦との共著)
- 2003年 日本映画は再興できる(ウェイツ)
- 2005年 パッチギ!対談編(朝日新聞社、四方田犬彦との共著)
- 2007年 愛、平和、パッチギ!(講談社、井筒和幸との共著)
- 2007年 パッチギ!的-世界は映画で変えられる(岩波書店)
- 2015年 民族でも国家でもなく: 北朝鮮・ヘイトスピーチ・映画(平凡社、四方田犬彦との共著)
受賞歴
- 2006年 日本アカデミー賞協会特別賞
- 2007年 第16回淀川長治賞
- 2007年 第1回SARVH賞最優秀プロデューサー賞
- 2008年 釜山映画祭アジア映画貢献賞
主な教育現場と出講大学
- 世田谷もの作り学校スクーリングパッドにて
- 映画プロデューサーコースと俳優コースを創設、運営
- 早稲田大学大学院国際情報通信研究科
- 東京大学大学院情報学環
- 京都精華大学人文学部
- 立命館大学映像学部
- 日本大学芸術学部映画学部、他
外部リンク
- 李鳳宇 - allcinema
- 李鳳宇 - KINENOTE
- 李鳳宇 - 日本映画データベース
- Bong-ou Lee - IMDb(英語)
- マンシーズエンターテインメント公式ウェブサイト