曙町(あけぼのちょう)は、神奈川県横浜市中区の町名。現行行政地名は曙町1丁目から曙町5丁目(字丁目)。住居表示未実施区域[5]。
地理
京浜急行電鉄黄金町駅(南区)と横浜市営地下鉄伊勢佐木長者町駅の間に所在する。伊勢佐木町、弥生町に隣接し、町の中央を国道16号が貫く。
風俗街としては関東でも最大級の規模を誇る。ファッションヘルスが数多く店舗を構えていることで有名。殆どの店舗は個室を持っており、サービスの内容も種類が豊富であるのが特徴である。
歴史
元々は久良岐郡吉田新田の字北三ツ目~五ツ目と南三ツ目~五ツ目。明治初期から市街化され、1889年横浜市に編入。1928年曙町が久方町、足曳町、賑町、吉岡町、長者町、長島町、南吉田町の各一部から起立した。字1~5丁目からなる。町名は慈鎭和尚の『春のやよい』の一節「春のやよいの あけぼのに 四方の山べを 見わたせば 花盛りかも しら雲の かからぬ峰こそ なかりけり」から採った(隣接する弥生町も同様。)。
戦前は東京の玉の井や亀戸に匹敵する有名な私娼窟(銘酒屋街)で、吉田川を挟んだ対岸の永真遊廓街とともに、紅灯街として栄えた。1945年5月の空襲で焼け野原になるが、戦後も青線街(特殊飲食店街)の色がつよく残った。現在もモザイクタイルを貼ったカフェー風意匠の家屋がわずかに現存している。鎌倉街道(国道16号)に併走する裏通りは(親不孝通り)とよばれ、昭和30年代から40年代にかけての横浜港全盛時代には、ギリシャ人船員の集まる地域として知られていた。
1990年代半ば頃から風営法の改正に伴う営業地域の規制から抜け落ちた地域であることに目を付けた風俗店が多く進出。風俗街として急速に発展した。近隣の元赤線地帯である真金町とは移転などによる直接的な関連性はない。なお盛り場時代の名残で、現在でも居酒屋やファーストフード店が数多く軒を連ねている。
2022年(令和4年)11月1日より、曙町1丁目から4丁目は神奈川県暴力団排除条例に基づき(暴力団排除特別強化地域)に指定されることとなった。地域内では飲食店などの特定営業者と暴力団員との間でみかじめ料のやりとりや用心棒などの役務提供・依頼などが禁止され、違反者は金銭の支払いや役務を依頼した側であっても懲役1年以下または罰金50万円以下の罰則が科される[6]。
世帯数と人口
2023年(令和5年)3月31日現在(横浜市発表)の世帯数と人口は以下の通りである[2]。
丁目 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
曙町1丁目 | 411世帯 | 559人 |
曙町2丁目 | 60世帯 | 94人 |
曙町3丁目 | 87世帯 | 112人 |
曙町4丁目 | 279世帯 | 308人 |
曙町5丁目 | 286世帯 | 459人 |
計 | 1,123世帯 | 1,532人 |
人口の変遷
国勢調査による人口の推移。
年 | 人口 |
---|---|
1995年(平成7年)[7] | 1,051 |
2000年(平成12年)[8] | 1,280 |
2005年(平成17年)[9] | 1,349 |
2010年(平成22年)[10] | 1,384 |
2015年(平成27年)[11] | 1,339 |
2020年(令和2年)[12] | 1,522 |
世帯数の変遷
国勢調査による世帯数の推移。
小・中学校の学区
市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[13]。
丁目 | 番地 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|---|
曙町1丁目 | 全域 | 横浜市立本町小学校 | 横浜市立横浜吉田中学校 |
曙町2丁目 | 全域 | ||
曙町3丁目 | 33〜39番地 42〜44番地 | 横浜市立南吉田小学校 | |
32番地 40〜41番地 | (横浜市立東小学校) | 横浜市立老松中学校 | |
曙町4丁目 | 45〜46番地 50〜53番地 58番地 | ||
47〜49番地 54〜57番地 59〜62番地 | 横浜市立南吉田小学校 | 横浜市立横浜吉田中学校 | |
曙町5丁目 | 64〜67番地 72〜73番地 | ||
63番地 68〜71番地 | 横浜市立東小学校 | 横浜市立老松中学校 |
事業所
2016年(平成28年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[14]。
丁目 | 事業所数 | 従業員数 |
---|---|---|
曙町1丁目 | 35事業所 | 232人 |
曙町2丁目 | 34事業所 | 174人 |
曙町3丁目 | 50事業所 | 409人 |
曙町4丁目 | 20事業所 | 69人 |
曙町5丁目 | 27事業所 | 192人 |
計 | 166事業所 | 1,076人 |
主な施設
- 横浜中郵便局
- ボーノ・タウン・アケボノ
関連項目
曙町にちなむ作品
その他
日本郵便
警察
町内の警察の管轄区域は以下の通りである[16]。
丁目 | 番・番地等 | 警察署 | 交番・駐在所 |
---|---|---|---|
曙町1丁目 | 1~3番地 | 伊勢佐木警察署 | 伊勢佐木町交番 |
4~12番地 | 横浜橋交番 | ||
曙町2丁目 | 18~20番地 27〜28番地 31番地 | ||
13~17番地 21~26番地 29〜30番地 | 伊勢佐木町交番 | ||
曙町3丁目 | 32番地 40〜41番地 | ||
33~39番地 42~44番地 | 横浜橋交番 | ||
曙町4丁目 | 全域 | ||
曙町5丁目 | 全域 |
脚注
- ^ “横浜市町区域要覧”. 横浜市 (2018年7月9日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ a b “令和5(2023)年 町丁別人口(住民基本台帳による)” (XLS). 横浜市 (2023年4月7日). 2023年4月27日閲覧。 “(ファイル元のページ)”(CC-BY-4.0)
- ^ a b “曙町の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月11日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
- ^ “住居表示実施町名一覧 (令和2年10月19日現在)”. 横浜市 (2020年10月29日). 2021年8月28日閲覧。
- ^ “神奈川県暴力団排除条例(平成22年神奈川県条例第75号) 令和4年改正 令和4年11月1日施行”. 神奈川県 (2022年). 2022年9月19日閲覧。
- ^ a b “平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2023年4月27日閲覧。
- ^ “小中学校等通学区域”. 横浜市 (2017年11月15日). 2018年1月24日閲覧。
- ^ “平成28年経済センサス-活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
- ^ “郵便番号簿 2020年度版” (PDF). 日本郵便. 2021年8月7日閲覧。
- ^ “交番”. 伊勢佐木警察署. 2021年11月11日閲覧。
参考文献
この節の加筆が望まれています。 |
外部リンク
この節の加筆が望まれています。 |
- 横浜市中区役所
- 中区曙町に風俗店が多いのはなぜ? はまれぽ.com