昭和46年台風第25号(しょうわ46ねんたいふうだい25ごう、国際名:ヴァージニア/Virginia)は、1971年9月に関東地方に接近し、千葉県などに大きな被害を出した台風である。
概要
1971年9月2日に沖ノ鳥島付近で発生した台風25号は、発達しながら北上し、9月7日から8日にかけて、強い勢力を保ったまま関東地方に接近した[1][2]。
この台風は、台風25号としては統計史上最も早い日時に発生した[3]。
影響・被害
台風の影響で、湿った南風が日本列島に送り込まれ、さらにオホーツク海の低気圧からのびていた寒冷前線から変わった秋雨前線が刺激されて、房総半島などで大雨となった[1]。千葉県勝浦市では、最大時間雨量122mmという観測史上数少ない豪雨となったほか、銚子市では最大瞬間風速49m/sを記録した[4]。
また、この台風はがけ崩れを多く発生させたことも特徴であり、被害が最も大きかった千葉県では7,760箇所で崖が崩れ、うち682箇所でのがけ崩れが家屋等に被害を出し、全壊家屋342棟、半壊および一部破損家屋4,150棟、死者56人という、戦後最大級の大きな被害を出した[4]。そのため、災害救助法も適用された[5]。
脚注
- ^ a b “昭和46年9月6日-7日の秋雨前線豪雨ならびに台風第25号に関する異常気象速報”. 銚子地方気象台. 2020年4月17日閲覧。
- ^ “気象庁|台風経路図1971年”. www.data.jma.go.jp. 2020年4月17日閲覧。
- ^ “デジタル台風:台風リスト”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年8月1日閲覧。
- ^ a b 大久保駿, 服部泰英「千葉県で発生したがけ崩れの特徴について」『新砂防』第25巻第3号、砂防学会、1972-1973、10-19頁、doi:10.11475/sabo1948.25.3_10E。。
- ^ “銚子市災害年表”. 銚子市. 2020年4月17日閲覧。。
外部リンク
- 芥川真知, 風間秀彦, 「ゆるみによる砂質斜面の不安定化と表層滑落」『応用地質』 25巻 3号 1984年 p.132-140, 日本応用地質学会, doi:10.5110/jjseg.25.132
- デジタル台風:台風197125号(VIRGINIA)- 総合情報(気圧・経路図) - 国立情報学研究所(北本朝展)