早稲田大学人間科学部(わせだだいがくにんげんかがくぶ)とは、1987年に設置された早稲田大学の学部である。略称は人科(じんか)。
概要
早稲田大学人間科学部は従来の学問の枠組みにとらわれず、自然科学、人文科学、社会科学に渡る学際的、領域横断的なアプローチで、今日の世界が抱える課題を解決できる人間を育成するという理念のもと発足した「文理融合型」の学部である(同様の理念から設置された学部には、大阪大学人間科学部や京都大学総合人間学部などがある)。
早稲田大学人間科学部は現在、人間環境科学科、健康福祉科学科、人間情報科学科の3つの学科に分かれており、受験時にどの学科へ進学するのかを選択する(なお、人間科学部では、文系型入試と理系型入試を導入している)。ただし入学後、2年次に転科試験を受けることが可能である。
人間科学部の学生たちは学科の枠を超えて専門科目を履修することができ、3年次には専門ゼミ、4年次には卒業研究ゼミに所属することで、専門性を高めていくことが可能である(ゼミは必修である)。また早稲田大学では唯一、通信教育課程を設置している学部である(早稲田大学人間科学部eスクール)。
キャンパスは早稲田大学所沢キャンパスにある。そこで、人間科学部の学生たちは、4年間、スポーツ科学部の学生たちとともに過ごす。なお、早稲田大学大学院人間科学研究科は「臨床心理士一種」の指定校大学院になっている。
人間科学部が創設された1987年度から2002年度まで、早稲田大学人間科学部には、人間基礎科学科、人間健康科学科、スポーツ科学科の3つの学科が存在したが、2003年度以降は現在の人間環境科学科、健康福祉科学科、人間情報科学科の3学科による構成となり、スポーツ科学科は早稲田大学スポーツ科学部として独立した。また同年度に、人間科学部に通信教育課程が設置された。
学科
学科区分の現状
所属学科に関係なく講義を履修することができ、所属学科以外のゼミにも入ることができる。2017年度にゼミ選考における学科枠制度が廃止された[1]。
2003年度以降の学科
2003年度以降、学科は人間環境科学科・健康福祉科学科・人間情報科学科の3つがある。
人間環境科学科
環境生態学や環境管理学などの生物・環境系、都市社会学や社会人類学などの社会系、文化人類学や異文化間教育学などの文化系、環境心理学や動機付け心理学などの心理・行動系の4つ学系から成る。
健康福祉科学科
生体構造学や生体機能学などの健康福祉医科学系、健康福祉支援工学や健康福祉バイオメカニクスなどの健康福祉理工学系、健康福祉行政や高齢者福祉などの健康福祉科学系、健康福祉医療政策や福祉教育などの福祉医療科学系、カウンセリングや臨床心理アセスメント学などの臨床心理学系の5つの学系から成る。
人間情報科学科
情報システム学や計算機科学などの情報科学系、認知心理学や生体情報工学などの認知科学系、安全人間工学やヒューマン・インターフェースなどの人間工学系、教育実践学やインストラクショナル・デザインなどの教育工学系、応用言語学や教育・メディアコミュニケーション研究などのコミュニケーション学系の5つの学系から成る。
交通アクセス
主な出身者
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政界
- 友近聡朗 - 元参議院議員、元サッカー選手
- 荻原健司 - 長野市長、元参議院議員、元経済産業大臣政務官、スキーノルディック複合の元選手・指導者
- 寺田静 - 参議院議員
- 横尾俊成 - 港区議会議員、社会起業家、元博報堂社員
大学教員・研究者
- 大澤信亮 - 文芸評論家、日本映画大学准教授
- 太田俊二(同大学院修了) - 地球環境科学・生物圏生態学者、早稲田大学教授
- 西條剛央(同大学院修了) - 心理学者、早稲田大学大学院商学研究科専門職学位課程(MBA)客員准教授
- 酒井信 - 評論家、明治大学国際日本学部准教授
- 木村玲欧(京都大学大学院修了) - 兵庫県立大学准教授
- 高田健二 (人間科学部人間健康学科卒) - 社会活動家、島根県立大学客員教授
- (長濱澄) - 東北大学 大学院情報科学研究科准教授、東京工業大学教育革新センター准教授
実業家
- 安藤広大 - 株式会社識学 代表取締役社長・創業者
- 石倉秀明 - 株式会社キャスター取締役COO、株式会社bosyu 代表取締役社長、ニュースコメンテーター
- 宋世羅 - ビジネス系ユーチューバー「宋世羅の羅針盤ちゃんねる」
- 辻上裕章 - 福島ユナイテッドFC取締役副社長
- 津村佳宏 - 株式会社アデランス代表取締役 社長 グループCEO
- (西村健) - 株式会社マンダム代表取締役社長
- 藤本光正 - 株式会社栃木ブレックス(プロバスケットボールチーム宇都宮ブレックスを運営)代表取締役社長
作家・脚本家・歌手・作曲家
- 池上永一 - 小説家
- 大河内一楼 - 脚本家
- 川田瑠夏 - 作曲家
- 今沢カゲロウ - ベーシスト、作曲家、四国大学特認教授
- 金沢達也 - 放送作家、脚本家
- 坂倉心悟 - ミュージシャン、NICO Touches the Walls
- 本田透 - 小説家、評論家
- 岩波慶 - 音楽プロデューサー
- 高井俊輔 - シンガーソングライター
- 和田彩花 - アイドル
- 森沢明夫 - 作家
俳優・女優・タレント
漫画家
スポーツ関係
- 赤見千尋 - 元騎手
- 岡本依子(スポーツ科学科) - テコンドー選手、シドニーオリンピック銅メダリスト
- 渡辺康幸 - 長距離走選手
- ヨーコ・ゼッターランド(スポーツ科学科) - バレーボール選手
- 富井彦 - ノルディックスキー複合選手
- 今泉清 - ラグビー選手
- 三谷大和 - プロボクサー
- 保井俊一郎(健康福祉科学科・同大学院修了) - 重量挙げ選手
- 山岸秀匡 - ボディービルダー
- 山田英孝 - バドミントン選手
- 田中浩康 - 元プロ野球選手
- 武内晋一 - 元プロ野球選手
- 鳥谷敬 - (スポーツ科学科)プロ野球選手
- 青木宣親(スポーツ科学科) - プロ野球選手
- 和田毅 - プロ野球選手
マスメディア関係
- 荒木美和(基礎科学科) - NHKアナウンサー
- 植村智子 - 元RNCアナウンサー、現フリーアナウンサー
- 漆原輝 - NHKアナウンサー
- 河村太朗(スポーツ科学科) - NHKアナウンサー
- 酒主義久 - フジテレビアナウンサー
- 佐藤文康(スポーツ科学科) - TBSアナウンサー
- 佐野瑞樹 - フジテレビアナウンサー
- 大藤晋司 - テレビ北海道アナウンサー
- 町田浩徳(スポーツ科学科) - 日本テレビアナウンサー
- 宮部和裕 - 中部日本放送アナウンサー
- 常岡浩介 - 戦場ジャーナリスト、作家
- 寺川俊平 - テレビ朝日アナウンサー
- 近藤麻智子(スポーツ科学科)
- 山本義幸
- 佐藤亜樹(スポーツ科学科)
- 山口喜久一郎 - TNCアナウンサー
- 内田詠子
- 貞包みゆき
その他
主な出身者・通信教育課程
政界
大学教員・研究者
スポーツ関係
- 羽生結弦(人間情報科学科) - フィギュアスケート選手(2014年 ソチオリンピック・2018年 平昌オリンピック2大会連続(金メダリスト)[3]、国民栄誉賞受賞者[4]
- 中野友加里(同大学院修了) - 元フィギュアスケート選手
- 張本智和 - プロ卓球選手(在学中)
- 田辺徳雄 - 元プロ野球選手、指導者[5]
- 輪湖直樹 - サッカー選手[6]
- 吉田麻也 - サッカー選手(サッカー日本代表キャプテン)[7]
- 森岡亮太 - サッカー選手[8]
- 小屋松知哉 - サッカー選手
- 寺田龍平 - 元プロ野球選手[9]
俳優・女優・タレント
- 中丸雄一(人間環境科学科) - アイドル、タレント
- 薮宏太(人間情報科学科)- アイドル、タレント
- いとうまいこ(健康福祉科学科・同大学院修了) - 女優、タレント、実業家、研究者[10]
- ラウール (健康福祉学科) ー アイドル、モデル、俳優 (在学中)
その他
- 萩原慎一郎 - 歌人、詩人
脚注
- ^ 合格体験編集会 編『高校やめたら早稲田受かった』デザインエッグ社、2018年、135-137頁頁。(ASIN) B075CVSDSS。
- ^ “人気漫画家から54歳で大学生に。そして大学教授に。 『ゲームセンターあらし』作者 すがやみつる – 早稲田ウィークリー”. 2020年12月2日閲覧。
- ^ “羽生結弦は早大を卒業。世界のトップ大学出身の文武両道なフィギュアスケーターたち”. 2020年12月2日閲覧。
- ^ “羽生結弦選手に国民栄誉賞 個人最年少、フィギュアで初”. 朝日新聞デジタル. 2020年12月20日閲覧。
- ^ “田邊 徳雄さん 早稲田大学eスクールの卒業生の声”. 2020年12月2日閲覧。
- ^ “サッカーと授業、実験を両立。輪湖直樹が早稲田大学eスクールを卒業するまでの6年間”. 2020年12月2日閲覧。
- ^ “吉田麻也選手も受賞 早稲田大学小野梓記念賞授与のおしらせ”. 2020年12月2日閲覧。
- ^ “森岡亮太、ベルギーで大旋風! チームに与えた劇的な変化、絶賛される華麗なゲームメイク”. フットボールチャンネル. (2017年8月15日)2020年12月2日閲覧。
- ^ “超進学校からドラフト1巡目 元楽天寺田龍平氏1”. 日刊スポーツ. (2018年5月25日)2020年12月2日閲覧。
- ^ “いとう まい子 さん 早稲田大学eスクールの卒業生の声”. 2020年12月2日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 早稲田大学人間科学部