新北捷運(しんほくしょううん、英語: New Taipei Metro)は台湾新北市の淡水区、新店区、土城区、三峡区、鶯歌区と桃園市の一部で起こる慢性的な交通渋滞を緩和すべく整備されている捷運システム(都市鉄道、ライトレール)である。台湾北部((北北桃)地区)において台北市の台北捷運、桃園市の桃園捷運に次ぐ第3の路線網で、淡海軽軌、安坑軽軌、三鶯線などの路線が含まれる。個々の路線網は台北都市圏の郊外部において互いに接続することなく孤立しているが、既存の台北捷運各線と接続することで大規模なネットワークを形成する。新北市政府の行政機関である捷運工程局が計画・仕様策定・入札管理や建設時の監督業務を担い、新北大衆捷運股份有限公司によって運営される。最初の路線である淡海軽軌[注 1]が2014年に起工され、2018年12月24日に最初の路線となる緑山線が開業した。
新北捷運 New Taipei Metro | |
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基本情報 | |
国 | 台湾 |
所在地 | 新北市、(計画は一部桃園市、台北市を含む) |
種類 | 都市鉄道、ライトレール |
開業 | 2018年12月24日(淡海軽軌緑山線) |
所有者 | 新北市政府 |
運営者 | 新北大衆捷運股份有限公司 |
公式サイト | https://www.ntmetro.com.tw/ |
詳細情報 | |
総延長距離 | 営業路線:17km 路線総延長:31.34 km(建設中のものを含む) |
路線数 | 営業中3路線 建設中2路線、計画中2路線 |
駅数 | 営業中23駅 建設中12駅 |
輸送人員 | 3,897,144人(2022年[1]) |
1日利用者数 | 10,677人(2022年[1]) |
軌間 | 1,435mm(標準軌) |
電化方式 | 三鶯線:第三軌条方式 (750V直流) 淡海・安坑軽軌:架空電車線方式 |
備考 | 利用者数は淡海軽軌のみの数値 |
歴史
- 2013年1月1日 - 新北市政府、交通局傘下に捷運工程処を設立[2]。
- 2014年
- 2016年
- 2018年
- 2019年
- 2月1日 - (淡海軽軌緑山線)有料化とともに各種IC乗車カード導入[9]。
- 2020年
- 1月15日 - QRコードによるコンタクトレス決済を導入。(Line Pay) Monneyと(Apple Pay、Google Pay、Samsung Payを紐づけた)Mastercardコンタクトレスの2種に対応し、2月14日までは無料[10]。
- 2月1日 - 台北捷運と歩調を合わせIC乗車カードでの一律20%割引が廃止。代替として月間200元(LRT乗車8-10回分相当)の利用で翌月以降有効な50元のキャッシュバックがICカードに記録される新制度に移行[11]。
- 3月31日 - (五股泰山軽軌)の実現可能性調査(F/S)が交通部の審査を通過[12]。
- 2020年11月15日 - 淡海軽軌藍海線1期開業[13]。
- 2023年2月10日 - 安坑軽軌開業[14]。
運営
以下は2018年時点で唯一開業している淡海LRTについてのもの。
(大衆捷運法)に基づき、他市の捷運路線同様に駅構内や車内での飲食は禁止されている。国内他社路線同様、台湾華語、英語、台湾語、客家語の車内放送がなされ[15]、各駅の券売機は観光客や移民向けに日本語や韓国語、タイ語、マレー語、インドネシア語などを追加した10ヶ国語に対応している[16]。
運賃
2019年2月から有料化された。現金の場合は5kmまでは初乗り20元、以降3kmごとに5元ずつ加算となる[17]。乗車券はICトークンの台北捷運と異なり感熱紙が採用される[18]。 台湾国内の主要IC乗車カードである悠遊卡、一卡通、愛金卡に対応し[18]、IC利用時に限り20%引のIC運賃や台北捷運・台北聯營公車(台北市市区公車、(新北市公車))との乗継割引(1時間以内)も適用される[9]。台北捷運で発売している「1280元1ヶ月定期票」にも対応[9]。
また2019年6月を目標に国際・国内ブランド合わせて9種のモバイル決済(Apple Pay、Google Pay、Samsung Pay、iPASS x LINE Pay、Alipay、Union Pay 、Garmin Pay、Fitbit Pay、Hami Pay)導入を表明し[19]、2020年1月から一部が導入された。
淡海線では信用乗車方式が採用され、不正乗車は50倍の罰金が科される[9]。
距離 | - 5km | 5 - 8km | 8 - 11km |
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普通運賃(大人) | NT$20 | NT$25 | NT$30 |
IC児童(台北市の6-12歳が対象) | 12 | 15 | 18 |
IC社福(敬老・障害)・児童(新北市の6-12歳が対象) | 8 | 10 | 12 |
路線一覧
路線 | 区間 | 距離 | 規格 | 車両 基地 | ※ 政 府 建 設 計 画 | F/S | 総合計画 | 入札 | 起 工 | 完 工 | 試 運 転 | 市 政 府 承 認 | 交 通 部 承 認 | 開業 (予定) | ||||||||||||
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系統 | 路線 | 着 手 | 提 出 | 交 通 部 承 認 | 国 発 会 承 認 | 行 政 院 承 認 | 着 手 | 環 境 ア セ ス 提 出 | 環 保 署 承 認 | 交 通 部 承 認 | 国 発 会 承 認 | 行 政 院 承 認 | 公 示 | 落 札 | ||||||||||||
LB | 三鶯線 | 1段階 | 頂埔駅 - (鶯桃福徳駅) | 14.29 | 中運量・LRRT | 三峡機廠 | 前 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | 2023年12月 | ||||
2段階 | 鶯桃福徳駅 - (大湳駅) | 3.88 | ○ | ○ | 〇 | ○ | ● | 2026年 | ||||||||||||||||||
V | 淡海軽軌 | (緑山線) | 紅樹林駅 - 崁頂駅 | 7.34 | 軽運量・LRT | 淡海機廠 | 新 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ●2018年12月24日 |
三芝延伸線 | 崁頂駅 - (聖約翰大学駅) | - | ○ | |||||||||||||||||||||||
(藍海線) | 浜海沙崙駅 - 淡水漁人碼頭駅 | 2.21 | 新 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ●2020年11月15日 | ||||
淡水漁人碼頭駅 - 淡水駅 | 3.14 | 新 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||||||
八里延伸線 | 淡水漁人碼頭駅 - (八里駅) | 5.14 | ○ | ○ | ● | |||||||||||||||||||||
K | 安坑軽軌 | 十四張駅 - 双城駅 | 7.8 | 安坑機廠 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ●2023年2月10日 | |||
F | (五股泰山軽軌) | (分子尾駅) - (輔大医院駅) | 10.45 | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||||||||
(泰山板橋軽軌) | 輔大医院駅 - 莒光駅 | 10 | ○ | |||||||||||||||||||||||
S | 深坑軽軌 | 動物園 - (石碇服務駅) | 8 | ○ | ○ |
車両
低運量型
淡海線、安坑線は台湾車輌公司製の5両編成の連接型ライトレールが採用された。
中運量型
三鶯線では無人運転に対応した2両編成が採用され、台北捷運環状線(4両編成)のものと同仕様となっている。
- ドライバーレス・メトロ(導入予定)
- 製造元日立レールイタリア(旧アンサルドブレーダ)
- 最高速度 - 80km/h
- 運用路線 - 三鶯線
運営状況
脚注
註釈
出典
- ^ a b c (繁体字中国語)“新北捷運客運概況”. 中華民国交通部統計. 2023年2月10日閲覧。 2023年2月12日 - ウェイバックマシン
- ^ 新北市政府 (2012-10-24). (Report). 国家図書館政府公報資迅網. p. 14. オリジナルの2023年4月4日時点におけるアーカイブ。 2020年11月16日閲覧. "第十五條 本規程自中華民國一百零二年一月一日施行。"
- ^ “台湾・淡水のライトレール起工式 2018年の部分開業に前進]2014-09-03”. フォーカス台湾
- ^ “新北淡水地区ライトレール、一部路線が着工[運輸]”. NNA ASIA. (2014年9月5日)
- ^ (繁体字中国語)“新北捷運工程處升格「新北捷運局」 加快三環三線速度”. ETtoday新聞雲 (2016年1月2日). 2019年8月31日閲覧。 2016年1月4日 - ウェイバックマシン
- ^ a b (繁体字中国語)“3環3線沒動工?新北駁林全:眼見為憑”. 中時電子報. (2017年3月25日)
- ^ (繁体字中国語). 今日新聞. (2018年3月6日). オリジナルの2018年3月9日時点におけるアーカイブ。 2020年1月23日閲覧。
- ^ “淡海ライトレール緑山線、24日にプレ開業/台湾”. フォーカス台湾. (2018年12月19日)
- ^ a b c d (繁体字中国語)“淡海輕軌2月正式收費 4月底前票票全面降5元”. 大紀元. (2019年1月24日)
- ^ (繁体字中国語)“新北淡海輕軌 行動支付上線”. 自由時報 (2020年1月16日). 2020年1月21日閲覧。 2023年4月4日 - ウェイバックマシン
- ^ (繁体字中国語). 聯合報. (2020年1月22日). オリジナルの2020年1月23日時点におけるアーカイブ。 2020年1月23日閲覧。
- ^ . 聯合報. (2020年3月31日). オリジナルの2020年6月3日時点におけるアーカイブ。2020年11月2日閲覧。
- ^ . フォーカス台湾. (2020年11月4日). オリジナルの2020年11月17日時点におけるアーカイブ。2020年11月16日閲覧。
- ^ . 中央社 フォーカス台湾. (2023年2月10日). オリジナルの2023年2月12日時点におけるアーカイブ。2023年2月12日閲覧。
- ^ (繁体字中国語). ETToday. (2018年12月24日). オリジナルの2018年12月26日時点におけるアーカイブ。 2018年12月26日閲覧。
- ^ (繁体字中国語). 中央通訊社. (2017年10月3日). オリジナルの2018年12月26日時点におけるアーカイブ。 2018年12月26日閲覧。
- ^ (繁体字中国語). 中国時報. (2018年11月27日). オリジナルの2018年12月26日時点におけるアーカイブ。 2018年12月26日閲覧。
- ^ a b (繁体字中国語). 自由時報. (2018年1月16日). オリジナルの2018年12月26日時点におけるアーカイブ。 2018年12月26日閲覧。
- ^ (繁体字中国語). 聯合報. (2018年10月24日). オリジナルの2018年12月26日時点におけるアーカイブ。 2018年12月26日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 新北大眾捷運股份有限公司 (繁体字中国語)
- 淡海輕軌 x 新北捷運 (NewTaipeiMetro) - Facebook
- OPEN!3環3線 進度公開專頁 新北市政府捷運工程局 (繁体字中国語)
- 新北市捷運局 - YouTubeチャンネル