巡察使(じゅんさつし)は、中国では唐代に置かれた官名。日本では古代及び明治維新直後に置かれた地方監察官。カロリング朝フランク王国では、地方行政官(伯)を監督する役割を果たした国王の代理人。イエズス会では宣教師の称号。
- 中国・唐代に置かれた官名については、巡察使 (中国)を参照。
- 『養老令』に規定された令制官で、太政官に属していた。『養老令』によれば臨時官であり、必要に応じて派遣されていた。その主な職掌は地方行政監察であり、畿内及び七道に派遣され、その道(畿内)に属する国司の監察を行っていた。最初の派遣は天武天皇14年(685年)とされる。その後延暦14年(795年)に停止。天長元年(824年)に再置されるがほぼ実態がなくなる。→ 巡察使 (古代日本)
- 明治2年(1869年)東北地方に設置された民政官。
- 地方巡察使 - 明治十四年の政変後、元老院議官・(参事院)議官を地方政情視察のために派遣したもの。
- 国王巡察使 - 中世ヨーロッパのフランク王の代理人として、地方に派遣され、地方行政の査察・監督を行ったもの。
- 巡察師 - 16世紀から17世紀にかけて、イエズス会が布教状況を査察するために各地に派遣した宣教師の称号。アレッサンドロ・ヴァリニャーノなど。