略歴
1976年（昭和51年）奈良県磯城郡川西町生まれ[2][3][4]。10代のころ水戸岡鋭治（ドーンデザイン研究所）のパース画に魅了される[5]。1999年千葉大学工学部建築学科を卒業後、2001年に同大学大学院自然科学研究科デザイン科学（建築系）博士前期課程を修了し[2][3]、デンマーク王立芸術アカデミー建築学科招待学生となり修了[2][5]。その後オランダ・アムステルダムの建築設計事務所（DRFTWD office Amsterdam）で働き始め[2][5]、その傍ら、2002年12月に(栗田祥弘)とともに同地で建築家チームnextstationsを設立する[6]。その後「日本の鉄道デザインを改革したい[5]」との思いから、2005年から文化庁新進芸術家派遣制度によりフランス国鉄（SNCF）(交通拠点整備研究所)（AREP）に入所[2][5]。LGV東ヨーロッパ線開業に伴うランス周辺の整備計画を担当するチームに配属される[5]。
帰国後、2007年から株式会社栗生総合計画事務所[2][3]、2010年から株式会社エナジーラボで勤務[2]。
2014年（平成26年）11月7日付で、自らが代表取締役を務める株式会社イチバンセンを設立した[2][7]。
イチバンセンの事業・理念について
同社は「課題整理+建築設計+事業運営+情報発信をトータルにデザインする企業[2]」「とくに、公共交通・医療・福祉・生活・地域の未来を創[2]」る、と自身を位置付けており、設計・デザインのみならず、企画段階から完成後の運営計画までを、事業主・そのスタッフ・地域住民とともに考えながら一体的・総合的にデザインする事業を行っている。
社名は、鉄道の駅舎があるプラットホーム（1番線）を意味する[2][5]。命名の理由は、そこが「人々の交流と物資の移動の中心部[5]」であったこと、かつて（特に荷物・郵便や電報を扱っていたことを念頭に）「とにかく街のあらゆる機能が、駅舎がある1番線に凝縮されていた[2]」こと、である。
主な作品
nextstationsおよびイチバンセンとしての作品も含む。
- 肥薩おれんじ鉄道トータルデザイン（2003 - 2004年）[8]
- オランダ勤務時代に「個人的な仕事[5]」として手がけた。
- もともとはロゴマークのみの一般公募であり、およそ900点の中から川西の作品が選ばれた。
- ロゴマーク採用後、川西自身の申し出で各種サイン計画などを担当した。
- 土佐くろしお鉄道中村駅リノベーション（2010年）[9]
- nextstationsとしての作品[3]。
- 医療法人爽美会藤田歯科医院（2012年）
- 指宿枕崎線枕崎駅駅舎（2013年）[10]
- えちごトキめき鉄道におけるトータルデザイン
- 清和幼稚園（高知県高知市、2018年）[13]
- みちのりホールディングス傘下事業者
- 西日本旅客鉄道117系「WEST EXPRESS 銀河[18]」（2020年）[19][20][21]。
- 西日本旅客鉄道・瀬戸内海汽船観光型高速船「シースピカ」（2020年）[22]
- アイエムタクシー「ラウンジ」（新潟県上越市上越妙高駅前タクシー待合所、2020年）[23]
- 旭タンカー内航電気推進タンカー船あさひ（2021年）[24][25]
- 近畿日本鉄道橿原線結崎駅駅舎・駅前広場（2022年）[26]
肥薩おれんじ鉄道（肥後二見駅駅名標）
土佐くろしお鉄道中村駅待合室
土佐くろしお鉄道中村駅ホーム
枕崎駅駅舎
えちごトキめき鉄道ET127系電車
えちごトキめき鉄道ET122形気動車
えちごトキめきリゾート雪月花
関東自動車（路線車）
事業中のもの
脚注
- ^ “Yasuyuki KAWANISHI 川西 康之”. ICHIBANSEN イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l “会社概要および代表取締役のプロフィールPDF版” (PDF). イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
- ^ a b c d “私たちについて”. nextstations. 2017年1月19日閲覧。
- ^ a b 鼠入 昌史 (2017年1月11日). “新潟の｢ぶっ飛んだ｣列車はこうして生まれた ｢同じ列車はダメ｣デザイナー･川西氏の哲学”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. 2017年1月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 大橋誠司 (2019-04-01). “川西康之（イチバンセン） 未来の輪郭をスケッチし、旅の時間をデザインする”. AXIS (株式会社アクシス) (198): pp.28-30.
- ^ 2009年に柳辰太郎が追加加入
- ^ 国税庁 法人番号情報サイト
- ^ “肥薩おれんじ鉄道のトータルデザイン”. イチバンセン. 2017年1月17日閲覧。
- ^ “土佐くろしお鉄道中村駅リノベーション”. イチバンセン. 2017年1月19日閲覧。
- ^ “枕崎駅舎”. イチバンセン. 2017年1月18日閲覧。
- ^ “えちごトキめき鉄道 普通列車”. 株式会社イチバンセン. 2016年11月17日閲覧。
- ^ “えちごトキめきリゾート 雪月花”. イチバンセン (2016年10月24日). 2016年11月22日閲覧。
- ^ “清和幼稚園”. イチバンセン. 2020年2月29日閲覧。
- ^ “みちのり高速バス MEX”. イチバンセン. 2019年3月12日閲覧。
- ^ 「高速バス」 みちのりエクスプレス(MEX)デザインの高速バスが走ります茨城交通 2018年8月24日
- ^ a b “関東自動車バス”. イチバンセン. 2020年2月23日閲覧。
- ^ . 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2019年2月25日). オリジナルの2020年2月23日時点におけるアーカイブ。 2020年2月23日閲覧。
- ^ “”. 西日本旅客鉄道. 2019年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月19日閲覧。
- ^ “新たな長距離列車（仮称）”. イチバンセン. 2017年6月22日閲覧。
- ^ “6月定例社長会見 1.最近の営業・輸送概況 2.2016年度安全管理体制に対する第三者評価結果 3.新たな長距離列車の導入”. 西日本旅客鉄道 (2017年6月20日). 2017年6月20日閲覧。
- ^ 大坂直樹 (2017年6月20日). “決定！JR西｢新たな長距離列車｣のデザイナー 117系を改造し西日本エリアを運行”. 東洋経済オンライン (東洋経済新報社) 2017年6月20日閲覧。
- ^ “SEA SPICA シースピカ ICHIBANSEN/nextstations”. ICHIBANSEN イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
- ^ “アイエムタクシー ラウンジ”. ICHIBANSEN イチバンセン. イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
- ^ “完全電気推進タンカー船 あさひ”. ICHIBANSEN イチバンセン. イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
- ^ asahi-tanker (2021年12月13日). “次世代内航電気推進タンカー船「あさひ」命名・進水式について”. 旭タンカー株式会社. 旭タンカー株式会社. 2022年11月19日閲覧。
- ^ 川西町; 近畿日本鉄道株式会社 (2022年5月27日). “結崎駅が生まれ変わります” (PDF). 近畿日本鉄道株式会社. 2022年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月5日閲覧。
- ^ “特急やくも”. ICHIBANSEN イチバンセン. イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
- ^ “特急やくも273系車両デザインの決定について：JR西日本”. www.westjr.co.jp. 2022年10月21日閲覧。
- ^ “JR西日本 新たな観光列車”. ICHIBANSEN イチバンセン. イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
- ^ “Kintetsu commuter train 近畿日本鉄道 新型一般車両”. ICHIBANSEN イチバンセン. イチバンセン. 2022年5月17日閲覧。
- ^ “（仮称）富士山デザインハウス”. イチバンセン. 2017年6月22日閲覧。
外部リンク
- 株式会社イチバンセン