地理
横浜市鶴見区の西部、京浜急行電鉄生麦駅・JR東日本東海道本線の北に隣接する小丘陵地帯に位置する。[5]。北で東寺尾・東寺尾中台、北東で鶴見・東寺尾東台、南東から南にかけて生麦、西で神奈川区子安通・子安台と接する。
面積
面積は以下の通りである[1]。
丁目 | 面積(km2) |
---|---|
岸谷一丁目 | 0.184 |
岸谷二丁目 | 0.135 |
岸谷三丁目 | 0.217 |
岸谷四丁目 | 0.189 |
計 | 0.725 |
歴史
隣接する生麦が市街化していく大正時代も農村的色彩が強く、東寺尾等と同様稲作や(寺尾大根)をはじめとする畑作が行われていた[5]。河川が無いため水源は(房野池)・二ツ池(同区獅子ヶ谷に現存する(二ツ池)とは別)の溜池が使用された[5]。このうち房野池は埼玉県北埼玉郡忍町(現・行田市)の(山崎積蔵)に買収され1920年(大正9年)に自然公園・(三笠園)として開業された[5]。この三笠園はすでに遊園地として開業していた花月園に刺激されたもので、多くの種類に及ぶ花菖蒲をはじめとする植物が植えられ「花菖蒲の三笠園」として知られた[5]。三笠園内の房野池では同1920年のアントワープオリンピックに出場するオリンピック水泳選手の練習場及び予選会場として使用され、古式泳法から近代泳法への切り替えが指導された[5]。三笠園は入園者不足による経営逼迫によって1927年(昭和2年)閉園されるが、房野池には1937年(昭和12年)に(横浜市営岸谷プール)が開設されている[5]。残る二ツ池も昭和に入ってからの耕地の宅地化に伴い一部が観光用池として残された他は埋め立てられている[5]。1967年(昭和42年)まで大字生麦・または生麦町の小字であった岸谷であったが、同年5月1日の住居表示実施に伴い、生麦町から分離し、東寺尾町、神奈川区子安台の各一部を併せて鶴見区岸谷として設置され、新たに一丁目から四丁目が置かれた[5]。
地名の由来
町名は字岸谷が生麦町から分離して周囲を併せた際に住民の要望によって旧小字の岸谷からとられた[5]。岸谷の名は、山側の谷戸、あるいは山手の谷という意味であり、現在の生麦を古くは岸村(ガケのある村)と呼んだ時期に岸村の谷戸を指したとも考えられる[5]。
沿革
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行により生見尾村大字生麦字岸谷となる。
- 1920年(大正9年) - (三笠園)開園。
- 1921年(大正10年)4月1日 - 町制を施行して鶴見町の大字生麦字岸谷となる。
- 1927年(昭和2年)4月1日 - 横浜市への編入に伴い生麦町の一部となる[7]。
- 1927年(昭和2年) - 三笠園廃止。
- 1933年(昭和8年) - 潤光学園(現・法政大学女子高等学校)が設立される。
- 1937年(昭和12年) - (房野池)跡に(横浜市営岸谷プール)が開設される。
- 1941年(昭和16年) - 横浜市立岸谷小学校開設。
- 1947年(昭和22年) - 横浜市立生麦中学校開設。
- 1956年(昭和31年) - 岸谷小学校から出火、12教室を焼失。
- 1967年(昭和42年)5月1日 - 住居表示実施に伴い、生麦町から分離、東寺尾町、神奈川区子安台の各一部を併せ、岸谷一丁目 - 四丁目が設置される[8]。
- 1969年(昭和44年) - 岸谷地区下水道工事開始。
- 2005年(平成17年)9月15日 - 岸谷三丁目31番・33番の街区を変更する[9]。
世帯数と人口
2023年(令和5年)3月31日現在(横浜市発表)の世帯数と人口は以下の通りである[2]。
丁目 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
岸谷一丁目 | 1,359世帯 | 2,461人 |
岸谷二丁目 | 1,067世帯 | 2,028人 |
岸谷三丁目 | 1,946世帯 | 3,805人 |
岸谷四丁目 | 1,822世帯 | 3,395人 |
計 | 6,194世帯 | 11,689人 |
人口の変遷
国勢調査による人口の推移。
年 | 人口 |
---|---|
1995年(平成7年)[10] | 12,833 |
2000年(平成12年)[11] | 12,101 |
2005年(平成17年)[12] | 11,535 |
2010年(平成22年)[13] | 11,238 |
2015年(平成27年)[14] | 11,601 |
2020年(令和2年)[15] | 11,851 |
世帯数の変遷
国勢調査による世帯数の推移。
学区
市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2022年8月時点)[16]。
事業所
2016年(平成28年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[17]。
丁目 | 事業所数 | 従業員数 |
---|---|---|
岸谷一丁目 | 88事業所 | 462人 |
岸谷二丁目 | 33事業所 | 259人 |
岸谷三丁目 | 33事業所 | 263人 |
岸谷四丁目 | 28事業所 | 115人 |
計 | 182事業所 | 1,099人 |
交通
鉄道
町域南縁に触れる生麦の当地側境界線付近に東海道本線・京急本線は通っているが、町域内を線路は通過していない。乗車する場合は京急本線生麦駅・花月総持寺駅が最寄り駅になる。
バス
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道路
(都市計画道路岸谷生麦線)が横浜市によって計画されている[18]。
施設
史跡
その他
日本郵便
警察
町内の警察の管轄区域は以下の通りである[20]。
丁目 | 番・番地等 | 警察署 | 交番・駐在所 |
---|---|---|---|
岸谷一丁目 | 全域 | 鶴見警察署 | 岸谷交番 |
岸谷二丁目 | 全域 | ||
岸谷三丁目 | 全域 | ||
岸谷四丁目 | 全域 |
参考文献
- “横浜市町区域要覧” (PDF). 横浜市市民局 (2016年6月). 2022年9月6日閲覧。
関連項目
脚注
- ^ a b 横浜市町区域要覧、1 - 1頁、1 - 2頁
- ^ a b “令和5(2023)年 町丁別人口(住民基本台帳による)” (XLS). 横浜市 (2023年4月7日). 2023年4月27日閲覧。 “(ファイル元のページ)”(CC-BY-4.0)
- ^ a b “岸谷の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月11日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 『角川日本地名大辞典 14 神奈川県』、角川書店、1991年9月、P319
- ^ “住居表示実施町名一覧 (令和2年10月19日現在)”. 横浜市 (2020年10月29日). 2021年8月28日閲覧。
- ^ 横浜市町区域要覧、3 - 30頁、3 - 33頁
- ^ 横浜市町区域要覧、3 - 38頁
- ^ 横浜市町区域要覧、附 - 44頁
- ^ a b “平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2023年4月27日閲覧。
- ^ “小・中学校等の通学区域一覧(通学規則 別表)”. 横浜市 (2022年8月5日). 2021年12月9日閲覧。
- ^ “平成28年経済センサス-活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
- ^ 岸谷生麦線(横浜環状北線-首都高速道路株式会社HP),2010-09-02閲覧。
- ^ “郵便番号簿 2020年度版” (PDF). 日本郵便. 2021年8月7日閲覧。
- ^ “地域課”. 鶴見警察署. 2021年10月24日閲覧。
外部リンク
- 横浜市鶴見区公式サイト
- 都市計画道路岸谷生麦線()
※子安通とは線路脇の一点のみで接している。