岩永 裕貴（いわなが ひろき、1973年〈昭和48年〉9月3日[2] - ）は、日本の政治家。滋賀県甲賀市長（2期）。元(衆議院議員)（1期）。
来歴
滋賀県甲賀市信楽町多羅尾生まれ。信楽町立多羅尾小学校、信楽町立信楽中学校、比叡山高等学校卒業。高校卒業後、アメリカ合衆国カンザス州のウィチタ州立大学に留学し、国際政治学を専攻。1998年に大学を卒業し、帰国後は広告代理店に勤務。2003年10月から父・岩永峯一衆議院議員の秘書を務める。2005年、父・峯一の農林水産大臣就任に伴い、大臣秘書官に就任した[4]。
2009年の第45回衆議院議員総選挙に際しては、引退する父の(地盤)を引き継ぎ、滋賀4区で自由民主党の公認を受け、出馬に向けた準備を整えていたが、同年2月13日、父・峯一が地元甲賀市に本拠地を置く宗教法人「神慈秀明会」から計6千万円の寄付を受けながら、政治資金収支報告書に記載していなかった問題が発覚。また、兄も神慈秀明会の財団職員として、毎月２０万から３０万円の給与を十数年間受け取っており、家族ぐるみでの癒着関係が認められた[要出典]。[5]これを受けて3月15日、立候補辞退を表明した[3][6]。岩永に代わり、8月30日の衆院選には地域政党「対話でつなごう滋賀の会」の滋賀県議会会派の政策スタッフを務めていた武藤貴也が自民党から出馬したが、民主党元職の奥村展三に敗れ、落選した。
2012年、大阪維新の会が政治塾「維新政治塾」を設立。岩永は試験に合格し、同年6月に入塾[7]。同年12月の第46回衆議院議員総選挙に日本維新の会公認で滋賀4区から出馬し、自民党公認の武藤貴也に敗れたが、重複立候補していた比例近畿ブロックで復活し、初当選した。2014年の日本維新の会分党に際しては、橋下徹大阪市長による新党結成を目指すグループに参加[8]。分党後の日本維新の会を経て維新の党結党に参加した。
同年12月の第47回衆議院議員総選挙は維新の党公認で出馬。滋賀4区は岩永、自民党の武藤貴也、民主党の徳永久志、日本共産党の新人の4者の争いとなったが、得票数2番目で武藤に敗れ、比例復活もできず議席を失った[9]。
2015年10月、野党共闘をめぐって維新の党が分裂[10]。岩永も維新の党を離れ、2016年1月にはおおさか維新の会の支部にあたる滋賀維新の会を設立して代表に就任し、2月9日にはおおさか維新の会衆院滋賀4区支部長就任が発表された[11]。同年5月、10月に実施予定の甲賀市長選挙への出馬が報じられ[12][13]、5月26日、無所属で出馬する意向を表明した[14]。10月16日投開票の甲賀市長選で、自民・公明両党の推薦を受け、4選を目指した現職の中嶋武嗣を1,698票の僅差で破り、当選した[15]。10月31日、甲賀市役所に初登庁し、正式に甲賀市長に就任した[16]。
2017年10月22日の衆議院選挙の投開票をめぐり甲賀市職員の不正が発覚。これについて「本当に市の総務部長・次長・課長、三人だけで判断をしたのでしょうか？岩永裕貴市長や正木仙治郎副市長はいつどこで、どのようにこの報告を受けたのか、そこでどのような判断をしてどのような指示をしたのか。時系列に沿ってもっとくわしく公表すべき」と嘉田由紀子前滋賀県知事は疑問を持っている。[17]
2020年、無投票で再選。
地元甲賀市に本拠地を置く神慈秀明会と、父・峯一、兄との癒着があった経緯から、2022年統一教会問題以上に、深刻な政教癒着の疑いがある。
政策・主張
脚注
- ^ 市長プロフィール/甲賀市
- ^ 『全国歴代知事・市長総覧』日外アソシエーツ、2022年、266頁。
- ^ a b “滋賀4区 岩永裕貴氏が出馬断念”. 滋賀報知新聞. (2009年3月17日) 2017年4月30日閲覧。
- ^ 岩永ひろきプロフィール - 岩永ひろし公式ホームページ
- ^ “岩永峯一元農相、6000万円献金隠し。宗教法人と親密。”. 朝日新聞. (2009年2月13日)
- ^ “岩永氏三男が出馬断念”. 毎日新聞. (2009年3月15日) 2009年3月15日閲覧。
- ^ “動き出した衆院選<5> 《 4区 》”. 滋賀報知新聞. (2012年7月19日) 2017年11月30日閲覧。
- ^ “日本維新の会分党 「石原新党」に23人”. ハフィントンポスト. (2014年6月6日) 2015年4月26日閲覧。
- ^ 滋賀 - 開票速報 - 2014衆院選：朝日新聞デジタル
- ^ “橋下氏らが「おおさか維新の会」結党 国会議員19人参加”. 毎日新聞. (2009年3月15日) 2009年3月15日閲覧。
- ^ 『おおさか維新の会衆議院支部長選任者リスト』（プレスリリース）おおさか維新の会、2016年2月9日。
- ^ “甲賀市長選 岩永氏出馬検討／滋賀”. 毎日新聞. (2016年5月16日) 2017年4月30日閲覧。
- ^ “滋賀・甲賀市長選 岩永氏が出馬意向”. 京都新聞. (2016年5月15日) 2017年4月30日閲覧。
- ^ “滋賀・甲賀市長選立候補、岩永氏が正式表明”. 京都新聞. (2016年5月26日) 2017年4月30日閲覧。
- ^ “甲賀市長選：岩永裕貴氏が初当選”. 毎日新聞. (2016年10月17日) 2017年4月30日閲覧。
- ^ “岩永・甲賀市長：「4年間で結果出す」 初登庁で抱負／滋賀”. 毎日新聞. (2016年11月1日) 2017年4月30日閲覧。
- ^ “Facebook 2018年2月8日 – 嘉田由紀子”. kadayukiko.jp. 2022年9月26日閲覧。
- ^ a b c “2014衆院選 滋賀4区 岩永 裕貴”. 毎日新聞 2017年4月30日閲覧。
- ^ 朝日新聞、2014年衆院選、朝日・東大谷口研究室共同調査
- ^ “新型コロナ 甲賀・湖南市長、期末手当を返上 副市長らも全額 ／滋賀”. 毎日新聞. (2020年5月20日) 2020年7月13日閲覧。