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局所麻酔薬

局所麻酔薬(きょくしょますいやく、略称: 局麻、局麻薬: : local anesthetic)とは、痛みの感覚をなくす局所麻酔のための医薬品である。局所麻酔薬は、主に神経細胞膜のナトリウム特異的イオンチャネル、特にいわゆる電位依存性ナトリウムチャネルを介したナトリウムの流入を阻害する。ナトリウムの流入が阻害されると、活動電位が発生できなくなる。その結果、神経を介した、感覚や運動の伝導・伝達が遮断される。ドイツ医学の影響を強く受けた日本の医療現場では古くから、「ロール」と「カ」の部分にアクセントを置いて呼ばれることが多かった。これはドイツ語の局所麻酔薬(: Lokalanästhetikum)の発音に由来する[1]

多くの局所麻酔薬は、化学的にエステル型又(上)またはアミド型(下)に分類される。

手術の場合、全身麻酔のための全身麻酔薬とは異なり、局所麻酔薬は意識を失うことなく、体の特定の場所に痛みのない状態を作り出す。また、特定の神経経路に使用する場合(神経ブロック)、運動麻痺力の低下)を得ることも可能である。

概要

臨床用局麻は、アミド型およびエステル型局所麻酔薬の2つの型に分類される。合成局麻は、構造的にコカインに関連している。コカインとの違いは、乱用の可能性が非常に低く、高血圧(少数の例外を除いて)や血管収縮を引き起こさないことである。作用時間・力価により下記の通りに分類される。

短時間作用性・低力価

プロカイン

(クロロプロカイン)(英語版)

中時間作用性・中力価

リドカイン

プリロカイン

長時間作用性・高力価

テトラカイン

ブピバカイン

ジブカイン

ロピバカイン


これらの薬剤は、以下のような様々な局所麻酔に使用されている。

これらの薬剤名の末尾にある「-caine」は、かつてコカインが局所麻酔薬として使用されていたことから、コカイン(cocaine)にちなんで命名されたものである。

歴史

ペルーでは、古代インカ人が(コカ)(英語版)の葉を覚醒作用に加えて局所麻酔薬として使用していたとされる[2]。奴隷の支払いにも使用されており、スペイン人がコカの葉を噛むことの効果に気づいて利用し、その後のインカ文明の滅亡に一役買ったと考えられている[2]コカインは1884年に初めて局所麻酔剤として使われるようになった。より毒性が低く、中毒性の低い代替薬の探索により、1903年にエステル型局所麻酔薬である(ストバイン)(英語版)が、1904年にプロカインが開発されるに至った。その後、1943年にリドカイン、1957年にブピバカイン、1959年にプリロカインなど、いくつかの合成局所麻酔薬が開発され、臨床に使用されるようになった。

局所麻酔の臨床応用は、精神科医ジークムント・フロイト(1856-1939)、カール・コラー(1857-1944)、レオポルド・コニヒシュタイン(1850-1942)らウィーン学派が発明したとされている。彼らは、動物実験や人体実験に導入する前に、口腔粘膜での「自己実験」によって、コカインを用いた局所麻酔を導入したのである。ウィーン学派は、まず眼科でコカインを局所麻酔として使い始め、その後眼科診療に取り入れられるようになった。1885年にアメリカのハルステッド博士とホール博士が、4%のコカインを使って下歯槽神経と前上歯槽神経を遮断する口腔内麻酔法を記載した[3]

局所麻酔にコカインが初めて使用された直後、末梢神経へのブロックが記述された。20世紀初頭には、腋窩および鎖骨上アプローチによる経皮的注射による腕神経叢ブロックが開発された。腕神経叢麻酔と末梢神経ブロックのための最も効果的で侵襲の少ない方法の探求は、今日まで続いている。ここ数十年、カテーテルや自動ポンプを用いた持続的な局所麻酔が、疼痛治療の方法として発展してきた。

静脈内局所麻酔は、1908年に(アウグスト・ビーア)(英語版)によって初めて報告された。この方法は現在でも使用されており、プリロカインのような全身毒性の低い薬剤を使用した場合には、安全である。

脊髄くも膜下麻酔は1885年に初めて使用されたが、臨床に導入されたのは1899年で、アウグスト・ビーアが自ら臨床実験を行い、麻酔効果だけでなく、典型的な副作用である穿刺後頭痛を観察したときであった。数年のうちに、脊髄くも膜下麻酔は手術麻酔に広く使用されるようになり、安全で効果的な技術として受け入れられるようになった。現在ではペンシル型(先端鋭利で無い)針と最新の薬剤が使用されているが、それ以外は何十年も前からほとんど変化していない。

仙骨からのアプローチによる硬膜外麻酔は20世紀初頭から知られていたが、腰椎からの注入による明確な手技が開発されたのは1921年、(フィデル・パジェス)(英語版)が"Anestesia Metamérica"を発表してからのことである。この技術は1930年代から1940年代にかけてアキレ・マリオ・ドリオッティによって一般化された。細く柔軟なカテーテルの登場により、連続注入や繰り返し注入が可能になり、硬膜外麻酔は現在でも非常に成功した手技となっている。硬膜外麻酔は手術に多く用いられるほか、産科では陣痛の緩和に特によく用いられている。

日本では、1986年に日本局所麻酔学会が設立されたが、会員数と発表演題数の減少傾向に歯止めがかからず2007年に解散となった[4]。しかし、2014年に日本区域麻酔学会として再び発足し、局所麻酔や区域麻酔の発展を目的として学術活動を行っている[4]。この経緯は、かつては熟練を要したために麻酔効果の不確実性が麻酔科医に敬遠されていた区域麻酔が、超音波診断装置の発達によって可視化され、麻酔科学上の再発展領域となったことによる[4]

作用機序

局麻薬はすべて細胞膜安定化薬であり、((侵害受容器)(英語版)のような)興奮性膜の脱分極および再分極の速度を可逆的に減少させる。他の多くの薬剤も膜安定化作用を有するが、すべてが局麻として使用されるわけではない(例えば、プロプラノロールは局麻としての性質を有するが)。局麻薬は、主に神経細胞膜のナトリウム特異的イオンチャネル、特にいわゆる電位依存性ナトリウムチャネルを介したナトリウムの流入を阻害することにより作用する。ナトリウムの流入が阻害されると、活動電位が発生できなくなり、信号伝導が阻害される。受容体部位は、ナトリウムチャネルの細胞質側(内側)にあると考えられている。局所麻酔薬は、活性化した状態のナトリウムチャネルに結合しやすいため、発火の早い神経細胞では遮断の開始が早くなる。これは、状態依存的遮断と呼ばれる。

局麻薬は弱塩基性であり、通常、水溶性にするために塩酸塩として製剤化される。プロトン化塩基のpKaに等しいpHでは、分子のプロトン化(イオン化)型と非プロトン化(組合)型は等モル量で存在するが、非プロトン化塩基のみが細胞膜を容易に拡散する。細胞内に入ると、局所麻酔薬は平衡状態になり、プロトン化(イオン化)した形が形成され、細胞外に容易に戻ることはない。これは、「イオントラップ」と呼ばれている。プロトン化された形態では、分子はイオンチャネル内部の細胞質端に近い局麻結合部位に結合する。ほとんどの局麻は、膜の内表面で作用する。薬物は細胞膜を透過する必要があり、これは非イオン化形態で最もよく達成される。このことは、永久的にイオン化された局麻である(RAC 421-II)(英語版)が、細胞膜を横切って拡散することはできないが、神経線維の細胞質に注入された場合、NaKATPase遮断と麻酔効果を誘発することができることを例証している。

創傷部の炎症によるアシドーシスは、局麻薬の作用を一部低下させる。これは、麻酔薬の大部分がイオン化しているため、細胞膜を通過して細胞質に面したナトリウムチャネルに作用する部位に到達できないことが一因である。

すべての神経線維は局麻薬に感受性があるが、直径と髄鞘の組み合わせにより、局麻薬遮断に対する線維の感受性は異なり、これを分離遮断と呼んでいる。B線維(交感神経緊張)が最も感度が高く、次いでC線維(痛み)、Aδ(温度)、Aγ(固有感覚)、Aβ(触覚、圧覚)、Aα(運動)である。B線維はC線維より太いが、有髄であるため、有髄でない細いC型線維より先に遮断される [5]

種類

 
この局麻システムは、(針刺し事故)(英語版)を防ぐために設計されている。局麻のカートリッジは、使い捨ての針に装着され、使用しないときはロックされ、ハンドルから分離することができる。

注射用局所麻酔液は、通常、以下のもので構成されている:[6]

エステル型はアレルギー反応を起こしやすいので、アミド型を使用する必要がある場合がある。各局所麻酔薬の名称には、「-caine」という接尾辞がついている。エステル型局麻薬の多くは(偽コリンエステラーゼ)で代謝されるが、アミド型局麻薬は肝臓で代謝される。これは、肝不全患者における薬剤選択の要因となりうるが[7]、コリンエステラーゼは肝臓で産生されるため、生理的(例:新生児・乳児または超高齢の個人)または病理的(例:肝硬変)にも肝代謝障害はエステルを用いる場合の考慮事項である。

時には、局麻が組み合わされることもある。例:

  • (リドカイン/プリロカイン)(英語版)(EMLA, Eutectic Mixture of Local Anesthetic: 局麻薬共融混合物)
  • リドカイン/テトラカイン(Rapydan)
  • TAC((テトラカイン/アドレナリン/コカイン)(英語版))

注射用局麻液は、血管を収縮させることで局所麻酔の持続時間を長くし、それによって麻酔薬を安全に長時間濃度を維持するとともに、出血を抑えるために血管収縮剤((合剤)(英語版))と混合されることがある[8]。血管収縮剤は、全身循環が注射部位から局所麻酔薬を除去する速度を一時的に低下させるため、血管収縮剤と組み合わせた場合の局麻の最大投与量は血管収縮剤のない同じ局麻と比較して高くなる。時折、この目的のためにコカインが投与されることがある。例としては、以下のようなものがある。

このタイプの組み合わせ製品の1つは、表面麻酔のために局所的に使用されるTAC(5-12%テトラカイン、1/2000(0.05%、500ppm、1/2パーミル)アドレナリン、4または10%コカイン)である。

血管収縮剤を使用した局麻薬は、(終動脈)(英語版)に灌流されている部位では安全である[注釈 1]。血管収縮剤入り局麻薬が鼻、耳、指、足指などの四肢に壊死を起こす(終動脈の収縮による)という通説には、1948年のエピネフリン入り市販リドカインの導入以来、壊死の例が報告されていないため根拠が無いという反論がある[9]

エステル型

アミド型

天然物由来

メントール、オイゲノール、コカインを除くほとんどの天然物由来局所麻酔薬は神経毒であり、その名称には-toxinという接尾語がついている。コカインはナトリウムチャネルの細胞内側に結合し、サキシトキシン、ネオサキシトキシン、テトロドトキシンはナトリウムチャネルの細胞外側に結合する。

適応

急性痛

急性痛は、外傷、手術、感染症、血行障害など、組織が傷害を受けた際に発生することがある。医療現場では、その生理的警告機能が不要になった時点で痛みを緩和することが望まれる。患者の快適さを向上させるだけでなく、疼痛療法は未治療の疼痛がもたらす有害な生理的転帰を軽減することができる[要出典]

急性の痛みは、しばしば鎮痛剤を用いて管理することができる。しかし、優れた痛みの制御と少ない副作用のために、伝達麻酔(conduction anesthesia)[注釈 2]が望ましい場合がある。疼痛治療の目的で、局麻薬はしばしばカテーテルを介した反復注射または持続注入によって投与される。また、相乗的な鎮痛作用のためにオピオイドなどの他の薬剤と併用されることも多い[10]。低用量の局麻薬で十分なので、筋力低下が起こらず、患者の移動が可能である[要出典]

急性痛に対する伝達麻酔の典型的な使用例としては、以下のものがある。

慢性疼痛

慢性疼痛は、複雑かつ深刻な病態であるため、ペインクリニックの専門家による診断と治療が必要である。局麻は、慢性疼痛を緩和するために、通常、オピオイドNSAIDs抗けいれん剤などの薬物と組み合わせて、繰り返し、または長期間継続して適用することができる。簡単に行えるが、長期的な効果を示す証拠がないため、慢性疼痛疾患における局所麻酔ブロックの繰り返しは推奨されない[11]

手術

伝達麻酔を用いれば、身体の大半の部位に麻酔をかけることができる。しかし、一般に臨床的に使用されているのは、限られた数の技術のみである。患者の快適さと手術の容易さのために、伝達麻酔を全身麻酔または鎮静と併用することもある。しかし、多くの麻酔科医、外科医、患者、看護師は、主要な手術は全身麻酔よりも局所麻酔で行う方が安全であると考えている[12]。伝達麻酔で行われる代表的な手術は以下の通りである。

  • 歯科(詰め物、クラウン、根管などの修復手術時の表面麻酔、浸潤麻酔、または靭帯内麻酔[13]、抜歯、および抜歯や手術時の局所神経ブロック)。
  • (足病学)(英語版)(皮膚、爪剥離、母斑切除、外反母趾切除、ハンマートゥ修復[13]その他様々な足病学的処置)
  • (眼科手術)(英語版)(白内障手術や他の眼科処置中の表面麻酔薬による表面麻酔や(球後麻酔)(英語版)[13])耳鼻咽喉科手術、頭頚部外科(浸潤麻酔、術野ブロック、又は末梢神経ブロック、神経叢麻酔)
  • 肩及び腕の手術(腕神経叢ブロック又は静脈内局所麻酔)[14]
  • 肺の手術(硬膜外麻酔併用全身麻酔)
  • (腹部手術)(英語版)硬膜外麻酔脊髄くも膜下麻酔、腹部手術の際に全身麻酔と併用することが多い[13])
  • 婦人科、産科、泌尿器科の手術(脊髄くも膜下麻酔/硬膜外麻酔)
  • 骨盤股関節下肢の骨・関節手術(脊椎・硬膜外麻酔、末梢神経ブロック、静脈内局所麻酔など)
  • 皮膚および末梢血管の手術(表面麻酔、(周囲浸潤麻酔)(field block)、末梢神経ブロック、または脊髄くも膜下・硬膜外麻酔)

診断検査

骨髄穿刺腰椎穿刺(脊髄穿刺)、嚢胞などの吸引などの診断検査は、太い針を刺す前に局所麻酔薬を投与することで痛みを少なくすることができる[13]

ペースメーカー植込み型除細動器などの埋込医療機器、化学療法の薬剤注入用ポート、血液透析用アクセスカテーテルなどの挿入時にも局所麻酔を使用する[13]

リドカイン/プリロカイン(EMLA)の形態の表面麻酔は、採血留置針のの痛みを減らすために最も一般的に使用されている。また、腹水ドレナージや羊水検査など、他の種類の穿刺にも適している場合がある。

また、気管支鏡検査(下気道の可視化)や膀胱鏡検査(膀胱内壁の可視化)などの内視鏡検査にも表面麻酔が有効である。

副作用

局所的な副作用

局所麻酔の副作用として、舌、咽頭、喉頭の浮腫が生じることがある。これは、注射時の外傷、感染症、アレルギー反応、血腫、または低温殺菌液などの刺激性の溶液の注入など、さまざまな理由によって引き起こされる可能性がある。通常、注射した場所に組織の腫れが生じる。これは、静脈が穿刺され、血液が周囲の緩い組織に流れ込むためである。また、局所麻酔薬を注入した部分の組織が白くなることもよくある。これは、その部分の動脈の血管収縮により血流が妨げられるため、その部分が白く見えるようになるのである。血管収縮の刺激は徐々に消え、その後、2時間以内に組織は正常に戻る[15]

下歯槽神経ブロックの副作用には、緊張感、こぶしの握りしめ、うめき声などがある[16]

軟組織麻酔の持続時間は、歯髄麻酔よりも長く、しばしば飲食や会話の困難を伴う[16]

危険性

一時的または永久的な神経損傷のリスクは、神経ブロックの場所や種類によって異なる[17]

局所麻酔液の注入時に、局所血管を誤って損傷するリスクがある。これは血腫と呼ばれ、患部の痛み、三叉神経痛、腫脹および/または変色を引き起こす可能性がある。傷ついた血管の周囲の組織の密度は、血腫の重要な要因である。後上歯槽神経ブロックまたは翼突下顎ブロックで発生する可能性が最も高い[要出典]

肝疾患のある患者に局所麻酔を行うと、重大な結果を招くことがある。重大な肝機能障害では、アミド系局所麻酔薬の半減期が大幅に増加し、過剰投与の危険性が高まるため、患者への潜在的なリスクを評価するために、疾患の徹底した評価を行う必要がある。

局所麻酔剤と血管収縮剤は妊娠中の患者に投与することができるが、妊娠中の患者にあらゆる種類の薬剤を投与する場合は、特に注意せねばならない。リドカインは安全に使用できるが、毒性の強いブピバカインメピバカインは避けるべきであろう。妊娠中の患者にいかなる種類の局所麻酔薬を投与する前にも、産科医との相談が不可欠である[15]

回復

末梢神経ブロック後の永久的な神経損傷はまれである。症状は、数週間以内に消失する可能性が高い。影響を受けた人の大部分(92%~97%)は、4~6週間以内に回復し、これらの人の99%は、1年以内に回復している。神経ブロックの2,000~5,000回に1回の割合で、ある程度の永続的な神経損傷が生じると推定される[17]

損傷後、最長で18ヵ月間、症状が改善し続けることがある。

一般的な全身性の副作用は、使用する麻酔薬の薬理作用によるものである。電気インパルスの伝導は、末梢神経中枢神経系、および心臓において同様のメカニズムに従っている。したがって、局所麻酔薬の作用は、末梢神経における信号伝導に特化したものではありえない中枢神経系および心臓への副作用は、重篤で致死的となる可能性がある。しかし、毒性は通常、適切な麻酔技術を遵守していれば、ほとんど到達しない血漿濃度でのみ発生する。例えば、硬膜外投与または支持組織内投与を意図した用量が誤って血管内注射として投与された場合、血漿中濃度が高まる可能性がある[要出典]

感情的な反応

患者が緊張や恐怖という形で感情的な影響を受けると、血管迷走神経衰弱につながることがある。これは、投与中の痛みを予期して副交感神経系を活性化し、交感神経系を抑制するものである[18]。その結果、筋肉の動脈が拡張し、循環血液量の減少につながり、脳への血流が一時的に不足することになる。注目すべき症状には、落ち着きのなさ、目に見えて青白く見えること、発汗、および意識喪失の可能性が含まれる。重症の場合は、てんかん発作に似た間代性けいれんを起こすこともある[18]

一方、投与への恐怖から、呼吸が加速し、浅くなったり、過呼吸になったりすることもある。患者は、手足のしびれ感や軽い頭痛、胸部圧迫感の増大を感じることがある[要出典]

したがって、局所麻酔を投与する医療従事者にとって、特に注射の形態では、これらの起こりうる合併症を避けるために、患者が快適な環境にいること、潜在的な恐怖を緩和していることを確認することが極めて重要である。

局所麻酔薬中毒

過量投与により、主として中枢神経系と心血管系に様々な症状が現れる。これは症状が多彩なため、アレルギー反応と間違われやすい[19]。近年は用語が多義的で誤解を招きやすい中毒よりも局所麻酔薬の全身毒性(: local anesthetic systemic toxicity: LAST)と表記されることが増えてきている[20][21]

中枢神経系

局所麻酔薬の組織内濃度に応じて、中枢神経系に興奮性または抑制性の作用が生じることがある。

全身毒性の初期症状には、耳鳴り、口の中の金属味、口のしびれまたは麻痺、めまいおよび/または見当識障害がある。

高濃度では、抑制性ニューロンの比較的選択的な抑制により脳が興奮し、末梢の運動痙攣に続いて(けいれん発作)(英語版)を起こすなど、より高度な症状を引き起こすことがある。ブピバカイン、特に(クロロプロカイン)(英語版)との併用で発作が起こりやすいと報告されている[22]

さらに高濃度では脳機能の深部抑制が起こり、昏睡呼吸停止、死亡に至ることがある[23]。このような組織濃度は、高用量の静脈内注入によるものである可能性がある。

心血管系

心臓毒性は、薬剤の血管への不適切な注入により生じることがある。適切な投与を行っても、患者の予見できない解剖学的特異性により、投与部位から体内に薬剤が拡散することは避けられない[22]。このため、神経系に影響を及ぼしたり、薬剤が全身循環に移行することがある。しかし、感染が伝播することは非常にまれである。

局所麻酔薬の血管内注射の過量投与に伴う心臓毒性は、低血圧房室伝導遅延、(心室固有調律)(英語版)、および最終的な心血管系虚脱によって特徴づけられる。すべての局所麻酔薬は心筋の不応期を短縮する可能性があるが、ブピバカインは心筋のナトリウムチャネルを遮断するため、致死的不整脈を誘発する可能性が最も高い。心血管系の副作用を改善するために開発されたレボブピバカインロピバカイン(単一光学異性体誘導体)でさえ、心機能を破綻させる可能性を持つ[24]。麻酔薬の組み合わせによる毒性は相加的である[22]

内分泌系

内分泌系と代謝系にはわずかな副作用しかなく、ほとんどの場合、臨床的な反応はない[22]

LASTの治療

下記の治療法が提唱されている[25]

  1. 局所麻酔薬の投与をやめる/応援を求める
  2. 気道確保
  3. ベンゾジアゼピンによる痙攣抑制
  4. 必要に応じて心肺蘇生
  5. 20%脂質エマルジョン1.5mL/kg(2~3分以上かけてボーラス投与)(リピッドレスキューの項を参照)

過量投与時の治療法:"リピッドレスキュー"

 
リピッドレスキューに使用される脂肪乳剤。本来の使用用途は静脈内栄養である。

この中毒治療の方法は、1998年にガイ・ワインバーグ博士によって考案されたが、2006年に初めて救命の成功例が発表されるまで、広く使用されるには至らなかった。一般に市販されている(脂肪乳剤)(英語版)であるイントラリピッドが、局所麻酔薬の過量投与に続発する重度の心毒性の治療に有効であることを示す証拠があり、この方法での使用(リピッドレスキュー)に成功したヒトの症例報告もある[26][27][28]。しかし現時点ではまだエビデンスは限られている[29]

現在までのほとんどの報告では、一般に入手可能な静脈内脂質乳剤であるイントラリピッドを使用しているが、リポシンおよびメディアリピッドのような他の乳剤も有効であることが示されている。

動物実験による十分なエビデンス[30][31]やヒトの症例報告では、この方法での使用が成功している[27][28]。英国では、この使用をより広く公表する努力がなされ[26]、リピッドレスキューは現在英国・アイルランド麻酔科医協会により治療法として公式に推進されている[32]ブプロピオン及びラモトリギンの過量投与における難治性心停止の治療に脂質乳剤が成功したという1例の報告が発表されている[33]

「自家製の」リピッドレスキューキットの組成も発表されている[34]

リピッドレスキューの作用機序は完全に理解されていないが、血流中の添加脂質はシンクとして作用し、患部組織から親油性毒素を除去することができるのかもしれない。この理論は、ウサギのクロミプラミン毒性に対するリピッドレスキューに関する2つの研究[35][36](モキシデクチン)(英語版)の子犬を治療するためにリピッドレスキューを使用するという獣医学の臨床報告[37]と一致するものであった。

免疫学的アレルギー(アナフィラキシー)

局所麻酔薬(特にエステル型)に対する有害反応は珍しくないが、厳密な意味でのアレルギーアナフィラキシーは非常にまれである[19]。エステルに対するアレルギー反応は通常、その代謝物であるパラアミノ安息香酸に対する感受性に起因し、アミド型に対する交差アレルギーには至らない[38]。そのため、アミド型局麻はそのような患者の代替品として使用することができる。非アレルギー性反応(例えばLAST)は、その症状においてアレルギーに類似している場合がある。場合によっては、アレルギーの診断を確立するために、皮膚テストおよび(チャレンジ試験)が必要となることがある。また、局所麻酔薬に防腐剤として添加されることの多いパラベン誘導体に対するアレルギーの症例もある。

メトヘモグロビン血症

メトヘモグロビン血症は、ヘモグロビン中の鉄が変化して酸素運搬能力が低下し、チアノーゼ低酸素症の症状が現れるものである。ベンゾカインリドカインプリロカインなどのアニリン系化学物質にさらされるとこの作用が現れ、特にベンゾカインが顕著である[38]。プリロカインの全身毒性は比較的低いが、その代謝物のo-トルイジンはメトヘモグロビン血症を引き起こすことが知られている。

世代間の影響

体外受精における卵子摘出時に局所麻酔薬を使用することについては、議論がある。卵胞液中に薬理学的濃度の麻酔薬が検出されている[22]。臨床試験では、妊婦への影響については結論が出ていない。しかし、ラットにおけるリドカインの子孫への行動上の影響については懸念されている[22]

妊娠中、局所麻酔薬が胎児に何らかの悪影響を及ぼすことは一般的ではありないこれにもかかわらず、妊娠中は局所麻酔薬の未結合割合が増加し、生理的変化によって中枢神経系への局所麻酔薬の移行が増加するため、毒性のリスクが高くなる可能性がある[22]。したがって、妊婦は、潜在的合併症を減らすために低用量の局所麻酔薬を使用することが推奨されている。

手技

局所麻酔薬は、末梢神経終末と中枢神経系との間のほぼすべての神経を遮断することができる。最も末梢的な手法は、皮膚または他の体表への局所麻酔である。大小の末梢神経を個別に麻酔する方法(末梢神経ブロック)と、解剖学的な神経束を麻酔する方法(神経叢麻酔)がある。脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔は、中枢神経系に合流する。

局麻の注入はしばしば痛みを伴う。この痛みを軽減するために、重炭酸塩による溶液の緩衝化や加温など、多くの方法を用いることができる[39]

注入手技による分類

  • 表面麻酔は、局麻のスプレー、溶液、クリームを皮膚または粘膜に塗布するもので、効果は短時間で、接触した部位に限られる。
  • 浸潤麻酔は、麻酔をかけたい組織に局麻を浸潤させるもので、表面麻酔と浸潤麻酔をあわせて(狭義の)局所麻酔という。
  • フィールドブロック(周囲浸潤麻酔)は、麻酔をかけたい部位に接するように局麻を皮下注射するものである。
  • 末梢神経ブロックは、末梢神経の近傍に局麻を注射し、その神経の支配領域を麻酔するものである。
  • 神経叢麻酔は、神経叢の近傍に局麻を注射するもので、多くの場合、意図した作用部位からの薬剤の拡散を制限する組織区画内に注射する。麻酔効果は、神経叢に由来する数本または全神経の神経支配領域に及ぶ。
  • 硬膜外麻酔は、硬膜外腔に注入される局麻で、主に脊髄神経根に作用する。注入部位と注入量により、麻酔領域は腹部または胸部の限られた領域から全身の広い領域まで様々である。
  • 脊髄くも膜下麻酔は、局麻を脳脊髄液中に注入し、通常は腰椎(腰の部分)で、脊髄神経根と脊髄の一部に作用させるもので、麻酔は通常、足から腹部または胸部に及ぶ。
  • 静脈内局所麻酔(Bierブロック)は、駆血帯(血圧計に似た器具)を用いて四肢の血液循環を遮断した後、末梢静脈に大量の局麻薬を注入する方法である。薬物は四肢の静脈系に充満し、組織内に拡散して末梢神経や神経終末を麻酔する。麻酔効果は血液循環から除外された部分に限られ、循環が回復すると速やかに消失する。
  • 体腔内の局所麻酔には、胸膜内麻酔と関節内麻酔がある。
  • 経切開(または経創)カテーテル麻酔では、切開または創傷から挿入した多孔カテーテルを、切開または創傷を閉じる際に内側から横に並べて、切開または創傷に沿って局所麻酔薬を持続的に投与する[40]

歯科に特化した技術:

Vazirani-Alkinosi法

バジラニ・アルキノシ法は、閉口下顎神経ブロックとしても知られている。下顎骨の開口制限がある患者や、咀嚼筋の痙攣である牙関緊急がある患者に主に使用される。このテクニックで麻酔される神経は、下歯槽神経、切歯神経、下顎神経、舌神経、顎舌骨神経である。

歯科用針は長さが2種類あり、短針と長針がある。バジラニ・アキノシ法は局所麻酔法であり、かなりの厚さの軟部組織に刺入する必要があるため、長針を使用する。針は下顎枝の内側境界を覆う軟組織に挿入され、下歯槽神経、舌神経、顎舌骨神経の領域に挿入される。針のベベルの位置は、下顎枝から離れ、正中線に向かっていなければならないため、非常に重要である[41]

靭帯内浸潤

靭帯内浸潤は、歯根膜注入または靭帯内注入(ILI)としても知られ、「補助的な注入の中で最も普遍的なもの」として知られている。ILIは通常、下歯槽神経ブロックの技術が不十分であるか、効果がない場合に実施される[42]。ILIは以下の目的で行われる。

  1. 単歯の麻酔
  2. 麻酔薬量低減
  3. 全身麻酔禁忌
  4. 全身的な健康問題の存在[43]

歯科患者はより少ない軟組織麻酔を好み、歯科医師はルーチンの修復処置のための従来の下歯槽神経ブロック(INAB)の投与を減らすことを目的としているため、ILIの利用は増加すると予想される[44]

注入方法。歯根膜腔は海綿状歯槽骨へのアクセスルートを提供し、麻酔薬は口腔内骨組織の自然な穿孔を介して歯髄神経に到達する[45][46]

INABに対するILIの利点:迅速な効果発現(30秒以内)、投与必要が少量(0.2~1.0mL)、しびれの範囲が限定的[47][48]、神経障害、血腫、牙関緊急/顎捻挫などの内在的リスクが低い[[49][50]、自傷的歯周組織損傷、および心血管系の障害が減少する[51][52][53]。 下顎への二次または補助麻酔としての使用は、90%以上の高い成功率が報告されている[54][55]

欠点: 一時的な歯周組織損傷のリスク、リスクの高い集団に対する細菌症や心内膜炎の可能性[56]、麻酔の成功には適切な圧力と正しい針の配置が不可欠、歯髄麻酔の持続時間が短いため、長い持続時間を必要とするいくつかの修復処置に対してはILIの使用が制限される[56]、術後の違和感、エナメル質の低形成や欠損などの未発達歯への傷害など。

手技の詳細:
  • 歯肉組織の治癒を助けるために、手術前にすべてのプラークと歯石を除去することが望ましい。
  • 注入前に、0.2%クロルヘキシジン溶液で歯肉溝を消毒する[57]
  • ILI投与の前に軟組織麻酔の投与が推奨される。これは、患者の快適性を高めるのに役立つ。
  • 針のゲージは、通常、27ゲージの短針または30ゲージの超短針が使用される[[58]
  • 針は、単根歯の場合は中根または遠位根の長軸に沿って30度の角度で、多根歯の場合は中根および遠位根に挿入される。歯根にベベルの向けると、針の先端への前進を容易にする[59]
  • 針が根と顎骨の間に到達すると、大きな抵抗が生じる。
  • 麻酔薬の注入は、1根または1部位あたり0.2mLで、20秒以上かけて行うことが推奨される。
  • 麻酔を成功させるためには、麻酔薬を加圧して投与する必要がある。また、溝から口腔内に麻酔薬が漏れないようにする必要がある。
  • 溶液を完全に沈着させるために、最低でも10~15秒間針を抜く。これは、麻酔薬の投与による圧力がかかるため、他の注射よりも時間がかかることがある。
  • 組織の白化が観察され、血管収縮剤が使用されている場合は、より顕著になることがある。これは、組織への血流が一時的に阻害されることによって起こる[59]
注射器
  • 標準的な注射器を使用することができる。
  • 靭帯内注射器は、トリガー把持装置またはクリック装置を使用してギアまたはレバーを採用することにより、機械的な利点を提供し、制御を向上させ、より容易に薬剤を沈着させるために麻酔薬カートリッジのゴム栓を押し進める力を増大させることにつながる。
  • C-CLAD(コンピューター制御の局所麻酔薬供給装置)を使用することもできる。コンピューターマイクロプロセッサを使用することで、流体力学的に麻酔薬注入を制御することができる。これにより、主観的な流量や圧力のばらつきを最小限に抑えることができる。これにより、骨または沈着の標的領域への溶液の流体力学的拡散が強化され[60][61]、組織損傷の増加なしにILI中に大量の麻酔溶液を送達することが可能になる[62][63][64]
注意点
  • ILIは、活動性の歯周病の炎症がある患者には推奨されない。
  • 5mm以上の歯根膜の喪失がある歯牙部位には、ILIを実施すべきではない。

Gow-Gates法

Gow-Gates法は、患者の口腔内の下顎に麻酔薬を投与するために使用される。口腔外および口腔内のランドマークの助けを借りて、針は外側翼突筋の挿入部の下を明確に舵取りしながら、顆状突起の口腔内側前面に注入される[65]。このテクニックに用いられる口腔外のランドマークは、耳朶の下縁、口角および顔面の側面における耳朶の角張りの部分である[65]

生物物理学的な力(上顎動脈の脈動、顎運動の筋肉機能)および重力は、翼顎腔全体を満たすための麻酔薬の拡散を助けることになる。三叉神経下顎枝の3つの口腔内感覚部およびこの領域の他の感覚神経がすべて麻酔薬に接触するため、補助的な神経を麻酔する必要性を減らすことができる[65]

下顎を麻酔する他の局所ブロック法と比較して、Gow-Gates法は下顎を完全に麻酔する上で高い成功率を持つ。ある研究では、Gow-Gates法で注射を受けた1,200人の患者のうち、完全な麻酔が得られなかったのは2人だけであった[65]

脚注

注釈

  1. ^ 2023年現在の日本では定説がない。
  2. ^ 英語版からの初訳者注: 本稿では英語版原文のconduction anesthesiaを伝達麻酔と訳出しているが、神経生理学的には伝導麻酔と訳されるべきである。少なくとも1つのシナプスを含めて麻酔作用が及ぶのが、伝達麻酔である。しかしながら日本の臨床においては伝導麻酔はあまり用いられず、伝達麻酔が頻用されている。英語版原文においては逆に伝達麻酔と記載されるべきものが伝導麻酔となっている。この状況を考慮して、以降、conduction anesthesiaは伝達麻酔と訳す。

出典

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関連項目

  • 局所麻酔
  • 麻酔薬
  • (コカイン類似化合物)(英語版)
  • (局所麻酔薬一覧)(英語版)

外部リンク

  • 日本区域麻酔学会
  • The American Society of Regional Anesthesia 米国区域麻酔学会(英語)
  • Regional Anesthesia and Pain & Medicine 学術誌: 区域麻酔と疼痛医学(英語)
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