小野 俊一（おの しゅんいち、1892年5月1日 - 1958年5月21日）は、日本の動物学者、社会運動家、ロシア文学翻訳家。
人物
東京府出身。銀行家の小野英二郎の長男。筆名は滝田陽之助。年齢を2歳偽って1912年東京帝国大学理科大学動物学科に入るが中退し、1914年ロシアのペトログラード大学自然科学科に留学。留学先で、帝政ロシア貴族の血を引く家の三女のアンナ・ブブノワと出会い、恋愛関係に落ち、ロシア革命の混乱の中結婚、アンナは音楽の教職を辞して、1918年ともに帰国した。
東京帝国大学助手、1923年から1924年まで京都帝国大学助教授、発明協会の役員となる。北海道帝国大学助教授となるが、1933年アンナとの子俊太郎が死去、1935年アンナと協議離婚し、浪子と再婚。1942年日本少国民文化協会理事長に就任。
戦後はロシア文学翻訳家。日本ロシア文学会理事、日本科学技術連盟参与も務める。主にコンスタンチン・シーモノフやアヴィーロワなどの作品を翻訳した。その際の挿絵をアンナの姉ワルワーラ・ブブノワが担当した。浪子との子に小野有五がいる[1][2]。死後、多磨霊園に葬られる[3]。
著書
- 『子孫崇拝論 附・子孫を愍む』黎明社 1924年
- 『新産業科学』平凡社 1940年
- 『大東亜ものがたり』秋月あきら絵 新潮社 改訂・日本少国民文庫 1944年
翻訳
- H・G・ウェルズ、G・P・ウェルズ、ジュリアン・ハックスレー『生命の科学』全18巻 平凡社 1930年-1936年
- コンスタンチン・シーモノフ『昼となく夜となく』(酣灯社) 1951年 のち角川文庫
- リディア・アヴィーロワ『チェーホフとの恋』滝田陽之助訳 角川文庫 1952年 未知谷 2005年