歴史
年表
- 1975年(昭和50年)8月31日:三江線の浜原駅 - 口羽駅間延伸により開業[1]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が継承[1]。
- 2009年(平成21年) 10月3日:同年11月29日までの土曜・休日に限り、449D(当駅17:32発三次行き)を15分停車とした。
- 当駅と伊賀和志駅の発車時刻、口羽駅の到着時刻をそれぞれ15分繰り下げ。
- 2018年(平成30年)
- 2019年(平成31年)
- 2021年(令和3年)4月1日:邑南町が町内の口羽駅・宇都井駅を「邑南町三江線鉄道公園」として整備[4][5]。
地名の由来
「宇都井」は「宇津井」と同語源と思われる。浜田市、下関市王喜地区に「宇津井」が見られ、「内居」の意味で、「山中のふところ」の地をいう[6]。
駅構造
三次方面に向かって左側に単式1面1線のホームを持つ高架駅((停留所))で、浜田鉄道部管理の無人駅であった。ホーム及び待合室は地上20メートルの高さにあり、地上からの高さとしては日本一であった[7]。しかし、エレベーターやエスカレーター等の昇降機設備はおろかスロープすら設置されておらず、ホームに上がるには116段の階段を上らなければならない[7]。この特異な構造から「天空の駅」と呼ばれることもあり[8]、テレビ番組でもたびたび取り上げられていた。そのため、鉄道ファンには人気の駅であった。
このような駅構造になった理由は、この場所に駅を建設することが決定したものの、山間を縫って走る線路の線形上当該部分では高架にするしかなく、地上に線路を敷設して地上駅を設置することができなかったためである[7]。
階段を上りきったところに待合室があった。廃止されるまで地元住民が定期的に掃除していたため室内は大変きれいで、ベンチには座布団も置かれていた。ただし自動券売機等の設備はない。階段下、地上部に男女共用のトイレが設置されていた。
2018年4月1日以降は埼京線北戸田駅(埼玉県戸田市)が日本一高い高架駅になり[9]、階段の段数は当駅を上回る126段である[9]。なお、北戸田駅にはエレベーター、エスカレーターが設置されている[9]。
構内(2008年7月)
待合室(2011年1月)
夜の階段棟(2011年1月)
階段棟を真下から(2017年9月)
駅全景(廃止後)
駅入口(廃止後)
利用状況
近年の1日平均乗車人員は以下の通りである。なお、1994年度は9人、1984年度は8人だった。
乗車人員推移 | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
1999 | 5 |
2000 | 2 |
2001 | 2 |
2002 | 3 |
2003 | 4 |
2004 | 4 |
2005 | 3 |
2006 | 1 |
2007 | 2 |
2008 | 0 |
2009 | 0 |
2010 | 0 |
2011 | 1 |
2012 | 0 |
2013 | 0 |
2014 | 0 |
2015 | 1 |
2016 | 1 |
2017 | 0 |
駅周辺
山の谷間に民家が点在する。三江線と交差する形で島根県道292号線が通っている。
- 島根県道292号宇都井阿須那線
- 島根県道294号邑南美郷線
- (宇都井谷川)
バス路線
その他
- 2010年から「INAKAイルミ」というイベントが行われるようになり、その際にはLED照明を使ってライトアップされる[11][12]。2018年には、最後の年越しを迎えた当駅のイルミネーションが、NHKの番組「ゆく年くる年」で放送された。廃止当日もライトアップされ、三次行き最終列車が到着した際には、惜別の花火が打ち上げられた。
- 三江線活性化協議会により、石見神楽の演目名にちなんだ「塵倫」の愛称が付けられていた。「天空の駅」と称される駅構造が、翼を生やして天空を飛びまわる鬼「塵倫」を連想させることに由来する[13]。
- トミーテックより、宇都井駅を基にしたNゲージサイズのコレクションモデルが2018年8月に発売された[14]。
隣の駅
脚注
- ^ a b c 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、333頁。ISBN (978-4-533-02980-6)。
- ^ “” (PDF). NPO法人江の川鐵道 (2019年3月12日). 2019年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月3日閲覧。
- ^ . 山陰中央新報 (山陰中央新報社). (2019年3月5日). オリジナルの2019年3月5日時点におけるアーカイブ。 2019年4月1日閲覧。
- ^ . 山陰中央新報. (2021年4月2日). オリジナルの2021年4月13日時点におけるアーカイブ。2021年4月13日閲覧。
- ^ . 読売新聞. (2020年12月18日). オリジナルの2021年4月13日時点におけるアーカイブ。2021年4月13日閲覧。
- ^ 『コンパクト版日本地名事典』、吉田茂樹著、新人物往来社、1991年
- ^ a b c 鉄道ものしり王国(編)『メッチャおもしろくて、タメになる!最強の鉄道雑学王』河出書房、2013年、182-183頁。ISBN (978-4-309-02175-1)。
- ^ 特集しまね発見鉄道旅 - 島根県広聴広報課、2015年5月4日閲覧。
- ^ a b c “”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. p. 3 (2020年7月22日). 2020年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月22日閲覧。
- ^ 邑南町. “おおなんバス時刻表”. 2021年7月30日閲覧。
- ^ INAKAイルミ@おおなん2012(邑南町雇用創造推進協議会)
- ^ INAKAでイルミネーション=島根県邑南町(時事通信 2013年4月20日閲覧)
- ^ 三江線神楽愛称駅名・大型愛称駅名板・神楽演目解説 (PDF) - 三江線活性化協議会。
- ^ “”. ジオコレ. トミーテック. 2020年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月12日閲覧。