略歴・人物
大阪府出身。大阪府立住吉中学校(旧制)進学、同級生には眉村卓がいた[1]。卒業後、同志社大学文学部国文科に進学。在学中に乙骨淑子、柴田道子、山下明生、掛川恭子らと同人誌「こだま」に参加、卒業後に創作活動に専念する。
1968年(昭和43年)、自らの太平洋戦争中の集団疎開の体験をもとに書いた処女作『ボクちゃんの戦場』(理論社)にてデビューした。この作品は1985年大澤豊の監督、前田吟や藤田弓子ら出演で映画化された[2]。
1988年『この心さわぐ冒険、愛』(ほるぷ出版)が第35回産経児童出版文化賞の「推薦」に選ばれた[3]。
1993年(平成5年)『いやしんぼ』(理論社)がNHKによって「包丁いっぽん~夢見てますか~」というタイトルでテレビドラマ化されている(主演・萩原聖人)。
そのほかの作品に『中学時代』、『続いていた青い空』、『夏時間』戦後三部作をはじめ、『少年の時』、『ピースボートの夏』などの多数の著書・エッセイ・翻訳がある。なお、主要著作は『奥田継夫ベストコレクション』(ポプラ社・全10巻)に収められている。
著書
- 創作
- 『ボクちゃんの戦場』(しらいみのる)絵 理論社 1969年
- 『中学時代 男女共学第1期生』(鈴木琢磨)絵 講談社 1973年 ※のちに文庫化
- 『日付のないLove Letters』理論社 1974年
- 『かげぼうしがきえるとき』永田力絵 大日本図書 1975年
- 『影ぼうしはどこへ行った?』すばる書房盛光社 1975年
- 『魔法おしえます』米倉斉加年絵 偕成社 1975年
- 『泳ぐ夏休み』東君平絵 アリス館牧新社 1976年
- 『夏時間』(山口幸平)絵 偕成社 1976年
- 『続いていた青い空』司修絵 PHP研究所 1976年
- 『とりだす魚』長新太, 司修,(吉田たろう)絵 PHP研究所 1977年
- 『星にいったパイプじいさん』井上洋介絵 ポプラ社 1978年
- 『あまがささかさま』(粟津謙太郎)絵 編集工房ノア 手のひら文庫 1979年
- 『海の時間のまま』(国井節)絵 ポプラ社 1979年
- 『はだかんぼうがふたり おとなっていいなあこどもっていいなあ』(関屋敏隆)絵 サンリード 1979
- 『おかえりなさいおとうさん』(小野千世)絵 PHP研究所 1980年
- 『さかな石ゆうれいばなし 楽語』関屋敏隆画 岩崎書店 1980年
- 『さくらさん、おばあさんになる』米倉斉加年絵 冬樹社 1980年
- 『少年の時』山口幸平画 小学館 1981年
- 『そんなことって、ある?』西村繁男絵 サンリード 1981年
- 『ぼうしのなかの女の子ぼうしのなかの男の子』鴨居羊子絵 旺文社 1981年
- 『赤いかささーしてた女の子』(遠藤てるよ)絵 あかね書房 1982年
- 『いじっぱりっ子なみだっ子』(奈良坂智子)絵 ポプラ社 1982年
- 『いやしんぼ』田島征三絵 理論社 1982
- 『イルカのおよぐ日』かみやしん絵 国土社 1982年
- 『おじいちゃんとあくしゅ』かみやしん絵 あかね書房 1982年
- 『かがみよかがみ…』長新太絵 サンリード 1982年
- 『三角の部屋』太田大八絵 ほるぷ出版 1982年
- 『清水一郎のふしぎな話』片山健絵 (佑学社) 1982年
- 『手品でございます』藤田龍児ほか絵 学校図書 1982年
- 『はいたつされたふしぎなじゅもん』かすや昌宏絵 大日本図書 1982年
- 『おばあちゃんのスイート・ポテト』小沢良吉絵 金の星社 1983年
- 『お母ちゃんお母ちゃーんむかえにきて 集団疎開の絵本』梶山俊夫絵 小峰書店 日本のえほん 1985年
- 『クリスマス急行』小沢摩純絵 ほるぷ出版 1986年
- 『あさ子ちゃん、さようならあさ子ちゃん、こんにちは』(梅田俊作)絵 岩崎書店 1987
- 『おかあちゃんきてください』関屋敏隆絵 くもん出版 1987年
- 『くつくつさいた花さいた』奈良坂智子絵 (教育画劇) スピカの幼年どうわ 1987年
- 『この心さわぐ冒険、愛』ほるぷ出版 1987年
- 『魔女シャーホ』小沢摩純絵 佼成出版社 1987年
- 『サンドイッチは夢のとき』(浜田洋子)絵 くもん出版 1989年
- 『はらぺこホットケーキ・ソング』(宮崎博和)絵 国土社 1989年
- 『ゆめがとびだしたケーキ』小沢摩純絵 佼成出版社 1989年
- 『ヒツジくんのカレー』(佐々木麻こ)絵 岩崎書店 1992年
- 『先生志願』岩崎書店 ヤング・アダルト文庫 1993年
- 『いのちをうばった神さま』宮崎博和絵 大日本図書 こわい話ふしぎな話 1994年
- 『おじいさんの奇妙な旅』磯田和一絵 大日本図書 こわい話ふしぎな話 1994年
- 『鬼の子太郎』(太田大輔)絵 大日本図書 こわい話ふしぎな話 1994年
- 『きえていく時間』味戸ケイコ絵 大日本図書 こわい話ふしぎな話 1994年
- 『島太郎へんしん』太田大八絵 大日本図書 こわい話ふしぎな話 1994年
- 『死んだスーパーマン』久住卓也絵 大日本図書 こわい話ふしぎな話 1994年
- 『つりギツネをつった男』(二俣英五郎)絵 大日本図書 こわい話ふしぎな話 1994年
- 『扉をあけるとふしぎな世界』浜田洋子絵 大日本図書 こわい話ふしぎな話 1994年
- 『ねずみとかめのふしぎな時間』佐々木麻こ絵 大日本図書 こわい話ふしぎな話 1994年
- 『墓場のあかちゃん』関屋敏隆絵 大日本図書 こわい話ふしぎな話 1994年
- 「奥田継夫ベストコレクション」ポプラ社 2001年-2002年
- 影ぼうしはどこへ行った?
- 夏時間
- 中学時代
- ボクちゃんの戦場
- いやしんぼ
- 海の時間のまま
- この心さわぐ冒険、愛
- こわい話・ふしぎな話
- 少年の時
- 先生志願
- 『お正月さん』太田大八絵 ポプラ社 絵本の時間 2003年
- 『お父さんのeメール』ポプラ社 2004年
- 『スマトラ愛ストーリー』ポプラ社 2005年
- 『どこでねるの』岩村和朗絵 チャイルド本社 はじめましてのえほん 2007年
- 評論・エッセイ
- 『絵本部屋にて』編集工房ノア 1978年
- 『子どもが大人になるとき』晶文社 1981年
- 『ティータイムには童話をどうぞ』国土社 1982年
- 『子どもの色、空の色』人文書院 1983年
- 『君たちは性をどう考えるか』筑摩書房 ちくま少年図書館 1984年
- 『かきく毛考さしす世相』北宋社 1986年
- 『酒の肴があれば、呑むことにしよう』編集工房ノア 1986年
- 『ピースボートの夏 ぼくの東南アジア航海記』ほるぷ出版 1988年
- 『映画に出演した少年たち 「ぼくちゃんの戦場」の戦場』ほるぷ出版 1990年
- 『少年の性』大月書店 1990年
- 『世界にも学童疎開があった』日本機関紙出版センター (発売) 1990年
- 『どこかで鬼の話 鬼の本をよみとく』人文書院 1990年
- 『親にも読ませたい子どもの本ガイド』大月書店 国民文庫 1991年
- 『世界映画ライブラリー』全2冊 大月書店 国民文庫 1991-92年
- 『食べて歩いてやっと旅人らしく』三一書房 1998年 『五〇歳からの自由旅行』新潮OH!文庫
- 『シリーズ映画で考える』全3巻 ポプラ社、2001年
- 1『映画で考える学校・家族』
- 2『映画で考える青春・恋・性』
- 3『映画で考える戦争』
- 『浪花のいやしんぼ語源自典』東方出版 2001年
- 『大人も読みたい子どもの絵本』大月書店 2006年
- 『語源で探るユダヤ・キリストの逆コード』彩流社 2006年
- 『魅せられてインド陰陽紀行』彩流社 2009年
- 『徐福紀行 魅せられて中国、食彩と歴史空間』彩流社 2012年
翻訳
- アーノルド・ローベル『いえのなかを外へつれだしたおじいさん』アリス館牧新社 1976年
- ハンス・ピーターソン文 スベン・オットー絵『おじいちゃんにあいに』木村由利子共訳 アリス館牧新社 1976年
- レンナート・ヘルシング文 スベン・オット絵『かぼちゃひこうせんぷっくらこ』木村由利子共訳 アリス館牧新社 1976年
- エドリアン・アダムズ『魔女たちのあさ』アリス館牧新社 1977年
- フランス・ファン・アンローイ文 ヤープ・トウル絵『マリアンの海』アリス館牧新社 1978年
- スベン・オットー『タクシーのすきな犬』木村由利子共訳 評論社 1979年
- ルース・ボーンスタイン『ちいさいちいさいぞうのゆめ・・・です』ほるぷ出版 1979年
- ルース・ボーンスタイン『ちいさないぬのゆめ・・・でした』ほるぷ出版 1981年
- スベン・オットー『ティムとトリーネ』木村由利子共訳 評論社 1979年
- スベン・オットー『マスとミラリク グリーンランドの絵本』木村由利子共訳 評論社 1979年
- スベン・オットー『クリスマスの絵本』木村由利子共訳 評論社 1980年
- グン・ヤコブソン『ペーターの赤ちゃん』(ケイコ・コックム)共訳 国井節絵 ポプラ社 文学の館 1980年
- グン・ヤコブソン『ペーターと女友達』ケイコ・コックム共訳 国井節絵 ポプラ社 1981年
- マリー・ブランド『三びきのかなしいトロル』木村由利子共訳 岩崎書店 1981年
- ロンゾ・アンダーソン作 エイドリアン・アダムズ絵『魔女たちのパーティ』佑学社 アメリカ創作絵本シリーズ 1981
- グンネル・リンデ『ママたちとパパたちと』木村由利子共訳 冨山房 1981年
- ハンス・ハンセン『リトル・セックス』木村由利子共訳 晶文社 ダウンタウン・ブックス 1981年
- マリー・ブランド『おねぼうニコライ』木村由利子共訳 岩崎書店 1982年
- ニルス・ベルイクヴィスト『結婚ごっこ』木村由利子共訳 晶文社 ダウンタウン・ブックス 1982年
- グンネル・リンデ『(ひみつの白い石)』木村由利子共訳 冨山房 1982年
- フランス・ベアリナー作 フルール・ブロフォス・アスムセン絵『白くまマリヌス』木村由利子共訳 大日本図書 1982年
- ニルス・イェンセン『荒野に生きる詩』木村由利子共訳 鈴木康司画 (篠崎書林) 1983年
- アンニカ・ホルム作 トーモズ・キッデ絵『誕生日の青い自転車』木村由利子共訳 大日本図書 1984年
- レンナルト・ヘルシング再話 イブ・スパング・オルセン絵『トンチンカンばあさん』ほるぷ出版 1984年
- フランス・ファン・アンローイ文 ヤープ・トウル絵『マリアンの海』アリス館 1986年
- リチャード・スキャリー「スキャリーおじさんのだいすきシリーズ」ブックローン出版
- スニッフはたんていだいすき」1989年
- スモーキーはしょうぼうだいすき」1989年
- ドクターふうふはびょういんだいすき」1989年
- ハリーとラリーはりょうしがだいすき」1989年
- パトリックふうふはおひゃくしょうだいすき』1989年
- フランシスはしゅうぜんだいすき』1989
- マイケル・フォアマン『ウォー・ボーイ 少年は最前線の村で大きくなった。』ほるぷ出版 1992年
- リチャード・スキャリー「せかいいち」シリーズ ブックローン出版 1996年
- せかいいちいそがしいぶたのしょうぼうし
- せかいいちおいしいバナナ・スープ
- せかいいちさわがしいかばのヒルダさん
- せかいいちどじなぶたのフランブルさん
- せかいいちはらぺこな3にんぐみ
- せかいいちゆかいなとうさんねこのたんじょうび
- R.スキャリー『スキャリーおじさんのにぎやかなビジータウン』BL出版 1999年