変なホテル(へんなホテル、英称:Henn na Hotel)は、エイチ・アイ・エス (H.I.S.) グループが展開するホテル。2015年(平成27年)7月17日に長崎県佐世保市ハウステンボスに1号店がオープンし、以後全国に展開している。
変なホテル ハウステンボス | |
---|---|
| |
ホテル概要 | |
正式名称 | 変なホテル ハウステンボス |
ホテルチェーン | H.I.S.ホテルホールディングス |
デベロッパー | ハウステンボス |
設計 | 東京大学生産技術研究所・鹿島建設 |
運営 | H.I.S.ホテルホールディングス |
所有者 | ハウステンボス |
階数 | 1 - 2階 |
部屋数 | 200室 |
開業 | 2015年7月17日 |
最寄駅 | ハウステンボス駅 |
最寄IC | 東そのぎIC・佐世保大塔IC |
所在地 | 〒859-3243 長崎県佐世保市ハウステンボス町 |
位置 | 北緯33度5分25.34秒 東経129度47分16.04秒 / 北緯33.0903722度 東経129.7877889度座標: 北緯33度5分25.34秒 東経129度47分16.04秒 / 北緯33.0903722度 東経129.7877889度 |
公式サイト | (日本語) 公式サイト |
「変なホテル」の「変な」とは「奇妙な」という意味ではなく、「変わり続けることを約束する」という意味である[1]。
概要
H.I.S.創業者でハウステンボス社長の澤田秀雄の肝いりで発足した「スマートホテルプロジェクト」の一環で誕生したホテル[2]で、「滞在時の快適性」と「世界最高水準の生産性」を両立するローコストホテルを目指して建設された[3]。2017年3月に2号店「変なホテル 舞浜東京ベイ」、8月に3号店「変なホテル ラグーナテンボス」とテーマパーク周辺に相次いで開業したあと、大都市圏中心に新規店舗の展開を進めている。2021年10月時点で21店舗の運営をしている。
最大の特徴は、生産性の向上(人件費の削減)を目的に、フロント業務や荷物運びなど、これまで人が担っていた業務のほとんどをロボットに任せていることで、「世界初のロボットホテル」としてギネス世界記録認定を受けた[4]。ロボットは女性姿のもの、恐竜型、人形型、ポーターロボット、卓上ロボットなど館内に約80台を配備し、人間の従業員はベッドメークや監視カメラ要員など十数人のみ。人件費を抑えることでローコストでの宿泊価格を提供している[5]。ロボット導入の他にも、顔認証システムでキーレス滞在を実現[6]し、客室内の設備は設置されたタブレットで一括操作ができる[7]。
- 変なホテル ハウステンボス
スマートホテルプロジェクトには東京大学生産技術研究所の川添善行研究室[8]と鹿島建設が関与している。
2016年3月には2期棟として72室を増築したが、客室稼働率は毎月100%近い値を出している[9]。さらに、2018年12月には3期棟「サウスアーム」が増築され、全200室となった。
一般的な宿泊特化のホテルだと売上高から人件費などを引いた運営利益率(営業利益率)が30%前後であるのに対し、変なホテルは倍近い運営利益率をはじき出す高生産性を残している[10]。また、人件費の圧縮だけではなく、ハウステンボスで実証実験を行った再生可能エネルギーのノウハウを活用して、水道・光熱費のコストカットも行っている[10]。
2017年8月時点で稼働しているロボットは27種類、233体に増加し、人間のスタッフは30人から7人に減っている[4]。しかし、ロボット技術の進歩による陳腐化および機能的な限界によるサービス低下の影響から、ロボットは2018年時点で15種類まで減少した[11][12]。
2018年5月1日、同ホテル内に顔登録で入店できるキャッシュレスの無人コンビニをオープンした[13]。
H.I.S.ホテルホールディングス
変なホテル大阪心斎橋 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | HHH |
本社所在地 | 日本 〒163-6029 東京都新宿区西新宿6-8-1 新宿オークタワー29階 |
本店所在地 | 〒163-6029 東京都新宿区西新宿6-8-1 新宿オークタワー29階 |
設立 | 2016年11月1日 |
業種 | (サービス業) |
事業内容 | ホテル事業 |
代表者 | 代表取締役社長 (岩間雄二) |
資本金 | 10,000,000円 |
決算期 | 9月30日 |
主要株主 | 株式会社エイチ・アイ・エス 100% |
外部リンク | https://www.hishotelgroup.com/ |
H.I.S.ホテルホールディングス株式会社(H.I.S. Hotel Holdings Co.,Ltd)は、H.I.S.グループのホテルを運営する企業。
当初はハウステンボスが直接運営する「変なホテル ハウステンボス」以外の「変なホテル」の展開のみを手がけていたが、2017年9月1日付でH.I.S.本体が有していたホテル事業部門を簡易吸収分割により承継し、H.I.S.グループのホテル事業全体を統轄する会社となった[14]。
沿革
脚注
- ^ 岡村繁雄 (2018年3月6日). “"変なホテル"が生産性4倍を実現した理由”. PRESIDENT Online. p. 3. 2018年3月20日閲覧。
- ^ a b 平松さわみ (2015年1月31日). “ハウステンボス、「変なホテル」に秘めた野望”. 東洋経済オンライン. 2016年6月24日閲覧。
- ^ 大江岳世志「スマートホテルプロジェクトについて —世界初のローコストホテル2015年7月第一期開業—」『日本ロボット学会誌』第34巻第5号、2016年、316-319頁、doi:10.7210/jrsj.34.316。
- ^ a b 岡村繁雄 (2018年3月6日). “"変なホテル"が生産性4倍を実現した理由”. PRESIDENT Online. p. 1. 2018年3月20日閲覧。
- ^ . 毎日新聞 (毎日新聞社). (2015年7月15日). オリジナルの2015年7月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ “最先端のおもてなし?「変なホテル」登場”. elthe (2015年7月17日). 2016年6月24日閲覧。
- ^ News Center Japan (2015年6月22日). “ハウステンボスの「変なホテル」の全客室に Windows タブレットと Skype for Business Online を採用”. マイクロソフト. 2016年6月24日閲覧。
- ^ 山田祥平 (2015年7月17日). “ロボットがフロントやベルマンを務める「変なホテル」がハウステンボスにオープン”. インプレス. 2016年6月24日閲覧。
- ^ 山沢義徳 (2016年9月3日). “客室稼働率100%! ロボット〝182人〟が活躍する変なホテルが大人気 世界に100店舗展開へ (2/5)ページ”. 産経新聞. 2017年9月22日閲覧。
- ^ a b 岡村繁雄 (2018年3月6日). “"変なホテル"が生産性4倍を実現した理由”. PRESIDENT Online. p. 2. 2018年3月20日閲覧。
- ^ “「変なホテル」“脱ロボ”化の異変、ハウステンボスの目論見”. ニュースイッチ (2019年1月12日). 2019年1月21日閲覧。
- ^ “奇抜さで注目集めた日本のロボットホテル、ロボット従業員の半数が「解雇」されていたって?”. @niftyニュース. サーチナ (2019年1月17日). 2019年1月21日閲覧。
- ^ ハウステンボス「変なホテル」に無人コンビニがオープン--顔登録で入店、キャッシュレスで - CNET Japan
- ^ (PDF)『H.I.S.ホテルホールディングス株式会社との会社分割(簡易吸収分割)契約締結に関するお知らせ』(プレスリリース)株式会社エイチ・アイ・エス、2017年7月28日2018年1月27日閲覧。 。
- ^ “ロボットが対応する「変なホテル」、報道陣に公開”. StartHome. KINGSOFT JAPAN (2015年7月16日). 2015年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月28日閲覧。
- ^ 湯地正裕 (2015年7月16日). “ロボットが接客…ハウステンボスに「変なホテル」”. 朝日新聞. 2016年6月24日閲覧。
外部リンク
- 変なホテル グループサイト
- 変なホテル ハウステンボス