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向ヶ丘遊園駅

向ヶ丘遊園駅(むこうがおかゆうえんえき)は、神奈川県川崎市多摩区登戸にある、小田急電鉄小田原線である。駅番号OH 19

向ヶ丘遊園駅
リニューアル後の南口(2019年5月5日撮影)
むこうがおかゆうえん
Mukogaoka-yuen
OH 18 登戸 (0.6 km)
(2.1 km) 生田 OH 20
所在地 川崎市多摩区登戸2098番地
北緯35度37分3.15秒 東経139度33分53.39秒 / 北緯35.6175417度 東経139.5648306度 / 35.6175417; 139.5648306座標: 北緯35度37分3.15秒 東経139度33分53.39秒 / 北緯35.6175417度 東経139.5648306度 / 35.6175417; 139.5648306
駅番号 OH19
所属事業者 小田急電鉄
所属路線 小田原線
キロ程 15.8 km(新宿起点)
駅構造 地上駅
(ホーム) 2面4線
乗降人員
-統計年度-
45,891人/日
-2021年-
開業年月日 1927年昭和2年)4月1日
* 1955年(昭和30年)4月1日に「稲田登戸駅」より改称。
(テンプレートを表示)
向ヶ丘遊園駅
むこうがおかゆうえん
Mukogaoka-yuen
所属事業者 小田急電鉄
所属路線 向ヶ丘遊園モノレール線
キロ程 0.0 km(向ヶ丘遊園起点)
駅構造 高架駅
(ホーム) 1面1線
開業年月日 1966年(昭和41年)4月23日
廃止年月日 2001年平成13年)2月1日*
*2000年(平成12年)2月13日より休止
(テンプレートを表示)
北口(2021年5月11日)
リニューアル前の南口駅舎(2007年1月)

周辺地域は「ゆうえん」の略称で呼ばれることもある。かつては向ヶ丘遊園モノレール線が接続していた。

歴史

  • 1927年昭和2年)
    • 4月1日 - 稲田登戸駅(いなだのぼりとえき)として開業。各駅停車と「直通」の停車駅となる。なお、各駅停車は新宿駅 - 当駅間の運行であり、当駅から小田原駅までは「直通」のみが運行された。
    • 6月14日 - 向ヶ丘遊園との間に(豆汽車)が開業。
    • 10月15日 - (急行)が設定され、停車駅となる。
  • 1938年(昭和13年)10月1日 - 橘樹郡稲田町川崎市と合併し、稲田登戸駅は川崎市内の駅となる。
  • 1944年(昭和19年)11月 - 太平洋戦争の戦況悪化に伴い、急行の運行が中止される。
  • 1945年(昭和20年)6月 - 従来、新宿駅 - 稲田登戸駅間のみの運行の各駅停車が全線で運行されることとなり、「直通」が廃止される。
  • 1946年(昭和21年)10月1日 - (準急)が設定され、停車駅となる。
  • 1948年(昭和23年)9月 - 桜準急が設定され、停車駅となる。
  • 1952年(昭和27年)12月 - 急行の停車駅となる。
  • 1955年(昭和30年)
    • 3月25日 - 通勤急行が設定され、停車駅となる。
    • 4月1日 - 向ヶ丘遊園駅に改称。
  • 1957年(昭和32年) - 夏季のみ運行の「快速急行」[注 1]が設定され、停車駅となる。
  • 1960年(昭和35年)3月25日 - 通勤準急が設定され、停車駅となる。
  • 1964年(昭和39年)11月5日 - 快速準急が設定され、停車駅となる。
  • 1965年(昭和40年) 向ヶ丘遊園との間の豆汽車が廃止。
  • 1966年(昭和41年)
  • 1972年(昭和47年)4月1日 - 川崎市の政令指定都市移行により多摩区が設置され、当駅は区役所の最寄り駅となる。
  • 2000年平成12年)2月13日 - 向ヶ丘遊園モノレールの全線が休止。
  • 2001年(平成13年)2月1日 - 向ヶ丘遊園モノレールの全線が廃止[1][2][3]
  • 2002年(平成14年)
  • 2004年(平成16年)12月11日 - 「(区間準急)」が設定され、停車駅となる[6]。湘南急行は当駅を通過する快速急行の設定にともない廃止[6]
  • 2011年(平成23年)9月2日 - 接近メロディ使用開始[7]
  • 2014年(平成26年)1月駅ナンバリングが導入され、使用を開始[8]
  • 2014年(平成26年)10月30日 - 正午ころ、西側に南北自由通路が完成し、供用開始[9]。同時に向ヶ丘遊園1号踏切の供用終了。
  • 2016年(平成28年)3月26日 - 日中時間帯の多摩急行が急行として運転されるようになり、東京メトロ千代田線、JR常磐線への直通列車が日中も停車するようになる。また、平日の夕方から夜間にかけて、東京メトロ千代田線に直通する準急が1時間1本程度設定され、平日の夕方時間帯も東京メトロ千代田線との直通列車が停車するようになる。区間準急が廃止される[10]
  • 2018年(平成30年)3月17日 - ダイヤ改正により、特急列車は全列車が通過になる。また、新設される通勤急行の停車駅となる。下り準急は平日の夕方ラッシュ時間帯のみ運転となる[11]
  • 2019年(平成31年)4月1日 - 「ナチュラル・レトロモダン」をコンセプトとしてリニューアルされた南口駅舎が供用開始[12]
  • 2020年令和2年)4月1日 - 北口駅舎がリニューアル[13]

駅名の由来

現行の駅名である「向ヶ丘遊園」は、最寄駅であった遊園地向ヶ丘遊園」の知名度を上げるために、それまでの「稲田登戸」から改称されたもの。向ヶ丘遊園は2002年に閉園となり現存しないが、定着した駅名は変更されずに現在に至る。なお、元となった向ヶ丘(むかいがおか)は本来、当駅付近ではなくより南東側の地域を指す地名である(詳細は「向ヶ丘 (川崎市)」を参照)。

また、旧駅名である「稲田登戸」(いなだのぼりと)は、この駅が開業当時、稲田村大字登戸に設置されたことによる。なお稲田村(後に稲田町)は1938年に川崎市に編入された。

駅構造


向ヶ丘遊園駅
配線図
(凡例)
登戸駅
4 3 2 1


     
     
 
   
     
     
     

生田駅

島式ホーム2面4線を有する地上駅で、待避が可能である。駅の小田原寄りに引き上げ線があり、折り返し列車が存在する。この引き上げ線から直進すると急行線の3番ホーム、引き上げ線から左に分岐すると緩行線の4番ホームである。上り本線からは直進すると引き上げ線から4番ホーム線に向かう線路に合流し、右に分岐すると引き上げ線から3番ホームに向かう線路に合流するという構造である。この構造により、上り列車が3番ホームに進入する際には、分岐器の速度制限を受けるため、当駅に停車しない特急ロマンスカー・(快速急行)は低速で通過する。

2009年3月に、東北沢 - 和泉多摩川複々線工事の関連として隣の登戸駅との間で、輸送力増強のため上り線を2線に線増する3線化を完了した[3]。この3線化は、「上り線においては複々線と同じ効果がある」と広報されている。完成後、上り列車は上述した当駅手前の分岐器で急行線(3番ホーム)と緩行線(4番ホーム)に振り分けられ、一部列車を除いて緩急接続は隣の登戸駅で実施するようになった[3]

これに先立って2007年9月8日から9月9日まで登戸駅 - 当駅間で線路切り替え工事が行われた[3]。これによって下り線ホームの一部位置が変更になり、ホームの形状も改変されたところがある[3]

駅舎は北口と南口の2つがある。北口駅舎は歴史的建造物に値するギャンブレル屋根の駅舎であり、開業当初の新原町田駅(現・町田駅)・本厚木駅・大秦野駅(現・秦野駅)・新松田駅と同一の型のものである。また、現駅舎の柱や梁には廃材となったレールが多用されている[14]

2001年に廃止された向ヶ丘遊園モノレール線の駅は、小田原線の駅とは独立した施設で、南口のロータリーを挟んだ道路中央部に位置していた。ホームは単式1面1線の高架駅で、地上のモノレール駅舎(改札・窓口)との間は屋根のない階段で連絡していた。廃止後の駅跡地は駐輪場(向ヶ丘遊園駅周辺自転車等駐車場第9施設)となっている。

のりば

ホーム 路線 方向 線路 行先
1・2   小田原線 下り 小田原片瀬江ノ島方面
3 上り 急行線 新宿  千代田線方面
4 緩行線

※下りの東北沢 - 登戸間、上りの当駅 - 東北沢間の急行線・緩行線は原則として以下の通り使い分けられている。

〔急行線〕
特急ロマンスカー・快速急行・通勤急行・急行が使用する。成城学園前駅 - 経堂駅間の通勤準急も使用する。
〔緩行線〕
準急[注 2]各駅停車[注 2]が使用する。通勤準急も上記以外の区間で使用するほか、上りの 登戸 - 当駅間で特急ロマンスカー・快速急行の待避を受ける急行も使用する[注 3]

2016年3月25日まで、東京メトロ千代田線JR常磐線方面の直通列車は、日中多摩急行として1時間に2本(30分間隔)運転されており、当駅を通過していた。平日の朝ラッシュ時のみ急行として運転され当駅に停車していた。翌26日の改正より、千代田線直通は日中にも運転され、間隔が1時間3本(20分間隔)に増え、当駅と経堂駅に停車するようになった。朝ラッシュ時は引き続き経堂駅を通過する。また、千代田線と本厚木駅を結ぶ準急が運転されるようになった。この他、平日ダイヤの上り本厚木始発準急我孫子行き1本は、当駅において始発の各駅停車経堂行き(経堂駅から準急新宿行き)に接続する。

2004年12月11日のダイヤ改正で快速急行が設定されてから、上記のダイヤ改正までの間、日中の速達列車は急行が1時間4本のみの停車で、しかも多摩急行が走る時は約20分開くなど、利便性が低下していた(それまでは湘南急行が停車していたが快速急行に置き換えられ、多摩急行がその補完列車となったが当駅は通過していた)。この改正以降、1時間6本停車になっている。

当駅以西(相模大野・本厚木・伊勢原方面)の準急列車は平日の夕方ラッシュ時間帯のみで、土休日ダイヤの準急は当駅までの運転となっている。

下り線の2線化区間は登戸駅で終端となっているため、下りは1番ホームが待避ホーム、2番ホームが主本線となっている。これにより、急行・各駅停車の一部は特急ロマンスカーの通過待ちのため、1番ホームに入線する。一方、当駅 - 登戸駅間の上り線2線化前は4番ホームは待避線であったが、線形を引き上げ線から3番ホーム、上り本線から4番ホームへ直進で入る様に変更され、朝ラッシュ時は3番ホームから各停(主に始発)、4番ホームから急行という形で干渉しないように交互発着を実施する場合も多かった。

1番ホーム・4番ホームに8両編成がそれぞれ夜間留置される。

駅改札内設備

 
ホーム(2017年6月)
  • 各駅舎・各ホームを連絡する跨線橋がある。改札外には小田原側に2014年10月30日から南北をつなぐ地下連絡通路が供用開始された。
  • 空調つき待合室が各ホーム小田原側にある。
  • ホームにはベンチが多く設置されている。
  • トイレは橋上南口側にある。
  • エレベーターは4基あり、1階にある北口駅舎・南口駅舎・上りホーム・下りホームと跨線橋を連絡する。
  • エスカレーターは設置されていない。
  • これまでホーム内に存在していた 「(OX SHOP)」と「箱根そば」は2010年6月までにすべて廃止され、ホーム上の売店の代わりとして自動販売機が設置されている(下り線にはそれまで売店で取り扱っていた品物のうち、特に売れ行きの良かった品物のみを販売する自販機や、新聞専用の自販機も併設。なお新聞専用の自販機は後に撤去)。

なお、売店は南北両改札口のそれぞれ外にショップ形式の売店が設置されており、立ち食いそば店も既存店舗(南口マルシェ内)に統合する格好で拡幅されている(ホーム上からは有人店舗の類がすべて廃止されたが、その分改札外の設備が充実されている)。

接近メロディ

2011年9月3日に多摩区内に藤子・F・不二雄ミュージアムが開館するのを記念して、同日からミュージアム最寄駅である当駅と登戸駅の駅自動放送藤子・F・不二雄原作アニメ作品主題歌のオルゴール調(接近メロディ)を採用した。上りホームは『ドラえもん』主題歌「ドラえもんのうた」、下りホームは『キテレツ大百科』主題歌「はじめてのチュウ」である[7]。これは小田急では『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の楽曲を採用した祖師ヶ谷大蔵駅いきものがかりの楽曲を採用した海老名駅本厚木駅に次いで3例目となる。

利用状況

2021年度の1日平均乗降人員45,891人である[15]。小田急電鉄全70駅中第19位。乗り換え路線のない駅では急行通過駅である鶴川駅より少ないが、特急停車駅である伊勢原駅秦野駅よりは多い。

近年の1日平均乗降・乗車人員の推移は下表の通り。

年度別1日平均乗降・乗車人員[16]
年度 1日平均
乗降人員[17]
1日平均
乗車人員[18]
出典
1928年(昭和03年) 988[注 4]
1930年(昭和05年) 977
1935年(昭和10年) 1,132
1940年(昭和15年) 2,968
1946年(昭和21年) 6,549
1950年(昭和25年) 6,363
1955年(昭和30年) 10,152
1960年(昭和35年) 15,895
1965年(昭和40年) 37,403
1970年(昭和45年) 48,620
1975年(昭和50年) 60,041
1980年(昭和55年) 63,871
1985年(昭和60年) 63,034
1990年(平成02年) 70,457
1991年(平成03年) 71,254[注 5]
1995年(平成07年) 67,963 33,592 [* 1]
1996年(平成08年) 33,154
1997年(平成09年) 33,372
1998年(平成10年) 33,174 [* 2]
1999年(平成11年) 32,594 [* 3]
2000年(平成12年) 63,106 31,978 [* 3]
2001年(平成13年) 32,054 [* 4]
2002年(平成14年) 61,640 31,066 [* 5]
2003年(平成15年) 61,365 30,960 [* 6]
2004年(平成16年) 61,424 30,912 [* 7]
2005年(平成17年) 60,741 30,483 [* 8]
2006年(平成18年) 60,622 30,397 [* 9]
2007年(平成19年) 62,463 31,300 [* 10]
2008年(平成20年) 64,306 32,238 [* 11]
2009年(平成21年) 64,166 32,140 [* 12]
2010年(平成22年) 64,199 32,148 [* 13]
2011年(平成23年) 64,180 32,110 [* 14]
2012年(平成24年) 64,385 32,194 [* 15]
2013年(平成25年) 65,515 32,767 [* 16]
2014年(平成26年) 64,411 32,204 [* 17]
2015年(平成27年) 65,774 32,901 [* 18]
2016年(平成28年) 66,684 33,318 [* 19]
2017年(平成29年) 67,522 33,719 [* 20]
2018年(平成30年) 67,518 33,770 [* 21]
2019年(令和元年) 67,384 33,706 [* 22]
2020年(令和02年) 41,442 20,757 [* 23]
2021年(令和03年) 45,891

駅周辺

北口

江戸時代に津久井街道の宿場として発展した登戸地域(旧稲田町)の中心地域であり、現在でも川崎市多摩区の行政中心地として各種公共機関が立地している。JR南武線を挟んで北側に多摩川が流れ、比較的平坦な地形で、かつては梨園(下記参照)などが広がる農村地域だったが、高度経済成長以降は人口が急増し、現在では駅から離れた場所でも住宅地の方が多くなっている。

2021年まで駅の改札口を背にすると、西側(左斜め)に向かって登栄会商店街が延び、当駅を起点とする小田急バスはこの通りを行き来していた。2022年4月現在は後述の区画整理に伴い、商店街の店舗が徐々に取り壊されており、新たな道路の開通によって小田急バスの運行経路も変更されている。この通りの先、津久井道の旧道(現在は市道)を渡った所に多摩区総合庁舎(区役所)があり、県道世田谷町田線(津久井道)と直交する。世田谷町田線を南西方向に進むと登戸郵便局、多摩警察署、多摩消防署が立地する。世田谷町田線を渡った北側には神道系の新宗教である丸山教の本部がある。丸山教は当駅の設立の際に土地を提供するなどの貢献があったこともあり、当駅の北口にある売店が同教系列で運営されていた[19]

一方、北東側(右斜め)に向かって中央銀座商店街が延び、同商店街は津久井道の旧道と合流し、登戸駅の東通り商店街につながっていたが、こちらも後述の区画整理によって姿を消している。

向ヶ丘遊園駅北口地区では登戸駅西口地域と一体となって1988年から「登戸土地区画整理事業」が行われており、出口右側(北側)に仮設バス乗り場が、左側はタクシー乗り場および、駐輪場と駅西側の踏切へ通じる細い道路がある。かつては出口左手にバス乗り場・タクシー乗り場があり、用地が狭くバスが転回できないため電動のターンテーブルで方向転換していたが、2006年7月に廃止されて出口右手の仮設バス乗り場に移転した。9月ごろには、ターンテーブルを撤去してタクシー専用乗り場として整備された。一方、右手にはマルシェがありコンビニエンスストア飲食店などが入居していたが、同事業に基づいて撤去され、23階建て高層マンション「アトラスタワー」が建設された。同駅周辺ではこれが最も高い建築物で、仮設バス乗り場は周囲の緑地部分および駅前バス広場の予定地を流用している。同マンションの1階には東急ストアが進出し、北口地域では最大の商業施設となっている。

ただし、計画決定が上記の通り1988年、懇談会で土地区画整理方式の採用を決定したのは1981年と既に30年以上が経過しているが、この区画整理事業は依然として難航し、完成の目処は立っておらず、これは同地域での大規模商業施設進出や交通環境の改善を阻み、集客力で新百合ヶ丘駅周辺地域に劣る悪循環を招いている。川崎市が公表した資料によると、2012年12月31日時点での整理後の土地使用開始率は49.1%で、特に登栄会・中央銀座の両商店街から登戸駅前方面にかけてはほとんど手つかずの状態だったが、2020年代から急速に立ち退き等が進み、駅周辺の建物の解体が進められている[20]。また、区画整理事業の完成を前提として計画されている和泉多摩川駅以南の小田急線複々線化事業にも影響を及ぼし[21]、小田急電鉄は2009年に和泉多摩川 - 向ヶ丘遊園間で3線化を実施し、特に朝の通勤時間帯における新宿方面への輸送力増強を先行して進められた。2018年3月には和泉多摩川 - 登戸間の4線化が完了したが、登戸 - 向ヶ丘遊園間については2022年時点でも4線化の目途は経っていない[22]

駅設備

駅舎と駅前の間はほぼ平坦であり、そのため橋が設置されておりエレベーター・階段でのホーム↔改札、ホーム↔ホームの移動ができる。

南口

北口と比較すると多摩丘陵の北端が駅の近くまで迫り、特に五反田川の南側では傾斜が急になる。旧稲田町時代から行政中心地だった北側より、比較的新しい時期に住宅開発がなされた地域でもある。駅の南側を県道川崎府中線(府中街道)が通り(小田急線を跨線橋で越え、多摩警察署の前で世田谷町田線と交差)、向ヶ丘遊園駅の南口からはこの川崎府中線へ片側2車線の道路が延び、五反田川を渡った地点で稲生橋交差点となっている。このため自動車でのアクセスは北口より容易である。駅から見て、同交差点を直進すると丘陵地に入り、岡本太郎美術館や日本民家園などがある生田緑地の入口へ向かい、その先は東名高速道路東京料金所(向ヶ丘(むかいがおか)バスストップ併設)方面へとつながる。この道路を利用して、2010年から川崎市交通局が溝19系統の試験運行(向ヶ丘遊園駅への乗り入れ)をし、2014年3月より正式に運行を開始した。

この道路は五反田川の手前で登戸駅方面からの市道(小田急線の東側を通る道路)と合流し、この道路を通る登戸駅発着のバスはその近く、元ダイエー向ヶ丘店前にある「向丘遊園駅入口」バス停からの乗車が可能となっている(下記参照)。駅前道路の中央分離帯上には2000年2月13日まで運転していた小田急向ヶ丘遊園モノレール線の高架線が建設されていたが、廃線後に撤去され現存しない。

丘陵地帯には公園や教育・研究機関が設置され、1934年には日本女子大学1951年には明治大学1957年には専修大学が進出して向ヶ丘遊園駅周辺に学生街の要素を加えた。明治大学生田キャンパスの敷地の一部は、1939年に開設された大日本帝国陸軍の各種兵器開発・技術研究機関である登戸研究所の跡地を利用している。明治専修両大学への路線バスは北口から発着して世田谷町田線を経由しているが、徒歩で通学する場合は南口を利用した方が近い。傾斜地のため開発が比較的遅かったこと、自然が多く残るという環境への人気から、北口と比較すると大規模マンションの建設が目立つ。一方、駅東側の平坦地では北口同様に一戸建てなどの低層住宅が多く、かつては果樹園との混在も多く見られた。

2002年3月31日まで、バラ苑で知られる向ヶ丘遊園も営業し、小田急の文化観光事業で重要な存在となっていた。遊園の閉鎖後は遊戯施設が撤去されたが、ばら苑は川崎市および地元有志の手により維持され、春と秋の年2回の一定期間内に限り一般公開されている。前述の藤子・F・不二雄ミュージアムは向ヶ丘遊園跡地の一部、府中街道沿いの区画に建設されたが、ミュージアムへのシャトルバスは東口の区画整理事業が完成してバスターミナルが整備された登戸駅からの発着となっている(向ヶ丘遊園駅からもバス(溝06,向01,02)で行くことはできる)。残る森林部分については生田緑地に組み入れられる方向で検討されている。五反田川を越えて徒歩5分の所には稲田登戸病院が開設されていたが、改築問題がまとまらずに2006年3月31日限りで閉院となり(跡地にはマンションが建設)、多摩区地域の総合医療業務は同年2月に開業した川崎市立多摩病院へと事実上継承された。

駅設備

駅舎と駅前歩道の間に階段・スロープがある。

バス路線

北口

北口の駅前ロータリーに神奈川中央交通東(神奈中バス)・小田急バスの路線が乗り入れる。2022年3月26日までは神奈中バス・川崎市バスが中央銀座商店街路上の乗り場を使用していたが、駅周辺の区画整理に伴って経路変更され、神奈中バスはロータリー内への乗り入れに変更し、川崎市バスは路線の乗り入れが廃止された。同年4月1日からは小田急バスも経路変更を実施し、ロータリーへの進入路が南側から北側に変更され、それに伴って乗り場変更が実施された。

向ヶ丘遊園駅[23][24]

乗り場 系統 行先 運行事業者 備考
1 (淵24) 登戸(登戸駅) 神奈中東 土曜朝1本のみ
(向13) (明治大学正門) 小田急
(系統なし) 生田折返場 昼間1本のみ
(系統なし) 登戸営業所
2 (向11) あざみ野駅
(向12) 聖マリアンナ医科大学
3 (向10) 専修大学
専修大学9号館 平日8 - 10時台に運行
4 送迎 専修大学教職員専用バス
送迎 カリタス小学校スクールバス

南口

南口の駅前ロータリーに川崎市交通局(川崎市バス)・東急バスの路線が乗り入れる。

向丘遊園駅南口(市バス)・向ヶ丘遊園駅南口(東急)

登14・溝06系統のうち登戸駅を発車する便には「向丘遊園駅入口」(元ダイエー前、当駅より徒歩3分)から乗車が可能となっている[25]

乗り場 系統 主要経由地 行先 運行事業者 備考
5 (登14) 稲田堤駅入口 西菅団地 市バス 日中は向丘遊園駅南口非経由
(溝19) 生田緑地入口 溝口駅南口
(溝06) 藤子・F・不二雄
ミュージアム
溝口駅 数本ではあるが登戸駅経由あり
井田営業所前
(向02) 二子玉川駅 東急
高津営業所
6 (向01) 梶が谷駅
た83 生田緑地入口 たまプラーザ駅 市バス
東急

その他

  • 2018年3月17日改正以前のダイヤでは、当駅は特急ロマンスカーのうち新松田駅にも停車する一部の列車が停車していた一方、快速急行・多摩急行は通過しており、一種の逆転現象が生じていた。また、当駅はもともと交通至便な駅として川崎市多摩区の開発拠点とされ、駅近くに区役所が設けられた経緯があるとともに、路線バス発着の拠点になっている。
  • 登戸寄りの踏切は複々線が終始点に当たることと、当駅に停車する各列車が度々踏切手前で信号待ちをすることから開かずの踏切となっており、朝夕の通勤ラッシュ時には長い時で30分近く締め切りが続き開放後も数十秒もしないうちに閉まることから、乗用車が踏切待ちをしている歩行者や自転車が渡れないという事態が起きている。
  • かつて生田側(西側)に向ヶ丘遊園1号踏切が存在したが、2014年10月30日正午に南北連絡通路の完成に伴う供用開始に伴い、同時に供用を終了した。この踏切は末期、前述の登戸寄りの踏切(登戸1号踏切)と同じく締め切り時間が長く、試験的にメロディを流していた。また、盛り土の上に設けられていたということもあって、坂を上って下りるという構造であり、更に道幅が狭かった。これにより、二輪車は降りてその車両を引いて歩く姿が多く見受けられた。南口側には、遮断棹が折れるケースが多い踏切である旨を記載した看板が立てられていた。なお、この踏切は歩行者二輪車専用となっており、自動車が渡れなくなるということは無かった[26][27][28]

多摩急行の問題

  • 神奈川県鉄道輸送力増強促進会議は、2006年度小田急電鉄向け要望書にて、当駅の多摩急行停車を要望していた。これに対し小田急電鉄は当時、急行が登戸駅と当駅を連続停車していることから、多摩急行については当駅を通過させて速達性確保を図っていると説明していたが[29][注 6]、その後2016年3月26日実施のダイヤ改正で、多摩急行の運転時間帯を縮小し千代田線 - 唐木田発着の急行を日中時間帯中心に設定した。この時点では多摩急行自体の停車駅に変更はなく引き続き当駅を通過するため、運転時間帯においては優等列車の運転間隔にばらつきがあった。しかし、2年後の2018年3月17日ダイヤ改正で多摩急行は全廃され、当駅を通過する列車は特急ロマンスカーと快速急行のみとなっている。

隣の駅

小田急電鉄
  小田原線
快速急行
通過
通勤急行(平日朝上りのみ運転)
成城学園前駅 (OH 14) ← 向ヶ丘遊園駅 (OH 19)新百合ヶ丘駅 (OH 23)
急行
登戸駅 (OH 18) - 向ヶ丘遊園駅 (OH 19) - 新百合ヶ丘駅 (OH 23)
通勤準急・準急・各駅停車(通勤準急は平日朝上り、準急は当駅以西は平日夜下りのみ運転)
登戸駅 (OH 18) - 向ヶ丘遊園駅 (OH 19) - 生田駅 (OH 20)

かつて存在した路線

小田急電鉄
向ヶ丘遊園モノレール線
向ヶ丘遊園駅 - 向ヶ丘遊園正門駅

脚注

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記事本文

注釈

  1. ^ 現行の快速急行とは一切関係なく、単なる海水浴客輸送用の臨時列車であった。
  2. ^ a b 当駅の引き上げ線の構造上、当駅始発列車は、当駅 - 登戸駅間のみ急行線を使用。
  3. ^ 当駅始発と接続する急行も使用する。そのため、日中は多摩線からの急行が使用する。
  4. ^ 小田原線開業年。
  5. ^ 当駅の乗降人員最高値年度。
  6. ^ 小田急電鉄の回答原文「優等列車の停車駅については、駅間距離、乗降人員、他社線接続等を考慮し設定しています。急行列車が登戸、向ヶ丘遊園駅と連続停車していることから、多摩急行については向ヶ丘遊園駅を通過させて、速達性確保を図っております。」

出典

  1. ^ “”. 小田急電鉄. 2001年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月21日閲覧。
  2. ^ “”. 小田急電鉄. 2001年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月21日閲覧。
  3. ^ a b c d e 杉田弘志「小田急電鉄 列車運転の変遷とその興味」『鉄道ピクトリアル』第60巻第1号(通巻829号)、電気車研究会、2010年1月10日、206・214・216頁、ISSN 0040-4047。 
  4. ^ (プレスリリース)小田急電鉄、2002年2月14日。 オリジナルの2004年12月5日時点におけるアーカイブ2021年5月9日閲覧 
  5. ^ (プレスリリース)小田急電鉄、2001年9月28日。 オリジナルの2003年2月12日時点におけるアーカイブ2021年5月9日閲覧 
  6. ^ a b (プレスリリース)小田急電鉄、2004年10月6日。 オリジナルの2005年3月8日時点におけるアーカイブ2021年5月5日閲覧 
  7. ^ a b (PDF)(プレスリリース)小田急電鉄、2011年8月2日。 オリジナルの2020年12月29日時点におけるアーカイブ2021年2月24日閲覧 
  8. ^ (PDF)(プレスリリース)小田急電鉄/箱根登山鉄道、2013年12月24日。 オリジナルの2021年5月9日時点におけるアーカイブ2021年5月9日閲覧 
  9. ^ . タウンニュース (タウンニュース社). (2014年11月7日). オリジナルの2021年5月9日時点におけるアーカイブ。. 2021年5月9日閲覧。 
  10. ^ (PDF)(プレスリリース)小田急電鉄、2015年12月8日。 オリジナルの2020年11月27日時点におけるアーカイブ2021年2月24日閲覧 
  11. ^ (PDF)(プレスリリース)小田急電鉄、2017年11月1日。 オリジナルの2020年6月11日時点におけるアーカイブ2021年2月24日閲覧 
  12. ^ (PDF)(プレスリリース)小田急電鉄、2019年3月28日。 オリジナルの2019年3月29日時点におけるアーカイブ2019年3月30日閲覧 
  13. ^ (PDF)(プレスリリース)小田急電鉄、2020年4月1日。 オリジナルの2020年4月5日時点におけるアーカイブ2020年5月4日閲覧 
  14. ^ 大沼一英「小田急電鉄 ホームに残る古レール柱のバラエティ」『鉄道ピクトリアル』第70巻第8号(通巻976号)、電気車研究会、2020年8月10日、208 - 216頁、ISSN 0040-4047。 
  15. ^ 小田急電鉄「鉄道部門:1日平均駅別乗降人員」
  16. ^ 川崎市統計書
  17. ^ レポート - 関東交通広告協議会
  18. ^ 神奈川県県勢要覧
  19. ^ 加藤一雄『小田急よもやま話(上)』多摩川新聞社、1993年、178頁。ISBN (4-924882-06-2)。 
  20. ^ 川崎市ホームページ「登戸土地区画整理事業 進捗状況」内、「事業進捗図」より。
  21. ^ 川崎市ホームページ「鉄道・道路ネットワーク形成事業カルテ」
  22. ^ 登戸土地区画整理事業 まちづくりニュースNo.99
  23. ^ “”. web.archive.org (2021年1月24日). 2022年1月19日閲覧。
  24. ^ “”. 2022年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月19日閲覧。
  25. ^ “”. 2022年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月19日閲覧。
  26. ^ 川崎市ホームページ「[1]
  27. ^ タウンニュース「[2]」車両通行止について、掲載の写真を参考。また、少し分かりにくいが、自転車を引いて歩いている姿も確認できる。
  28. ^ 小田急電鉄ホームページ「[3]安全施設の強化」メロディー試験について、このページの中段から下段にかけて記載
  29. ^ “”. 2014年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月10日閲覧。神奈川県鉄道輸送力増強促進会議 平成24年度の要望及び鉄道事業者の回答」

利用状況

神奈川県県勢要覧
  1. ^ “” (PDF). 神奈川県. 2019年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月4日閲覧。
  2. ^ 神奈川県県勢要覧(平成12年度)- 223ページ
  3. ^ a b 神奈川県県勢要覧(平成13年度) (PDF) - 225ページ
  4. ^ 神奈川県県勢要覧(平成14年度) (PDF) - 223ページ
  5. ^ 神奈川県県勢要覧(平成15年度) (PDF) - 223ページ
  6. ^ 神奈川県県勢要覧(平成16年度) (PDF) - 223ページ
  7. ^ 神奈川県県勢要覧(平成17年度) (PDF) - 225ページ
  8. ^ 神奈川県県勢要覧(平成18年度) (PDF) - 225ページ
  9. ^ 神奈川県県勢要覧(平成19年度) (PDF) - 227ページ
  10. ^ 神奈川県県勢要覧(平成20年度) (PDF) - 231ページ
  11. ^ 神奈川県県勢要覧(平成21年度) (PDF) - 241ページ
  12. ^ 神奈川県県勢要覧(平成22年度) (PDF) - 239ページ
  13. ^ 神奈川県県勢要覧(平成23年度) (PDF) - 239ページ
  14. ^ 神奈川県県勢要覧(平成24年度) (PDF) - 235ページ
  15. ^ 神奈川県県勢要覧(平成25年度) (PDF) - 237ページ
  16. ^ 神奈川県県勢要覧(平成26年度) (PDF) - 239ページ
  17. ^ 神奈川県県勢要覧(平成27年度) (PDF) - 239ページ
  18. ^ 神奈川県県勢要覧(平成28年度) (PDF) - 247ページ
  19. ^ 神奈川県県勢要覧(平成29年度) (PDF) - 239ページ
  20. ^ 神奈川県県勢要覧(平成30年度) (PDF) - 223ページ
  21. ^ 神奈川県県勢要覧(令和元年度) (PDF) - 223ページ
  22. ^ 神奈川県県勢要覧(令和2年度) (PDF) - 223ページ
  23. ^ 神奈川県県勢要覧(令和3年度) (PDF)

関連項目

外部リンク

  • 小田急電鉄 向ヶ丘遊園駅
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