吉行 理恵(よしゆき りえ、本名:吉行→辻→吉行理恵子[1]、1939年〈昭和14年〉7月8日 - 2006年〈平成18年〉5月4日)は、日本の小説家・詩人。
来歴・人物
東京府生まれ。母は吉行あぐり、父は吉行エイスケ。兄は吉行淳之介、姉は吉行和子。女子学院中学校・高等学校、早稲田大学第二文学部日本文学専修卒業。
父や兄の影響を受け、早くから文筆活動に目覚める。詩集『夢のなかで』で1968年第8回田村俊子賞を受賞。
詩人としての評価の方が高かったが、小説『小さな貴婦人』で1981年上期芥川賞を受賞。兄妹で芥川賞を受賞した最初の事例として話題を呼んだ(選考委員の1人には兄がいた)。
詩には少ない語彙を何度も使うものが多く、文学では詩的散文を用いた独特のリズムが見受けられた。猫が題材にとられたものも多い。
詩人としても小説家としても寡作であった。
母・兄・姉がメディアなどへの露出が多かったのに対して、理恵だけはあまり公の場には姿を見せなかった。三兄妹の中では唯一生涯独身だった。
経歴
作品リスト
- 『吉行理恵詩集』(晶文社、1970年)(思潮社、1975年) (ISBN 4794935218)
- 『記憶のなかに』(講談社、1973年) (ISBN 4061317296) のち文庫
- 『男嫌い』(新潮社、1975年) (ISBN 410125401X) のち文庫
- 『雲のいる空』(角川書店、1977年) (ISBN 4048830643)
- 『小さな貴婦人』(新潮社、1981年) (ISBN 4101254028) のち文庫
- 『井戸の星』(講談社、1981年) (ISBN 4061168967)
- 『迷路の双子』(文芸春秋、1985年) (ISBN 4163087907)
- 『黄色い猫』(新潮社、1989年) (ISBN 4103244038)
- 『猫の見る夢』(講談社、1991年) (ISBN 406205132X)
- 『青い部屋』(文園社、2007年)ISBN (978-4893362209)
- 『湯ぶねに落ちた猫』(ちくま文庫、2008)ISBN (978-4480424549)
共著
- 『ねこ、ねこ、ねこ! 』(西川治共著、サンリオ、1975年) (ISBN 4387921528)
編集
- 猫の国ったら猫だらけ (滑川公一画)
合唱曲
- 女声合唱とピアノのための幻影 (木下牧子作曲) (ISBN 4760915788)
脚注
- ^ 母親の再婚の際に養子縁組し、義父没後に籍を抜き再び吉行姓に戻った。
外部リンク
- 吉行理恵 - コトバンク
- 吉行理恵 - イミダス