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危機に瀕する言語

危機に瀕する言語(ききにひんするげんご)とは、母語話者がいなくなることで消滅死語化)の危機にある言語である。危機言語とも言われる。

概要

現在、世界には6,000から7,000の言語があるとされる[1]。Michael E. Kraussによれば、100万程度の話者を持つ言語は、今後100年程度は安定であるとされている。この基準によれば現存する言語のうち半数は22世紀の初めまで、つまり約100年以内に完全に話し手を失い、消滅すると予想される言語である。

20世紀、最後の言語使用者の死によって消滅した言語としては、1974年のマン島語(Manx語)(イギリス)、1981年のワルング語(Warrungu語)(オーストラリア)、1992年の(Ubuh語)やウビフ語(Ubykh語)(いずれもコーカサス地方)、1995年の(Kasabe語)(カメルーン)、2000年の(羿人語)(げいじんご)(中国四川省)などがある[2]

1990年代以降、欧米の学界では危機言語研究に力が入れられるようになったが、その言語を記述し、記録を残す研究は進んでいないとされる。言語を研究する言語学者にとってもその言語自体が失われる事態になるため、危機言語の研究は重要であるとされる。

しかし辺地の地方文化、マイノリティ少数民族への蔑視も根強く、危機に瀕した言語研究への意識も高いとはいえない事態にある。日本では21世紀に入り、2003年特定非営利活動法人地球ことば村・世界言語博物館」が立ち上げられる等、事態を改善しようとする動きも広がりを見せつつある。

(英国王立協会紀要)(英語版)によれば、世界で最も少数言語が失われる恐れの高い場所は、オーストラリア北米の一部とされる。研究では、経済的に発展した地域ほど少数言語は失われやすいとされ、イギリスケンブリッジ大学は、一人当たりのGDPのレベルは言語多様性の消失と関連があると発表した[3]

ユネスコによる報告

世界

国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)は消滅危機言語をリストアップした地図 "Atlas of the World's Languages in Danger" を発行している(初版発行が1996年、第2版発行が2001年)[4][5]2009年2月、"Atlas of the World's Languages in Danger" の第3版となるリストが発表され(書籍としては2010年刊行)、世界で約2500の言語を消滅危機言語として位置づけた[5][6][7]。言語の消滅危険度については「脆弱」から「極めて危険」まで4段階(「消滅」を含めれば5段階)の評価が行われている。2009年の発表時点では、最も深刻度の高い「極めて深刻」に538言語が分類され[5]、このうち199言語は、話者が10人以下であった[5]

ウェブ上ではインタラクティブ・マップ版 [1] が公開され、随時情報が更新されている。1950年以後に消滅した言語は、2009年2月の報道時点では「219語」とされていたが[5]、2014年12月現在は約230とされる[6]。ユネスコは、世界の言語のうち約3000言語程度が「危機に瀕する言語」となると見積もっている[6]

日本

日本国内では、話者10人とされるアイヌ語[5]をはじめ、以下の8言語がリストに掲載されている[7]。アイヌ語以外は日琉語族に属し、そのうち八丈語を除く6言語はすべて琉球諸語を構成する言語である。

中国

仡佬語(コーラオ語)や(仙島語)などが危機に瀕する言語といわれている[2]

脚注

  1. ^ 2005年時点において国際SILによりSILコードの割り当てられた言語数は7299
  2. ^ a b 宮本 大輔「中国における危機言語問題」 神奈川大学、2020年2月3日閲覧。
  3. ^ “経済成長で少数言語が失われる、研究”. AFPBB News. (2014年9月3日). https://www.afpbb.com/articles/-/3024935 2014年9月5日閲覧。 
  4. ^ “Previous editions of the Atlas (1996, 2001)”. new edition of the Atlas of endangered languages. UNESCO (2012年). 2014年12月10日閲覧。
  5. ^ a b c d e f “八丈語? 世界2500言語、消滅危機 日本は8語対象、方言も独立言語 ユネスコ”. 朝日新聞 (2009年2月20日). 2014年12月10日閲覧。
  6. ^ a b c “Atlas of the World's Languages in Danger”. new edition of the Atlas of endangered languages. UNESCO (2012年). 2014年12月10日閲覧。
  7. ^ a b “”. 文化庁. 2014年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月10日閲覧。

関連文献

  • 青木晴夫 (1984)『新版 滅びゆくことばを追って インディアン文化への挽歌』(三省堂選書111)三省堂
  • C・アジェージュ;糟谷啓介訳 (2004)『絶滅していく言語を救うために ことばの死とその再生』(ISBN 456002443X)
  • 岩波書店編集部編 (2004)『フィールドワークは楽しい』(岩波ジュニア新書474)岩波書店
  • 大角翠編著 (2003)『少数言語をめぐる10の旅 フィールドワークの最前線から』三省堂
  • (梶茂樹) (1993)『ことばを訪ねて アフリカをフィールドワークする』大修館書店
  • (金子亨) (1999)『先住民族言語のために』草風館
  • (呉人恵) (2003)『危機言語を救え ツンドラで滅びゆく言語と向き合う』大修館書店
  • D・クリスタル;斎藤兆史・(三谷裕美)訳 (2004)『消滅する言語 人類の知的遺産をいかに守るか』(中公新書)
  • T・クローバー;行方昭夫訳 (2003)『イシ 北米最後の野生インディアン』(岩波現代文庫 社会85)岩波書店
  • 真田信治 (2001)『方言は絶滅するのか 自分のことばを失った日本人』PHP研究所
  • (津曲敏郎)編著 (2003)『北のことばフィールド・ノート―18の言語と文化』北海道大学図書刊行会
  • R・ディクソン;大角翠訳 (2001)『言語の興亡』(岩波新書)岩波書店
  • 中川裕 (1995)『ことばを訪ねて アイヌ語をフィールドワークする』大修館書店
  • ダニエル・ネトル,スザンヌ・ロメイン、島村宣男訳『消えゆく言語たち:失われることば,失われる世界』(ISBN 4788507633)
  • Ladefoged, Peter and Sandra F. Disner (2012) Vowels and Consonants, Wily-Blackwell, 『母音と子音:音声学の世界に踏み出そう』田村幸誠・貞光宮城訳、開拓社、2021年. (ISBN 978-4-7589-2286-9)

関連項目

外部リンク

  • 危機言語のページ - 日本言語学会
    • 危機言語Q&A
    • 日本語で読む危機言語
  • Nearly extinct languages (英語) - エスノローグ
  • Endangered Languages Project(英語) - Googleの危機言語プロジェクト
  • 日本大百科全書(ニッポニカ)『(消滅危機言語)』 - コトバンク
  • 北海道大学大学北方文化論講座民族言語学研究室(北方諸民族の言語を研究)
  • 千葉大学文学部ユーラシア言語文化論講座(アイヌ語やニヴフ語などを含む北方諸民族の言語や文化を研究)
  • 東京大学文学部言語学教室(日本の言語学教育の始まったところであり、研究対象言語も多岐にわたる)
  • 絶滅に瀕した言語(Endangered Language)の継承と生物多様性確保の共通点
  • NPO法人地球ことば村・世界言語博物館
  • Terralingua (英語) (生物の多様性と言語の多様性を関連づけて活動するNGO
  • 消滅の危機にある方言・言語(文化庁)
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