北原次郎太（きたはら じろうた、1976年- ）は、日本の文化人類学者。アイヌ文化研究者。アイヌ名は北原モコットゥナㇱ（「すぐ寝る」という意味）[1]。千葉大学（学術博士）。
来歴
東京都杉並区高円寺生まれの埼玉県上尾市育ち[2]。祖母は樺太アイヌ（来知志出身。1945年のソ連侵攻により北海道へ移住）で、母は関東ウタリ会の設立（1980年）に関わっていた[2]。自身がアイヌであることを知ったのは4歳の時で[1]、13歳の頃に祖母のアイヌ名を知ったことなどをきっかけにアイヌ文化や樺太に関心を持つようになり[2]、やがてアイヌの宗教文化への関心を深めるようになった[1]。
1998年北海学園大学人文学部卒業（藤村久和ゼミ所属）[3]。27歳の時に、アイヌ名を北海道大学のアイヌ語学者佐藤知己から名付けられる[4]。2005年千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程修了[5]（指導教授:荻原眞子[3]）。2005年よりアイヌ民族博物館で学芸員として働き、2010年より北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授[2]。同大学院文学院兼任講師・同文学部兼任講師[6]。アイヌの宗教文化と物質文化、とりわけイナウについての研究を専門とするほか、アイヌ語、口承文芸、芸能などの研究に携わる[4]。
著書
- 『日本語の隣人たち』月田尚美ほか共著 白水社 2009
- 『アイヌの祭具イナウの研究』北海道大学出版会 2014
- 『アイヌ文化史辞典』関根達人・北原モコットゥナㇱ（次郎太）他編 吉川弘文館 2022
- 『アイヌの世界を旅する』監修 平凡社 2014
- 『アイヌ : もっと知りたい!くらしや歴史』蓑島栄紀監修 岩崎書店 2018
- 『犬からみた人類史』大石高典ほか共著 勉誠出版 2019
- 『アイヌの真実』谷本晃久共著 ベストセラーズ 2020
脚注
- ^ a b c “講座3『アイヌの側から見た北海道150年』第2回「今日に受け継がれてきたアイヌ文化」”. いしかり市民カレッジ (2018年6月27日). 2022年7月25日閲覧。
- ^ a b c d “アイヌ語で話したい : 先祖を知ることは自己の回復”. nippon.com. 公益財団法人ニッポンドットコム (2020年3月27日). 2022年7月27日閲覧。
- ^ a b 上掲『アイヌの祭具 イナウの研究』p305
- ^ a b 「身近な異文化アイヌ文化に出会う」『平成26年度 普及啓発講演会報告集』、公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構、2015年3月、2022年7月27日閲覧。
- ^ 北海道大学
- ^ 北海道大学 大学院文学院研究者紹介
関連項目
- ゴールデンカムイ - 一部の監修を務めた。
外部リンク
- 北原次郎太 - Researchmap
- KAKEN