労山（ろうざん/らうざん）は、日本海軍の運送艦。艦名は中国山東半島南岸の勞山湾に由来する。
| 労山 | |
|---|---|
| 労山（1919年） | |
| 基本情報 | |
| 建造所 | リクマス社 |
| 運用者 | 大日本帝国海軍 |
| 艦種 | 運送艦 |
| 艦歴 | |
| 進水 | 1906年5月5日 |
| 除籍 | 1922年8月1日 |
| 要目（1920年） | |
| 常備排水量 | 7,600トン |
| 垂線間長 | 112.17m (368ft)[1] |
| 最大幅 | 14.50m (47ft 7in) |
| 吃水 | 6.10m (20ft) |
| ボイラー | 宮原式石炭専焼水管缶 3基 |
| 主機 | 直立3気筒3段膨張レシプロ 1基 |
| 推進 | 1軸 |
| 出力 | １,719ihp |
| 速力 | 11.7ノット |
| 燃料 | 石炭 572トン |
| 乗員 | 114名 |
| 兵装 | 40口径安式8cm単装砲 2門 |
概要
元はドイツのリクマス社建造のドイツ貨物船「エレン・リクマス（Ellen Rickmers）」で、Andree Rickmers級貨物船6隻のうちの1隻。姉妹船に東崗丸（大連汽船、4,180トン/旧ドイツ船Deike Rickmers）がいる。
第一次世界大戦で日本がドイツの租借地・青島を攻略した時に、閉塞船として港に自沈していた同船を1914年（大正3年）11月7日に捕獲、1915年（大正4年）2月20日に浮揚して1915年（大正4年）8月23日には「勞山」に命名と同時に運送船に類別された[2]。整備の際には重量物運搬と給炭油設備を設けている。
シベリア出兵に際しては沿海州方面への輸送任務に従事する。1920年（大正9年）4月1日には(特務艦)（運送艦）とされた。
1922年（大正11年）6月5日、横須賀から函館に向かう途中に濃霧のため青森県尻矢埼東岸で座礁破壊。同年8月1日に除籍された。
艦長
※『官報』に基づく。
- 指揮官
- 石川秀三郎 中佐：1916年2月10日 - 12月1日[3]
- 志賀巳之治 中佐：1916年12月1日 - 1917年12月1日[4]
- 豊島二郎 中佐：1917年12月1日[4] - 1918年9月10日[5]
- 藤村昌吉 中佐：1918年9月10日[5] -
- 副島慶一 中佐：1918年12月1日[6] - 1919年12月1日[7]
- 園田繁喜 中佐：1919年12月1日[7] -
- 特務艦長
脚注
- ^ 112.17mは『戦史叢書』に記載された368フィートをメートルに換算した値。一方『世界の艦船』によると112.27m。
- ^ 「大正4年8月23日付 達第111号」 アジア歴史資料センター Ref.C12070069500
- ^ 『日本海軍史』第9巻、653頁。
- ^ a b 『官報』第1601号、大正6年12月3日。
- ^ a b 『官報』第1833号、大正7年9月11日。
- ^ 『官報』第1900号、大正7年12月3日。
- ^ a b 『官報』第2199号、大正8年12月2日。
- ^ a b 『官報』第2377号、大正9年7月5日。
- ^ a b 『官報』第2801号、大正10年12月2日。
- ^ 『官報』第2984号、大正11年7月13日。
参考文献
- 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』（光人社、1993年） (ISBN 4-7698-0386-9)
- 中川努「日本海軍特務艦船史」
- 『世界の艦船 増刊第47集』（海人社、1997年3月号増刊、第522集）
関連項目
外部リンク
- 労山