内閣官房参与（ないかくかんぼうさんよ、英語: Special Advisor to the Cabinet[1]）は、日本の内閣官房の役職の一つ。内閣総理大臣（首相）の諮問に応じて、専門的な立場から情報提供や助言などを行う非常勤の国家公務員である[2]。
概説
内閣が対応すべき各種分野において優れた専門的識見を有する人材を首相が直接任命し、任じられた当人は首相の諮問に対して直接意見を言い、また情報提供や助言を行うブレーンやアドバイザー的存在である[3]。
勤務一日につき2万6400円の報酬が支給され、一部の内閣官房参与は報酬を辞退している者もいる[4]。人数制限はなく、通常は複数人いる。職務に対しては守秘義務が課される。全員に、所属する内閣府や総理大臣官邸で一人ずつ執務室が与えられているが[5]、権限が明確でなく、国会での答弁義務を負わないとの問題点を指摘する見方がある[6]。また、内閣官房参与の上に定員1名の内閣特別顧問が存在する。
設置根拠は「内閣官房に参与を置く規則（昭和62年11月7日内閣総理大臣決定）」であり[7]、
- 内閣官房に当分の間、参与を置くことができる
- 参与は首相の諮問に答え、意見を述べる
- 一般職の非常勤の国家公務員である
の3項目を内容とする[6]。
内閣官房参与の一覧
2022年1月1日現在の参与
- 飯島勲（特命担当）[8]
- 今井尚哉（エネルギー政策等担当）[8]
- 宮家邦彦（外交担当）[8]
- 岡部信彦（感染症対策）[8]
- 熊谷亮丸（経済・金融）[8]
- 村井純（デジタル政策）[8]
- 岡村健司（国際経済）[8]
- 山﨑重孝（安定的な皇位継承の確保等）[8]
- 山崎史郎（社会保障・人口問題）[9][10]
- 島田和久（防衛政策）[11]
- 前田匡史（海外ビジネス投資支援）[11]
過去の参与
発令日の古い順に記載する。
菅義偉内閣では以下の13人が任命されていた。
脚注
注釈
出典
- ^ 内閣官房公式サイト 内閣官房組織等英文名称一覧
- ^ ないかくかんぼう‐さんよ〔ナイカククワンバウ‐〕【内閣官房参与】 デジタル大辞泉
- ^ “石原伸晃氏就いていた「内閣官房参与」とは 日給一律2万6400円”. 毎日新聞. (2021年12月10日) 2022年11月19日閲覧。
- ^ “最近よく聞く「内閣官房参与」って何者？ 総理に助言する“日給公務員”…たびたび在り方が議論されています”. 神戸新聞. (2021年8月6日) 2022年11月19日閲覧。
- ^ マネー辞典m-Words
- ^ a b “内閣官房参与 15人も必要? 自民野党時「多すぎる」”. 毎日新聞. (2017年11月18日) 2017年11月19日閲覧。
- ^ “参議院議員有田芳生君提出 飯島勲内閣官房参与と拉致問題に関する質問に対する答弁書”. 参議院. (2013年11月5日) 2017年11月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “内閣官房参与、今井・飯島両氏ら8人再任 岸田首相”. 日本経済新聞. (2021年10月5日) 2021年10月6日閲覧。
- ^ “首相補佐官に森元国交次官 政府”. 時事通信. (2021年12月28日) 2022年1月3日閲覧。
- ^ （PDF）『内閣総理大臣辞令』（プレスリリース）内閣官房、2021年12月28日。2022年1月2日閲覧。
- ^ a b “内閣参与に島田前防衛次官”. 時事ドットコム. (2022年9月1日) 2022年9月1日閲覧。
- ^ a b c （PDF）『内閣総理大臣辞令』（プレスリリース）内閣官房、2020年9月25日。2020年10月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g （PDF）『内閣総理大臣辞令』（プレスリリース）内閣官房、2020年10月13日。2021年7月14日閲覧。
- ^ 平田内閣官房参与辞任へ ゴルフレッスン料支払わずと文春報道NHK
- ^ “高橋洋一内閣官房参与が退職”. 共同通信. (2021年5月24日) 2021年10月6日閲覧。
- ^ （PDF）『内閣総理大臣辞令』（プレスリリース）内閣官房、2021年7月9日。2021年7月14日閲覧。
- ^ （PDF）『内閣総理大臣辞令』（プレスリリース）内閣官房、2021年7月16日。2021年7月17日閲覧。
- ^ （PDF）『内閣総理大臣辞令』（プレスリリース）内閣官房、2021年8月27日。2021年9月3日閲覧。