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佐藤悟志

佐藤 悟志(さとう さとし、1965年昭和40年〉[1] - )は、日本政治活動家。政治結社「青狼会」総統[2]

人権ファシスト」「軍国主義フェミニスト」「反天皇制右翼つまりファシスト」を自称するが、外山恒一によれば「ネオコン」である[3]セックスワークの非犯罪化・非処罰化、ブント(旧 戦旗・共産主義者同盟、現「一般社団法人アクティオ」)批判、北朝鮮への人道的介入などを主張している[2][4]

経歴・人物

横浜市生まれ[5]。1982年、高校時代に戦旗・共産主義者同盟(戦旗荒派)に加盟し[1]三里塚闘争に参加した[3][6]。1986年に戦旗荒派を脱退し、フリーの活動家になる[1]

1988年に反天皇制全国個人共闘・秋の嵐に参加、主要メンバーの一人であった[1][6]。「親天皇」だからこそ「反天皇制」であると主張している[7]。秋の嵐メンバーの鹿島拾市山本夜羽音が1989年に結成し、反原発や反管理教育なども活動テーマとするグループ「馬の骨」にも参加した[8][3]。1990年、六四天安門事件に関係した中国人活動家の強制送還を決定した法務省への抗議行動などで逮捕された[8][9][5][3]。この頃に青狼会、「反天皇制右翼つまりファシスト」を自称し始めた[7][9]

秋の嵐・馬の骨メンバーのフェミニスト幸渕や[3]、かつて存在した吉原の従業員組合から影響を受け、1992年に「売春の自由党」を創設して事務局長となる[10]。売春婦の人権擁護の立場から上野千鶴子ら主流派のフェミニストを批判し[3]、1998年結成の「(セックスワークの非犯罪化を要求するグループ UNIDOS)」に参加した[11]松沢呉一が編集した『売る売らないはワタシが決める』では自己決定権や再生産責任を巡り永田えり子を批判[12]。現役のセックスワーカー社会運動家らが売春反対論者を批判した同書は、セックスワーク論の分野で評価が高い[13]。佐藤らの批判に対し、永田は反論している[14][15]。また当時売買春否定論を唱えていた小谷野敦によれば、『週刊金曜日』に佐藤による小谷野を誹謗する名誉毀損ものの投書が掲載されたという[15]

1993年に李英和が結成した「(救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク)」(「RENK」)の影響で北朝鮮問題に関心を持つ。1997年から「ブント清算事業団」代表管財人を名乗り[5]新宿ロフトプラスワン荒岱介を批判するビラを配布。後日、ブント構成員に二度にわたって集団暴行を受けて負傷した[16][17]。2000年にも集団暴行を受け[18]、2001年には佐藤のトラメガを壊したとして、ブント構成員が器物損壊罪に問われた[19]

2003年から2010年まで「RENK」の東京事務局(「RENK東京」)に所属した。[20][21][22][23]

2014年に「青狼会」が主催した朝鮮総連の第23回全体大会に対する抗議活動「『返さなければ戦争だ!』総連大会糾弾!国民大抗議」[24]といった、朝鮮高校周辺でのデモや行動する保守との共闘は野間易通C.R.A.C.などから批判を受けた[3]。北朝鮮民主化支援、拉致被害者救出運動のほか、脱原発運動[25]中国民主化支援[26][27]なども行っている。

2018年1月から萩原遼が結成した「朝鮮総連本部をさら地にする会」代表代行を務める[28]。5月には再び朝鮮総連の第24回全体大会に対する抗議活動[29]を主催したが、2019年7月には会場となった朝鮮学校近辺での街宣活動を禁止する仮処分を下された[30]。2019年後半は香港デモを支援し、10月には「東京自由香港」を立ち上げた。[31][32]。2020年以降はドナルド・トランプ支持を明確にしており、街頭活動も行う。

2021年3月には朝鮮大学前での街宣を禁止する仮処分を下された。 [33][34]

2022年5月には三度、『朝鮮総連の第25回全体大会に対する抗議・糾弾行動』を会場となった朝鮮学校近辺で開催した。[35]

著作

  • 『売る売らないはワタシが決める――売春肯定宣言』要友紀子、小林のん、滝波リサ、国江響子ほか共著、松沢呉一、スタジオ・ポット編、(ポット出版)、2000年。 
  • 『デルクイ01 反体制右翼マガジン』外山恒一千坂恭二絓秀実中川文人ほか共著、デルクイ編集部編、彩流社、2011年。 
  • 『デルクイ02 左右混淆反体制マガジン』外山恒一、千坂恭二、絓秀実、中川文人ほか共著、デルクイ編集部編、彩流社、2013年。 

脚注

  1. ^ a b c d 『青いムーブメント』255頁
  2. ^ a b 『デルクイ 01』著者プロフィール
  3. ^ a b c d e f g 外山恒一 (2015年7月). “野間易通 徹底批判”. 2016年7月19日閲覧。
  4. ^ 不正義の平和よりも正義の戦争を 〜4・20RENK声明「フセイン政権の崩壊と北朝鮮」を批判する〜 http://www.blue-wolves.org/seigi-sensou.html
  5. ^ a b c “政治結社「青狼会」 総統 PROFILE”. 政治結社「青狼会」. 2016年7月19日閲覧。
  6. ^ a b “〈発掘インタビュー〉with 佐藤悟志”. 『人民の敵』第2号(2014.11.1発行). 2016年7月19日閲覧。
  7. ^ a b 『デルクイ 01』11-13頁
  8. ^ a b 『青いムーブメント』298頁
  9. ^ a b “〈発掘インタビュー〉with 佐藤悟志〈正規版“購読”検討用・抜粋〉”. 『人民の敵』第2号(2014.11.1発行). 2016年7月19日閲覧。
  10. ^ 『売る売らないはワタシが決める』266頁、349頁
  11. ^ 『売る売らないはワタシが決める』234頁
  12. ^ (平岡章夫)「「性の商品化」と性差別――「性的自己決定権」批判」『社学研論集』第3号、191-206頁、2004年3月
  13. ^ (青山薫)『「セックスワーカー」とは誰か――移住・性労働・人身取引の構造と経験』大月書店、2007年、55-57頁
  14. ^ 永田えり子「「性的自己決定論」批判」『フェミニズムとリベラリズム――フェミニズムの主張5』江原由美子編、勁草書房、2001年、143-175頁
  15. ^ a b 小谷野敦『日本売春史――遊行女婦からソープランドまで』新潮選書、2007年、203頁
  16. ^ 『検証内ゲバ Part2』245頁、鈴木邦男『続・夕刻のコペルニクス』扶桑社、1998年、158-163頁
  17. ^ “あの人たちが壇上で乱闘、流血、失神…“サブカルの殿堂”ロフトプラスワン20年間のトラブル事件簿(前編)”. リテラ (2016年3月5日). 2016年7月19日閲覧。
  18. ^ 『検証内ゲバ Part2』249頁
  19. ^ 『検証内ゲバ Part2』255頁
  20. ^ 佐藤悟志「不正義の平和よりも正義の戦争を」~4・20RENK声明 「フセイン政権の崩壊と北朝鮮」を批判する~ 投稿日時: 2003-6-1 3:40:20
  21. ^ RENK東京討論会・北朝鮮危機をどう考えるか-不正義の平和は選ばない(7/13) 投稿日時: 2003-6-27 22:19:17
  22. ^ 人権パレード報告 佐藤悟志 投稿日時: 2004-1-13 2:28 
  23. ^ 金正銀当確にどうする金正男! デノミ失敗で再度の大飢饉か? 人民覚醒中の北朝鮮状況を語る 2010・4・15レンク東京公開トーク http://www.blue-wolves.org/event-100415.pdf
  24. ^ “2014年5月24日(土) 09時00分~15時00分の予定”. 行動する保守運動 南関東地区スケジュール. 2016年7月19日閲覧。
  25. ^ “「脱原発運動の新たな局面を考える」”. ロフトプラスワン (2012年1月25日). 2016年7月19日閲覧。
  26. ^ “十一国殇 民主活动家聚集中国驻东京使馆抗议”. 大紀元 (2010年10月3日). 2016年7月19日閲覧。
  27. ^ (龍緯汶) (2011年3月11日). “日本舉行辛亥革命百年祭”. (香港獨立媒體). 2016年7月19日閲覧。
  28. ^ 【2016/4/15】朝鮮総連本部をさら地にする会第10回月例抗議街宣2 https://www.dailymotion.com/video/x44o00e
  29. ^ “2018年5月26日(土) 09時00分~13時00分の予定”. 行動する保守運動 南関東地区スケジュール http://www.koudouhosyu.info/skantou/scheduler.cgi?mode=view&no=1406
  30. ^ 「ヘイト街宣禁止に 朝鮮学校中傷の活動家 東京地裁」神奈川新聞 2019年07月06日 05:00 https://www.kanaloco.jp/article/entry-179857.html
  31. ^ 「東京自由香港」アカウント https://twitter.com/tk_freedom_hk
  32. ^ 「在日香港人、都内でデモ行進 「日本も人権法案を」 産経フォト 2019.12.15 18:56配信 https://www.sankei.com/photo/story/news/191215/sty1912150011-n1.html
  33. ^ 「朝鮮大学校非難の街宣禁止 地裁立川支部が仮処分決定」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG08AN20Y1A300C2000000/
  34. ^ 「理解に苦しむ仮処分」https://francoispignonyagi.tumblr.com/post/645221166985969664/%E7%90%86%E8%A7%A3%E3%81%AB%E8%8B%A6%E3%81%97%E3%82%80%E4%BB%AE%E5%87%A6%E5%88%86/amp
  35. ^ “2022年5月28日(土) 10時00分~12時00分の予定”. 行動する保守運動 南関東地区スケジュール https://www.koudouhosyu.info/skantou/scheduler.cgi?mode=view&no=1654

参考文献

  • いいだもも、(蔵田計成)編著『検証内ゲバ Part2――21世紀社会運動の「解体的再生」の提言』社会批評社、2003年。
  • 鎌田哲哉「「転向ファシスト」の文章――全てのマルチン・ターラーのために」『デルクイ02 左右混淆反体制マガジン』デルクイ編集部編、彩流社、2013年。
  • 佐藤悟志「政治結社「青狼会」 総統 PROFILE」政治結社「青狼会」. 2016年7月19日閲覧。
  • 「ブント清算事業団 代表管財人 PROFILE」ブント清算事業団. 2016年7月19日閲覧。
  • デルクイ編集部編『デルクイ01 反体制右翼マガジン』彩流社、2011年。
  • 外山恒一『青いムーブメント――まったく新しい80年代史』彩流社、2008年。
  • 「野間易通 徹底批判」 2015年7月. 2016年7月19日閲覧。
  • 松沢呉一、スタジオ・ポット編『売る売らないはワタシが決める――売春肯定宣言』ポット出版、2000年。

関連項目

外部リンク

  • 政治結社「青狼会」ホームページ
  • 佐藤悟志 - Facebook
  • ロフトプラスワン襲撃を許さない共同声明
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