令和元年台風第21号(れいわがんねんたいふうだい21ごう、アジア名:Bualoi[1])は、2019年10月に日本の東海上を北上した台風である[2]。日本に上陸はしなかったが、この台風から暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定となり、関東地方と東北地方の太平洋側で大雨になった[2]。特に千葉県と福島県で記録的な大雨となった[3]。
概要
10月17日頃にマーシャル諸島近海で形成が始まった低圧部が、18日15時に熱帯低気圧へと発達し、合同台風警報センター(JTWC)は19日0時30分(協定世界時18日15時30分)に熱帯低気圧形成警報(TCFA)を発表し、同日12時(協定世界時19日3時)に熱帯低気圧番号22Wを付番した。22Wは同日15時にトラック諸島近海(北緯10度40分・東経153度55分)で台風21号となり[4][5]、アジア名「ブアローイ(Bualoi)」と命名された。命名国はタイで、菓子の名前に由来する[6]。台風は22日3時から同日9時までの6時間で中心気圧が20hPaも低下するなど急速に発達し、中心気圧935hPa・最大風速50m/sの「非常に強い」勢力となり最盛期を迎えた。その後24日に小笠原諸島の父島などに最接近し、25日21時に日本の東(北緯35度・東経150度)で温帯低気圧に変わった[7]。
この台風は、10月24日から26日にかけて日本の東海上を北上したことから[2]、「台風21号」は3年連続で日本に接近または上陸したことになった。
被害
日本付近を通過した亜熱帯低気圧と、この台風の湿った空気の影響で、10月25日は関東・東北地方で大雨となり、特に千葉県と福島県では河川の氾濫や浸水被害が相次いで発生するなどし、死者13人・負傷者13人の大きな被害が出た[8][2]。
脚注
- ^ デジタル台風:台風201921号(BUALOI)- 総合情報(気圧・経路図) - 国立情報学研究所(北本朝展)
- ^ a b c d “令和元年台風21号(2019年10月25日) | 災害カレンダー”. Yahoo!天気・災害. 2020年7月22日閲覧。
- ^ “2019年 台風第21号 (Bualoi) : TY1921”. 2020年7月24日閲覧。
- ^ “”. 気象庁 (2019年10月19日). 2019年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月20日閲覧。
- ^ “台風21号「ブアローイ」発生”. 日本気象協会 (2019年10月19日). 2019年10月20日閲覧。
- ^ “デジタル台風:2019年台風21号(ブアローイ|BUALOI)”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年7月22日閲覧。
- ^ “台風21号 温帯低気圧に変わりました”. 日本気象協会 (2019年10月25日). 2019年10月27日閲覧。
- ^ “大雨、千葉と福島で死者10人に 1カ月分超の雨量襲う”. 朝日新聞 (2019年10月26日). 2019年11月11日閲覧。
関連項目
- 令和元年10月25日の大雨 - この台風により発生した豪雨災害。千葉県を中心に大きな被害が出た。
- 2019年の台風
- 令和元年房総半島台風(台風15号)- 2019年9月、千葉県に大きな被害をもたらした。
- 令和元年東日本台風(台風19号)- 2019年10月、東日本に大きな被害をもたらした。