世界柔道団体選手権大会(せかいじゅうどうだんたいせんしゅけんたいかい)は柔道の国別世界一を決める団体戦の大会。主催はIJF。
概説
1994年にフランスのパリで第1回のワールドカップ国別団体選手権大会が開催される。女子は1997年に大阪で初開催される。1998年からは男女共催となる。2003年と2005年の世界選手権の際には国別団体戦が開催されたものの、この2大会はエキシビションであって正式な大会ではない[1]。2007年からは世界柔道団体選手権大会という名称で装いも新たな大会となる。2008年の大会では優勝チームに50,000ドル、2位に25,000ドル、3位に15,000ドルがそれぞれ授与された[2]。2014年からは、メダリストの他にそのコーチにも賞金が支給されることになった。そのため、メダリストの賞金は従来より2割減となった(優勝チームに2万ドル、そのコーチに5000ドル、2位に1万2千ドル、そのコーチに3000ドル、3位に4000ドル、そのコーチに1000ドル)[3]。2008年の大会までは個人戦と同じ男女各7階級で争われていたが、2010年の大会から現行の5階級となった[4]。2011年からは個人戦と同時期に開催されることになった(2012年を除く)。2015年には日本チームが世界カデ、世界ジュニア、ユニバーシアード、世界選手権における男女の団体戦を制したことにより、同一年に世界大会の団体戦を史上初めて完全制覇することになった[5][6][7]。2020年の東京オリンピックで男女各3名の計6名による混合団体戦の実施が決まったことから、2017年の大会からは従来の男女別による5人制の団体戦ではなくオリンピックを見据えた混合団体戦が導入された。団体戦の実施階級は男子が73kg級、90kg級、90kg超級、女子が57kg級、70kg級、70kg超級となった。一本勝ち(不戦勝、棄権勝ちを含む)が10点、技ありによる優勢勝ちが1点、指導差での勝利は0点に換算される。勝利数ないしは合計ポイントで同点の場合は無作為に選出された同階級同士による代表戦となる。代表戦はGSから開始されるために、どちらかが先に技のポイントか指導3による反則勝ちを収めた時点で勝敗が決する[8][9]。2018年の世界団体からは従来のように軽い階級から試合が行われるのではなく、抽選で階級の順番が決まることになった。さらに、勝敗が決して以降の試合は行われないことにもなった(後者に関してはすでに2017年の世界ジュニアで先取りされていた)[10][11]。
実施階級
男女別
男子 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
66 kg 以下 | 66〜73 kg | 73〜81 kg | 81〜90 kg | 90kg 超 | |||
女子 | |||||||
52 kg 以下 | 52〜57 kg | 57〜63 kg | 63〜70 kg | 70kg 超 |
男女混合
男子 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
73 kg 以下 | 81〜90 kg | 90kg 超 | |||||
女子 | |||||||
57 kg 以下 | 63〜70 kg | 70kg 超 |
結果
男子
女子
男女混合団体戦
国別団体戦(エキシビション)の結果
男子
開催年 | 優勝 | 2位 | 3位 | 3位 |
---|---|---|---|---|
2003 | フランス バンジャマン・ダルベレ ラルビ・ベンブダウ ダニエル・フェルナンデス (セドリク・クラベリ) フレデリック・デモンフォコン ジスラン・ルメール (フレデリク・ルカヌ) マチュー・バタイユ | 日本 野村忠宏 鳥居智男 小見川道浩 金丸雄介 高松正裕 秋山成勲 泉浩 矢嵜雄大 井上智和 井上康生 棟田康幸 鈴木桂治 上口孝太 | ロシア マゴメド・ジャファロフ (サラム・メジドフ) ハサンビ・タオフ (ドミトリー・マクシモフ) タメルラン・トメノフ | イラン マスード・ハジ・アーホンドザーデ カゼム・サリハニ (コベスラフ・ベレチェイ) (マスード・ホスラビネジャド) (サエド・ホスラビネジャド) マフムード・ミラン |
2005 | 韓国 鄭富競 金宰範 (金旼奎) 黄禧太 蔣盛晧 金聖氾 | 日本 内柴正人 秋本啓之 高松正裕 金丸雄介 小野卓志 野瀬英豪 泉浩 斎藤制剛 棟田康幸 生田秀和 | ジョージア (ダビド・マルゴシビリ) (ダビド・ケフキシビリ) (グリゴリ・マムリキシビリ) ズラブ・ズビャダウリ イラクリ・ツィレキゼ (イベリ・ジクラウリ) | ブラジル ジョアン・デルリ レアンドロ・ギルヘイロ ティアゴ・カミロ (アレクサンデル・ゲデス) ジョアン・シリトレー |
女子
開催年 | 優勝 | 2位 | 3位 | 3位 |
---|---|---|---|---|
2003 | 日本 田村亮子 横澤由貴 宝寿栄 茂木仙子 谷本歩実 上野順恵 上野雅恵 貝山仁美 阿武教子 松崎みずほ 塚田真希 薪谷翠 | 中国 劉玉香 李淑芳 秦東亜 尹玉峰 佟文 | フランス フレデリク・ジョシネ アナベル・ウラニ バルバラ・アレル リュシ・デコス (アミナ・アブデラティフ) (マリー・パスケ) セリーヌ・ルブラン アン=ソフィー・モンディエール (エバ・ビセニ) | キューバ ダニエスカ・カリオン アマリリス・サボン ユリスレイディス・ルペティ ドリュリス・ゴンサレス レグラ・レイエン ユリセル・ラボルデ ダイマ・ベルトラン |
2005 | フランス アナベル・ウラニ バルバラ・アレル リュシ・デコス (マリー・パスケ) セリーヌ・ルブラン | 韓国 金京玉 (チョン・ヘミ) (李馥熙) (裵恩惠) チョン・ジウォン | 日本 横澤由貴 吉村依子 宮本樹理 岩藤理恵 谷本歩実 上野順恵 上野雅恵 渡邉美奈 塚田真希 杉本美香 | アルジェリア ソラヤ・ハダド (リラ・ラトルス) (カヒナ・ハディド) (ラディア・ブブリウア) (ラチダ・ウエルダネ) |
各国メダル数
歴代開催地一覧
年 | 開催都市 | 開催国 |
---|---|---|
1994 | パリ | フランス |
1997 | 大阪 | 日本 |
1998 | ミンスク | ベラルーシ |
2002 | バーゼル | スイス |
2003 | 大阪(エキシビション) | 日本 |
2005 | カイロ(エキシビション) | エジプト |
2006 | パリ | フランス |
2007 | 北京 | 中国 |
2008 | 東京 | 日本 |
2010 | アンタルヤ | トルコ |
2011 | パリ | フランス |
2012 | サルヴァドール | ブラジル |
2013 | リオデジャネイロ | ブラジル |
2014 | チェリャビンスク | ロシア |
2015 | アスタナ | カザフスタン |
2017 | ブダペスト | ハンガリー |
2018 | バクー | アゼルバイジャン |
2019 | 東京 | 日本 |
2021 | ブダペスト | ハンガリー |
2022 | タシケント | ウズベキスタン |
2023 | ドーハ | カタール |
脚注
- ^ 「これで君も柔道博士」近代柔道 ベースボールマガジン社、2017年9月号 69頁
- ^ 2008 WC Team - Tokyo
- ^ 2014 WC - Chelyabinsk
- ^ World Judo Teams Championships 2010 ANTALYA
- ^ Japanese junior men beat Georgia in world final
- ^ Japanese junior women World Champion
- ^ CM Juniors 2015 (J5)
- ^ 東京五輪の新種目決定 柔道男女3人の「団体」など[]
- ^ World Senior Championship & Teams 2017
- ^ 柔道混合団体、試合順は抽選「強すぎる日本」の影響 - 柔道
- ^ World Championships Juniors & Teams 2017
外部リンク
- JudoInside.com World Championships Teams