三菱ガス化学株式会社(みつびしガスかがく、登記上の商号:三菱瓦斯化学株式会社、英: Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.)は、日本の化学メーカー。三菱グループの一員であり、三菱金曜会[2]及び三菱広報委員会[3]の会員企業である[4][5]。
三菱ガス化学本社のある三菱ビル | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 東証プライム 4182 1954年2月15日上場 |
略称 | 三菱ガス化学、MGC |
本社所在地 | 日本 〒100-8324 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 三菱ビル |
設立 | 1951年(昭和26年)4月21日 (日本瓦斯化学工業株式会社) |
業種 | (化学) |
法人番号 | 9010001008768 |
事業内容 | 天然ガス系化学品 芳香族化学品 機能化学品 特殊機能材 |
代表者 | 倉井敏磨(代表取締役会長) (藤井政志)(代表取締役社長) |
資本金 | 419億70百万円 (2021年3月31日現在) |
発行済株式総数 | 2億2573万9199株 (2021年3月31日現在) |
売上高 | 連結:5957億18百万円 (2021年3月期) |
営業利益 | 連結:445億10百万円 (2021年3月期) |
経常利益 | 連結:502億40百万円 (2021年3月期) |
純利益 | 連結:360億70百万円 (2021年3月期) |
純資産 | 連結:5814億11百万円 (2021年3月31日現在) |
総資産 | 連結:8363億64百万円 (2021年3月31日現在) |
従業員数 | 連結:8,998名 単体:2,427名 (2021年3月31日現在) |
決算期 | 3月31日 |
会計監査人 | 東陽監査法人 |
主要株主 | 日本マスタートラスト信託銀行(信託口)9.38% 日本カストディ銀行(信託口)5.55% 明治安田生命保険 4.23% 日本生命保険 4.23% 農林中央金庫 2.42% AGC 2.08% 横浜銀行 1.48% 日本カストディ銀行(信託口5)1.45% JPモルガン証券 1.39% 日本カストディ銀行(信託口4)1.35% (2021年3月31日現在) |
主要子会社 | ㈱JSP 51.0% MGCウッドケム 100% (フドー㈱) 100% |
関係する人物 | (杉田克彦)(元代表取締役専務執行役員、現常勤監査役) (水上政道)(元代表取締役専務執行役員、現常勤監査役) |
外部リンク | https://www.mgc.co.jp |
特記事項:経営指標2021年3月期[1] |
概要
日本海に天然ガスの自社鉱区を所有し、過酸化水素、キシレン誘導品、アンモニア誘導品、エンジニアリングプラスチックなどの化学品を生産しているほか、サウジアラビアやベネズエラなど海外で、メタノールを合弁方式によって生産している。また、鉄が錆びるときに酸素を吸収する原理を応用した脱酸素剤『エージレス®』を世界に先駆けて商品化したことで知られる。これは食品の鮮度保持などに広く用いられている。
エンジニアリングプラスチックでは、5大汎用エンプラのうち4種を自社開発技術で製造している。DVDやCD等の材料となるポリカーボネートでは世界トップシェア、自動車のギアやカムなどの材料となるポリアセタール、家電やOA機器の主要パーツとなる(ポリフェニレンエーテル)などである[6]。
2015年3月期の連結売上の内訳は、メタノールやMMAなど天然ガス系化学品が約1,976億円、メタキシリレンジアミン誘導体など芳香族化学品が1,233億円、過酸化水素やポリカーボネートなど機能化学品が約1,660億円、プリント基板用材料や脱酸素剤『エージレス®』など特殊機能材が約582億円となっている。
沿革
旧・三菱江戸川化学
- 1918年(大正7年)- 三菱製紙の出資により江戸川バリウム工業所を設立。翌年江戸川工業所に、さらに1922年(大正11年)に合資会社江戸川工業所に改称。
- 1933年(昭和8年)- 東京工場の隣に東京メタノールを設立。4年後、同社を吸収して株式会社江戸川工業所と改称。
- 1943年(昭和18年)- 日本低温化学を吸収合併。
- 1949年(昭和24年)- 江戸川化学工業株式会社に改称。
- 1951年(昭和26年)- 本社研究所を開設し、浪速合成化工を吸収合併。
- 1962年(昭和37年)- 三菱江戸川化学株式会社に改称。
- 1969年(昭和44年)- 台湾に台豊印刷電路工業股有限公司を設立。
旧・日本瓦斯化学工業
- 1951年(昭和26年)- 日本瓦斯化学工業株式会社を設立。
- 1954年(昭和29年)- 新潟証券取引所(現在は消滅、1月)、東京証券取引所(2月)、大阪証券取引所(現在は市場統合、7月)に上場。
- 1957年(昭和32年)- 日本樹脂化学工業を設立し、4年後に再び吸収。
- 1959年(昭和34年)- 名古屋証券取引所(現在は上場廃止、8月)に上場。
- 1961年(昭和36年)- 水島石油化学工業を設立。
- 1970年(昭和45年)- 東洋紡績と合弁で水島アロマを設立し、韓国に三敬化成を設立。
合併後
- 1972年(昭和47年)- 三菱江戸川化学(当時は非上場)と日本瓦斯化学工業が対等合併し、三菱瓦斯化学株式会社に改称。
- 1979年(昭和54年)‐ 日本サウジアラビアメタノールを設立。
- 1985年(昭和60年)- デュポンとの合弁でエムジーシーデュポンを設立。
- 1986年(昭和61年)- 佐賀製造所を新設。
- 1991年(平成3年)- CIを制定し表記社名を三菱ガス化学株式会社に変更。ヱレクトロテクノを設立。
- 1994年(平成6年)‐ 三菱化成(三菱化学を経て、現・三菱ケミカル)との合弁で三菱エンジニアリングプラスチックスを設立。
- 1996年(平成8年)- 新潟工業所で稼動していた日本で最後のメタノール製造プラントを停止。
- 2000年(平成12年)- チッソとの合弁でシージーエスターを、日本パーオキサイドとの合弁で共同過酸化水素をそれぞれ設立。
- 2001年(平成13年)- 丸紅との合弁で水島パラキシレンを設立。
- 2002年(平成14年)- 三菱化学との合弁でダイヤティーエーを設立。
- 2004年(平成16年)- 大塚化学との合弁でエムジーシー大塚ケミカルを設立。
- 2005年(平成17年)- 住友金属鉱山との合弁でグラノプトを設立。
- 2007年(平成19年)- 新潟工場で爆発事故発生。
- 2009年(平成21年)- 大阪証券取引所、名古屋証券取引所上場廃止。
- 2015年(平成27年)- 東京証券取引所一部上場のJSPを子会社化。
- 2019年(令和元年)- 白河工場内に完全人工光型植物工場を竣工、野菜生産に参入。
- 2021年(令和3年)- J-オイルミルズからの株式取得によりJ-ケミカルを子会社化。
事業所
グループ企業
2015年3月末時点の子会社及び関連会社数は161社である[7]。
連結子会社
- (永和化成工業)
- (MGCアドバンス)
- (MGCエネルギー)
- (MGCエレクトロテクノ)
- (MGCターミナル)
- MGCフィルシート
- (共同過酸化水素)
- JSP
- (東邦アーステック)
- (東洋化学)
- 日本ファインケム
- 日本ユピカ
- (フドー)
- (ポリオールアジア)
- (三菱ガス化学トレーディング)
- MGCウッドケム
- (米沢ダイヤエレクトロニクス)
- (菱和エンタープライズ)
持分法適用関連会社
- (エムジーシー大塚ケミカル)
- (グラノプト)
- 国華産業
- (シージーエスター)
- (日本・サウジアラビアメタノール)
- (日本トリニダードメタノール)
- (三菱エンジニアリングプラスチックス)
- (湯沢地熱)
- (菱電化成)
その他
- (安比地熱)
- (MGCエージレス)
- (MGCファーミックス)
- (MGC保険サービス)
- (MGCロジスティクス山北)
- (MTオプティクス)
- (大鹿ホルマリン)
- (化学運輸)
- (カルティベクス)
- (グローバルポリアセタール)
- (新酵素化学)
- (ダイヤアクアソリューションズ)
- (日新カラリング)
- (日本ホルマリン工業)
- (八幡平グリーンエナジー)
- (水島可塑剤)
- (水島パラキシレン)
- (名阪真空工業)
- (山田化成)
- (菱江ロジスティクス)
- (菱東運輸倉庫)
- (菱有工業)
脚注・出典
関連項目
- 岩船沖油ガス田
- 東新潟油ガス田 - 新潟工場の敷地内で採掘を行っている。
- 山下達郎のサンデー・ソングブック - JFN系列で放送されているTOKYO FM制作の音楽番組。同番組の2023年4月2日放送分よりスポンサーとして参加している。
外部リンク
- 三菱ガス化学株式会社 公式サイト