リゾートビューふるさとは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が長野駅 - 南小谷駅間を運行している臨時快速列車およびその使用車両の愛称である。
リゾートビューふるさと | |
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リゾートビューふるさと (2012年5月) | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 快速列車 |
地域 | 長野県 |
運行開始 | 2010年10月2日 |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
路線 | |
起点 | 長野駅 |
終点 | 南小谷駅 |
使用路線 | 信越本線・篠ノ井線・大糸線 |
車内サービス | |
クラス | 普通車 |
座席 | 全車指定席 |
技術 | |
車両 | HB-E300系気動車(長野総合車両センター) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 直流1,500V |
備考 | |
臨時列車扱い |
本項では、派生列車として2012年4月20日から長野駅 - 姨捨駅間を運行している臨時快速列車「ナイトビュー姨捨」についても記述する。
概要
2010年10月2日、信州デスティネーションキャンペーンに合わせて運行が開始された。
キャッチコピーは「ゆとりとおもてなしのリゾートトレイン」。列車名の「リゾートビューふるさと」は、列車が運行する沿線の山々、川や湖、空、里山など、日本の「ふるさと」を思い起こさせる美しい風景と、多くの人々の出会いがつながる旅を創り出せる列車をイメージして名づけられた。
運行概況
全車指定席。1日1往復運行。年間を通して土曜日・休日[1]を中心に運転するが、夏休みや年末年始など毎日運転する期間もある[2]。
走行区間のうち、長野 - 松本間(信越本線・篠ノ井線)は、路線運営側では同列車を含め松本方面に向かう列車が上り、長野方面に向かう列車が下りだが、同列車側では同区間走行時を含め長野発南小谷行きを下り(往路)、南小谷発長野行きを上り(復路)としている[2]。この項では、長野発南小谷行きを往路、南小谷発長野行きを復路として記述する。
(日本三大車窓)として知られる篠ノ井線稲荷山駅 - 姨捨駅間や大糸線の一部区間では徐行運転を行う。また往路では穂高駅に30分程度停車し、停車時間中に穂高神社を参拝することが可能で、参拝希望者のために列車の到着にあわせて同神社の巫女が出迎え、案内を行う。
往路では、土・休日を中心に「車内でのおもてなしイベント」として、地元自治体関係者や有志などが、地元に伝わる民話の語りや郷土芸能を披露するイベントがあり、この模様は車内モニターでも流される[3][2]。このほかにも、車内や停車駅で季節に応じた各種イベントが開催されている[4][5][6][7]。
同列車には、リゾートアテンダントと呼ばれる客室乗務員が乗務し、観光案内や車内販売等を行っている。車内販売には原則として駅弁の積み込みを行わないため、駅弁購入希望者は長野発南小谷行き・南小谷発長野行きともに松本駅到着前までにリゾートアテンダントに予約注文する必要がある。
同列車に乗務する車掌は、JR東日本の新幹線同様に、あらかじめ座席指定券に印字されている座席に座れば車内改札は行わないが、車内改札用のスタンパーが「リゾートビューふるさと」専用のスタンプとなっており、車掌に申し出ると捺印してくれる。
1号車の車内には、記念スタンプや観光地のみどころなどが記載された乗務員手作りのガイドブックが備えつけられている[8]。
列車側面のLED方向幕には「リゾートビューふるさと」専用の幕が用意されている。ただ、同車両を使用して多客期などに運転する「リゾートビュー諏訪湖」や「ナイトビュー姨捨」、「リゾートビュー八ヶ岳」などは、種別と行先のみが表示される。
「リゾートビューふるさと」専用表示
種別と行先のみの表示
停車駅
長野駅 - 篠ノ井駅 - 姨捨駅 - 明科駅[9] - 松本駅 - 穂高駅 - 信濃松川駅[10] - 信濃大町駅 - 白馬駅 - 南小谷駅
使用車両
HB-E300系気動車2両編成(長野総合車両センター所属)[2]
担当乗務員区所
ナイトビュー姨捨
ナイトビュー姨捨 | |
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概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 快速列車 |
地域 | 長野県 |
運行開始 | 2012年4月20日 |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
路線 | |
起点 | 長野駅 |
終点 | 姨捨駅 |
使用路線 | 信越本線・篠ノ井線 |
車内サービス | |
クラス | 普通車 |
座席 | 全車指定席 |
技術 | |
車両 | HB-E300系気動車(長野総合車両センター) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 直流1,500V |
備考 | |
臨時列車扱い |
前述の姨捨駅や車窓からの夜景を鑑賞するための列車として、2012年4月20日に長野駅 - 姨捨駅間で運行が開始された。全車指定席。1日1往復運行。
「リゾートビューふるさと」同様リゾートアテンダントが観光案内・車内販売業務を行い、特製弁当も発売される。終点の姨捨駅では地元のボランティアガイドが夜景の案内を行い、地元の有志による民話の語りの披露、味噌汁や甘酒の振る舞いも行われる[11]ほか、2013年度までは姨捨駅の窓口では特製プレートも発売され、プレートを買った人にはオリジナルの乗車証明書がプレゼントされた。復路では、姨捨駅発車後に善光寺平の夜景を鑑賞するため、車内を減光するサービスを行っている。
2015年(平成27年)7月27日に「日本夜景遺産(施設型夜景遺産)」に認定された[12]。鉄道での認定は静岡県の岳南電車に続き2例目となる[13][14]。
かつては「ナイトビュー姨捨往復きっぷ」と称する特別企画乗車券が存在した。長野 - 姨捨間の往復乗車券に、往復のナイトビュー姨捨の指定席券がついたものであった。
使用車両
HB-E300系気動車2両編成(長野総合車両センター所属)
停車駅
長野駅 - 篠ノ井駅 - 姨捨駅
担当乗務員区所
- 車掌・運転士
- 長野 - 姨捨間 : 長野総合運輸区
沿革
- 2010年10月2日:運行開始。
- 2011年
- 3月12日 - 3月14日:前日の3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響で全区間で運休する。
- 3月18日 - 3月21日:震災の影響により燃料供給の見通しが不透明であることから485系「彩」による代走を実施[15][16]。
- 3月25日:上記事由によりE257系による代走を実施[17]。
- 3月26日 - 3月27日:上記事由により485系「彩」による代走を実施[17]。
- 4月1日:上記事由により全区間で運休。
- 4月2日:燃料供給の見通しがたったことから所定運転となる。同日より松本 - 南小谷間においてワンマン運転実施。
- 9月9日:「リゾートビューふるさと」専用ホームページを開設。
- 10月1日:「リゾートビューふるさと」デビュー1周年を記念した入場券を発売[18]
- 2012年
- 2013年3月16日:ダイヤ改正に併せ停車駅の見直しを行い、往路のみ海ノ口駅への停車を開始。
- 2014年7月4日:停車駅の見直しを行い、夏期シーズン・往路のみ明科駅への停車を開始する。
- 2015年
- 2016年7月1日:停車駅の見直しを行い、夏期シーズン・往路のみ停車していた明科駅に復路も停車するようになる。
- 2017年3月4日:ダイヤ改正に併せ停車駅の見直しを行い、新規に篠ノ井駅への停車を開始。乗降客減少のため海ノ口駅は通年通過扱いとなる。
- 2020年
塗色・内装
展望スペース部分に黄緑色、客室部分は下から上に向かって緑色と白色のグラデーションに彩色され、客室部分の裾に黄土色の帯を配している。これは長野県の県木であるシラカバの森の中を走り抜けるイメージである。
2020年10月12日から2022年12月25日まで長野県PRキャラクターアルクマの登場10周年を記念したラッピングを施して運用していた。アルクマラッピング終了と同時にロゴマークも剥がされた。
1号車11D席には常時アルクマの特大ぬいぐるみが設置されている。
運行開始から2022年12月まで張られていたロゴマーク
10C/Dと11C/Dはアルクマ専用席に固定されている
アルクマ登場10周年ラッピング
脚注
- ^ 毎月第3週は、車両運用の都合により運転を行わない日がある。
- ^ a b c d “楽しい列車ポータル.リゾートビューふるさと HB-E300系”. 東日本旅客鉄道. 2016年5月26日閲覧。
- ^ 車内イベント紹介 - リゾートビューふるさと専用ホームページ
- ^ (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道・長野支社、2012年8月28日。 オリジナルの2013年9月27日時点におけるアーカイブ2016年5月26日閲覧。 。
- ^ a b (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道・長野支社、2012年11月8日。 オリジナルの2013年9月27日時点におけるアーカイブ2016年5月26日閲覧。 。
- ^ (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道・長野支社、2012年12月13日。 オリジナルの2013年3月17日時点におけるアーカイブ2016年5月26日閲覧。 。
- ^ (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道・長野支社、2013年5月31日。 オリジナルの2013年6月26日時点におけるアーカイブ2016年5月26日閲覧。 。
- ^ ファイル形式のため、閲覧専用となっており持ち帰りはできない。
- ^ 夏期運転日(7月から9月)以外は通過する。
- ^ 信濃松川駅から至近にある安曇野ちひろ美術館へのアクセスとして停車するため、同美術館が冬季休館する12月から2月の運転日は通過する。
- ^ (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2012年2月24日。 オリジナルの2012年4月20日時点におけるアーカイブ2016年5月26日閲覧。 。
- ^ “”. 日本夜景遺産 (2015年7月27日). 2015年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月26日閲覧。
- ^ 恵 知仁 (2015年7月31日). . 乗りものニュース (メディア・ヴァーグ). オリジナルの2015年8月2日時点におけるアーカイブ。2016年5月26日閲覧。
- ^ a b (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道・長野支社、2015年7月30日。 オリジナルの2015年8月6日時点におけるアーカイブ2016年5月26日閲覧。 。
- ^ 「彩」は本来全車両がグリーン車扱いであるが本列車では全車自由席扱いでの運用。
- ^ (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道・長野支社、2011年3月17日。 オリジナルの2011年3月23日時点におけるアーカイブ2016年5月26日閲覧。 。
- ^ a b (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道・長野支社、2011年3月23日。 オリジナルの2011年3月24日時点におけるアーカイブ2016年5月26日閲覧。 。
- ^ (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道・長野支社、2011年9月16日。 オリジナルの2011年10月12日時点におけるアーカイブ2016年5月26日閲覧。。 。
- ^ (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道・長野支社、2015年6月11日。 オリジナルの2015年7月13日時点におけるアーカイブ2016年5月26日閲覧。 。
- ^ 『「のってたのしい列車」の運休について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年4月8日2020年4月8日閲覧。 。
- ^ 『発売見合わせ中の新幹線および在来線特急等の運転計画・指定席発売について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年5月13日2020年5月13日閲覧。 。
- ^ 『「のってたのしい列車」の運転再開について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年6月26日2020年6月26日閲覧。 。
- ^ 『「「リゾートビューふるさと」車両ラッピングを終了します』(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2022年9月16日2022年9月19日閲覧。 。
外部リンク
- のってたのしい列車 ポータル>リゾートビューふるさと:JR東日本