「ミュージック・アワー」(英文表記: Music Hour)は、ポルノグラフィティの楽曲。2000年7月12日にSME Recordsより3作目のシングルとしてリリースされた。
概要
前作『ヒトリノ夜』から5か月半ぶりのリリース。
リリース当時のポルノグラフィティは、ポルノグラフィティ=「アポロ」という世間のイメージと闘っている時期であり、本作のリリース前にはアミューズの先輩である福山雅治から「次は3枚目だね、勝負の時だね」とプレッシャーをかけられたという[1]。そんな中で表題曲は大塚製薬「ポカリスエット」2000年度CMソングに起用され、オリコン週間シングルチャート最高5位を獲得[2]。半年近くに渡ってチャートにランクインするロングヒットとなり、最終的には『アポロ』を上回る約46万枚の売上を記録した[2]。
本作の大ヒットによって「アポロ」との闘いに終止符を打つこととなり、岡野昭仁は「このシングルによって、より一層ポルノチームに結束感が生まれたと思う」と語っている[3]。
収録曲
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 「ミュージック・アワー」 | ハルイチ | ak.homma | ak.homma | |
2. | 「PRIME」 | アキヒト | シラタマ | ak.homma | |
3. | 「(Century Lovers) (LIVE!)」 | ハルイチ | ak.homma | ak.homma | |
4. | 「ミュージック・アワー (Backing track)」 | ||||
合計時間: |
楽曲解説
- ミュージック・アワー
- 大塚製薬「ポカリスエット」2000年度CMソング
- ライヴではサビで手を左右上下に交互に動かす踊り(通称: 変な踊り[注釈 1])がお馴染みの定番曲の一つ[5][6]。
- 当初は次作の「サウダージ」がポカリスエットCMソングとしてリリースされる予定であったが、「夏のイメージに合わない」という理由から急遽本楽曲が制作された。なお、岡野・新藤共に「楽曲制作で一番大変だった曲は?」との問いに本楽曲と答えている[7]。
- 歌詞はラジオ番組の進行風の展開で描かれているが[8]、これはメンバー3人がパーソナリティを務めていたbay-fm『限界ポルノラジオ』での出来事を参考にしているという。作詞を手掛けた新藤は「今回は言葉の裏側を探してみたりとかじゃなくて、ただ楽しいっていう曲」と語っており、"夏"というテーマに合わせ「海に行きたくなるような、うきうきする感じの曲だったらいいな」という気持ちで詞を書いたとのこと[9]。また、制作当初から何度か詞を書き直しており[10]、『東京ロマンスポルノ vol.4 "横G"』(2000年6月17日)での初披露後にもサビを一部書き直したという[11]。
- 曲の冒頭の「(love up!) Station」というフレーズ箇所を全国のラジオ局名や『オールナイトニッポン』『コンビニラジオ相本商店いらっしゃいませ〜』といったラジオ番組名に言い換えた限定バージョンがあり、2ndアルバム『』に収録された「ミュージック・アワー Ver.164」を含め、全164バージョンが存在する[注釈 2][3]。ライヴアレンジのバリエーションも多彩で、ブラスサウンドをフィーチャーしたアレンジ[注釈 3]やテンポを倍速にした「ミュージック・サワー」[注釈 4]など、年々種類が増加している。
- 2000年9月1日に放送された『第20回全国高等学校クイズ選手権』では本楽曲が挿入歌として使用された。
- PRIME
- Century Lovers (LIVE!)
- 1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』収録曲のライヴバージョン。音源は『1stライヴサーキット "Tour 08452 〜Welcome to my heart〜"』渋谷ON AIR EAST公演(2000年4月20日)で収録されたもの。
- ライヴバージョンの音源化について、メンバーは「秋のツアー(2ndライヴサーキット "D4-33-4")に向けて」と語っている[11]。
Additional Musicians
- ミュージック・アワー
- PRIME
- 不明
- Century Lovers (LIVE!)
収録作品
# | タイトル | 収録作品 |
---|---|---|
1 | ミュージック・アワー |
|
2 | PRIME |
|
3 | Century Lovers | 詳細は「(ロマンチスト・エゴイスト#収録作品)」を参照 |
カバー
- ミュージック・アワー
-
- Poppin'Party
- カバーアルバム『(バンドリ! ガールズバンドパーティ! カバーコレクション Vol.4)』(2020年5月27日) に収録。
- KAWAII BOX
- 『Summer festival -夏祭-』(2020年6月19日) に収録。
- 『女性が歌うJ-POP BEST -元気歌-』(2020年11月10日) に収録。
- 『J-POP ROCK BEST ~FUN~』(2020年12月15日) に収録。
- 『恋うた 〜アガるJ-POP〜』(2021年6月2日) に収録。
- 『出かけたくなる ドライブJ-POP 夏』(2021年7月16日) に収録。
- 『令和も懐メロ! ~女性が歌うJ-POPカバー~』(2021年8月2日) に収録。
- 『思い出ドライブ ~旅行・キャンプ・里帰り・思い出をJ-POPカバーに乗せて~』(2021年8月18日) に収録。
- BEMANI Sound Team "PON"
- 『beatmania IIDX 29 CastHour』(2021年12月23日) に収録。
- Poppin'Party
脚注
注釈
- ^ この「変な踊り」はアミューズの社長から「昭仁、あの曲には振り付けをつけろ」と言われたことが始まりである[4]。岡野は振りを付けるのは嫌だったというが、社長の指示を断るわけにもいかないため、定着しないような、岡野自身が考えうる一番「ダサい」振り付けをリリース直後のツアー(2ndライヴサーキット "D4-33-4")で披露した結果、浸透してしまったとのこと。
- ^ 新藤は「約180バージョンもある」と当時開設していた自身のブログに綴っている。
- ^ 『5thライヴサーキット "BITTER SWEET MUSIC BIZ"』や『幕張ロマンスポルノ'11 〜DAYS OF WONDER〜』で披露。
- ^ 『ポルノグラフテー IN OKINAWA Shine on the beach』で披露。
- ^ 前述のアルバムバージョンでの収録。
- ^ a b ライヴ音源を収録。
- ^ a b c d e f メドレー内の1曲として収録。
出典
- ^ 『ポルノグラフィティ ワイラノクロニクル―B.PASS SPECIAL EDITION』シンコーミュージック、2001年3月1日、90頁。
- ^ a b “食卓ON楽”. 広島FM (2008年8月8日). 2022年6月7日閲覧。
- ^ a b 『PORNOGRAFFITTI × PATi・PATi COMPLETE BOOK ~15years file~ 1』エムオン・エンタテインメント、2014年12月22日、115頁。
- ^ Inc, Natasha. “ポルノグラフィティ「ミュージック・アワー」斎藤さんバージョンへの反応は”. 音楽ナタリー. 2022年10月20日閲覧。
- ^ “ポルノグラフィティ、20年を凝縮した東京ドーム公演 “祝祭”にふさわしいステージに”. Real Sound (2019年9月14日). 2022年10月20日閲覧。
- ^ “ポルノ、和義、サカナ、星野、flumpoolが夢の競演6時間”. 音楽ナタリー (2012年10月10日). 2022年10月20日閲覧。
- ^ “ポルノグラフィティ岡野昭仁のオールナイトニッポン” (2007年9月8日). 2022年10月20日閲覧。
- ^ “ポルノグラフィティ / ミュージック・アワー”. CDJournal. 2022年10月20日閲覧。
- ^ a b c d 『ポルノグラフィティ ワイラノクロニクル―B.PASS SPECIAL EDITION』シンコーミュージック、2001年3月1日、190,192頁。
- ^ 『ポルノグラフィティ ワイラノクロニクル―B.PASS SPECIAL EDITION』シンコーミュージック、2001年3月1日、88頁。
- ^ a b c d 『PORNOGRAFFITTI × PATi・PATi COMPLETE BOOK ~15years file~ 1』エムオン・エンタテインメント、2014年12月22日、61頁。
関連項目
外部リンク
- ポルノグラフィティ公式サイト