マルチェロ・ガンディーニ(Marcello Gandini 、1938年8月26日 - )は、イタリア出身のインダストリアルデザイナー。
マルチェロ・ガンディーニ Marcello Gandini | |
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コンセプトカー「アウトビアンキ・A112ラナバウト」を披露するガンディーニ(1969年) | |
生誕 | 1938年8月26日(84歳) イタリア王国 ピエモンテ州トリノ |
国籍 | イタリア |
親 | マルコ・ガンディーニ |
業績 | |
専門分野 | インダストリアルデザイナー カーデザイナー |
勤務先 | マルチェロ・ガンディーニ・デザインスタジオ(1980年 - ) |
雇用者 | ベルトーネ(1965年 - 1979年) ルノー(1980年 - 1985年) |
設計 | ランボルギーニ・ミウラ ランボルギーニ・カウンタック ランボルギーニ・ディアブロ フェラーリ・ディーノ208/308GT4 ランチア・ストラトス フィアット・X1/9 マセラティ・カムシン アルファロメオ・モントリオール シトロエン・BX ルノー・5 ほか多数 |
自動車産業界で高名なカーデザイナーとして知られている。担当した仕事は自動車以外にも、インテリア・建築・工業製品・航空機に至るまで多岐にわたっている。
カロッツェリア「ベルトーネ」の元チーフデザイナーで、スーパーカー・ブームで有名になったランボルギーニ・カウンタックやWRCで活躍したランチア・ストラトスなど多数のヒット作を持つデザイナーである。またスポーツカーだけでなく、いくつかの優れたファミリーカーや、トラック、バスなど商用車も手掛けており、構造など技術知識に長けたデザイナーとして知られる。現在もフリーランスとして多方面でその才能を発揮している。
ガンディーニのデザインには、リアホイールアーチ上部を斜めにカットしたものが多く見られ特徴となっている。
自動車以外にもオフィス家具や小型ヘリコプターなどのデザインも手がける。
経歴
1938年8月26日、オーケストラの指揮者であるマルコ・ガンディーニの子としてトリノで生まれた。
1950年代後半から1960年代前半はトリノを拠点にフリーランスのデザイナーとして、チューニングカーのボディ製作や郊外の別荘、ナイトクラブのインテリア、漫画などのデザインに関わった。また、ツーリングやマラツィ、ボアノなどカロッツェリアにいくつかのデザインを提供していた。
1965年11月カロッツェリア・ギアへ移籍したジョルジェット・ジウジアーロの後任としてベルトーネに招かれ、チーフデザイナーになった。 ベルトーネでの彼の最初の作品ランボルギーニ・ミウラでは、前任者ジウジアーロの代表作、シボレー・コルヴェア・テスチュード(1963年)、イソ・グリフォ・クーペ(1963年)、フィアット850スパイダー(1965年)などの特徴を融合、またフォード・GT40(1964年)やディーノ・206/246(1965年)など時代のスポーツカーの部分的エッセンスを巧みに取り入れ注目を集めた。
1966年から1979年までのベルトーネにおけるすべてのコンセプトカーはガンディーニのデザインであり、その多くは人を驚かす奇抜なデザインであるが、生産モデルに反映されたものは数多い。1970年にジュネーブ・モーターショーに出品されたガルミッシュ[1]やジャガーFTはのちのBMW・5シリーズに影響を与え、ジャガー・ピラーナとランボルギーニ・マルツァルのスタイルはランボルギーニ・エスパーダへと引き継がれた。また、アウトビアンキ・ラナバウト・バルケッタはX1/9に、ラナバウト・バルケッタにおける部分的要素であるフェンダーアーチやリア・パネルのスタイルは、それぞれランチア・ストラトスとランボルギーニ・カウンタックへ引き継がれた。カウンタックで初めて生産モデルに採用された前ヒンジで跳ね上がる(シザードア)や、完全なる(ウェッジシェイプ)のモノフォルムボディは、アルファロメオ・カラーボのスタイルを反映させたものであった[2]。
1979年7月に組織業務が好きになれないという理由でベルトーネを去り、独立。ベルトーネ在籍時の最後の作品はシトロエン・BX(1982年発表)となった[3]。以来、フリーランスとしてベルトーネ在籍時と同様に精力的なデザイン活動を行っている。独立後、最初の5年間はルノーと独占契約し、(シュペール5)の内外装をはじめ、25やアルピーヌ・V6ターボの内装、商用車マスターのデザインを担当、1990年に発表された大型トラックAE/マグナムではコンセプトからデザインまでを受け持った。
ルノーとの契約が終わった1986年以降は、トム・ジャーダがデザインしたデ・トマソ・パンテーラのリデザイン(1991年発表のパンテーラ SI)やマセラティ・シャマル、(キュバスコ)、(クアトロポルテ(IV))、チゼータ・V16Tなどのデザインを担当した。
ランボルギーニ・ディアブロやブガッティ・EB110のデザインもガンディーニに依頼されたものであったが、各社の経営者層の評判が悪かったため、スタイリングには他人の手が大幅に加えられている。ディアブロについては、改修作業を承諾し監修したとして自身のネームプレート付きで発売され、その後ランボルギーニ社の経営者が変わってから30周年記念車SEとロードスターモデルで彼らしいスタイルへと再改修されて発売された。EB110については、途中で契約が破棄された後の改修であり、自分の作品ではないとしている。
普段の足にスズキ・ワゴンR(エンジンとボディを拡大した欧州仕様)を「機能的である」として愛用している(2006年時点)[4]。
代表車種
生産モデル(競技用車を含む)
| 試作モデル・コンセプトモデル
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書籍
(掲載)
- 『マルチェロ・ガンディーニ、カーデザインのマエストロ』 Marcello Gandini: Maestro of Design(2017年、Gautam Sen著)
文献資料
- 『別冊カースタイリング/ベルトーネ特集 1977年』三栄書房
- 『カースタイリング・第77号 1990年』- マルチェロ・ガンディーニ — エグゾティック・カーの巨匠 解説ジャンカルロ・ペリーニ 三栄書房
- 『カーマガジン第296号 2003年』- マルチェロ・ガンディーニ ロングインタビュー ネコ・パブリッシング
- 『ゲンロク第241号 2006年』- ミウラの真実 三栄書房
脚注
外部リンク
- Marcello Gandini - ランボルギーニ社の紹介プロフィール
- - 1966年-1980年までの作品はここで確認できる