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マツブサ

マツブサ(松房、学名: Schisandra repanda)はマツブサ科マツブサ属に属する落葉性つる性木本の1種である(図1)。樹皮マツのように割れており、つるを切ると松脂のような匂いがする。雌雄異株、5–7月頃に黄白色のをつけ、果実は青黒い液果でブドウの房状につく。本州から九州および済州島に分布している。

マツブサ
1. マツブサ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
: アウストロバイレヤ目 Austrobaileyales
: マツブサ科 Schisandraceae
: マツブサ属 Schisandra
: マツブサ S. repanda
学名
Schisandra repanda (Siebold & Zucc.) Radlk. (1886)[1][2]
シノニム
和名
マツブサ(松房)、ウシブドウ(牛葡萄)[4][5]、マツブドウ、マツエビ(松葡萄)[6]、ワタカズラ(仙人掌)[5][7]、クロミノマツブサ(黒実松房)[8]、ヤワラズル[5]、ヤワズル(柔蔓)[9]、モチカズラ[5]、ショウトウ (松藤)

マツブサ (松房) の名は、樹皮がマツのように割れており、果実がブドウの房のように垂れ下がることに由来するとされる。またつるを傷つけると松脂のような匂いがするから名づけられたとする説もある[10]。ウシブドウ (牛葡萄) やマツブドウ (松葡萄)、ワタカズラ (仙人掌)、クロミノマツブサ (黒実松房)、ヤワズル、ヤワラヅル (柔蔓)、モチカズラなどの別名もある。浴湯料ともされ、また松藤(ショウトウ)とよばれる生薬になる。

特徴

落葉性つる性木本であり、右から左巻きに他の木などに巻き付きながら長く伸びる[11][12][4](図1)。つるを折ると、松脂のような匂いがする[11]。樹皮は茶褐色、コルク質が発達して縦に割れ、弾力があることから、軟らかく若いつるは縄の代用にもされた[11][12][4]

葉は互生し、長枝には離れてつき、短枝の先には3–8枚がまとまってつく[4][11][13]。葉身はら卵形から広楕円形、長さ3.5-8.5センチメートル (cm)、幅 2.5–5.5 cm、先は短く尖り、基部は円形ないし広いくさび形、葉縁に3–5個の波状鋸歯がある[1][4][12][13]。葉は裏表とも無毛であり、表面の葉脈はくぼまない[11][12][13]。葉の表面は緑色で光沢があり、裏面は淡緑色、特に裏面が白色がかるものは品種ウラジロマツブサ (Schisandra repanda f. hypoleuca) とすることがある[13][12][14]。側脈は3–6対あるが、目立たない[1][13]。葉柄は長さ 2–5 cm、ふつう葉身長の半分以上[4][11][12]

雌雄異株[注 1]で花期は5–7月[4][12]。短枝の鱗片腋から垂れ下がった長さ 2-7 cm の花柄 (雌花の花柄の方が長い) の先に、直径 1 cmほどで芳香がある花がつく[1][4][11][12][13][14]花被片萼片花弁の区別が無く、6–12枚、楕円形、1.6–8.6 × 1.9–6.4 ミリメートル (mm)、黄白色[1][4][11][12]雄花雄しべは5個、花糸が合着してその上にがつく[1][11][4]。花粉は6溝粒[1]雌花は、花托上にらせん状についた12–17個の離生した雌しべをもつ[1][4][11]

花後に花托が伸長するため、個々の果実は離れてブドウの房状の集合果 (長さ 4.5–6.5 cm) になる[4][11][12]。果実は液果、8–9月頃に黒藍色に熟し、集合果内で大きさはほぼ同大であり (6–13 mm)、それぞれ1–2個の腎臓形の種子を含む[1][4][12]。果実にも松脂のような匂いがある。種子は 4.7–6.0 × 3.6–4.8 mm、表面にイボ状の突起がある[12]染色体数は 2n = 28[1][12]

分布・生態

北海道南部から九州韓国 (済州島) に分布している[1][4][10][12]

山林や丘陵地の林縁に生える[4][10][13]

利用

生薬としては、秋につると葉を採取して細かく刻んで天日乾燥させたものが「松藤(しょうとう)」とよばれ、浴湯料として用いて神経痛リウマチに効果があるとされる[4][5][10][15][16][17]

果実は薬用、食用にされ、松脂のような匂いがあるが、甘く酸味があって食べることもでき、果実酒お茶ジャムにされる[14][15]。同属のチョウセンゴミシ(五味子)と同様に鎮咳、強壮効果もあるといわれる[要出典]長野県箕輪町では品種登録したマツブサを栽培し、特産品としてワインジュースの原料としている[18][19]伊那地方ではマツブサは「ごむし」とよばれ、このようなワインは「ごむしワイン」ともよばれる[11]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 本来は雌雄同株であるが、雌雄異株のように見えるとの記述もある[1]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Saunders, R. M. (2000). Systematic Botany Monographs vol. 58. Monograph of Schisandra (Schisandraceae). The American Society of Plant Taxonomists. pp. 102–105. ISBN (0-912861-58-4) 
  2. ^ a b c Schisandra repanda”. Plants of the World online. Kew Botanical Garden. 2021年7月17日閲覧。
  3. ^ a b c d e GBIF Secretariat (2021年). “Schisandra repanda”. GBIF Backbone Taxonomy. 2021年7月16日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 勝山輝男 (2000). “マツブサ”. 樹に咲く花 離弁花1. 山と渓谷社. pp. 388–389. ISBN (4-635-07003-4) 
  5. ^ a b c d e “マツブサ”. 熊本大学薬学部 薬草園 植物データベース. 2021年7月16日閲覧。
  6. ^ "松葡萄". 動植物名よみかた辞典 普及版. コトバンクより2021年7月17日閲覧
  7. ^ "仙人掌". 動植物名よみかた辞典 普及版. コトバンクより2021年7月17日閲覧
  8. ^ "黒実松房". 動植物名よみかた辞典 普及版. コトバンクより2021年7月17日閲覧
  9. ^ "柔蔓". 動植物名よみかた辞典 普及版. コトバンクより2021年7月17日閲覧
  10. ^ a b c d 貝津好孝『日本の薬草』小学館〈フィールド・ガイドシリーズ 16〉、1995年7月20日、173頁。ISBN (4-09-208016-6)。 
  11. ^ a b c d e f g h i j k l 谷川栄子『里山のつる性植物 観察の楽しみ』NHK出版、2015年6月20日、36-37頁。ISBN (978-4-14-040271-9)。 
  12. ^ a b c d e f g h i j k l m n 大橋広好 (2015). “マツブサ属”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. pp. 50–51. ISBN (978-4582535310) 
  13. ^ a b c d e f g 馬場多久男 (1999). “マツブサ”. 葉でわかる樹木 625種の検索. 信濃毎日新聞社. ISBN (978-4784098507) 
  14. ^ a b c “マツブサ”. 宮島の植物と自然. 広島大学. 2021年7月17日閲覧。
  15. ^ a b “マツブサ”. イー薬草・ドット・コム. 一般社団法人 和ハーブ協会. 2021年7月16日閲覧。
  16. ^ 宗定哲二 & 渡邊忠次郎 (1935). “松藤の生藥學的研究”. 藥學雜誌 55 (6): 628-637. doi:10.1248/yakushi1881.55.6_628. 
  17. ^ 北川勲他『生薬学』第3版、廣川書店、1988年、p.256。
  18. ^ “06年産「まつぶさわいん」完成 23日発売”. 伊那谷ねっと (2006年12月20日). 2021年7月16日閲覧。
  19. ^ 『平成 30 年産「まつぶさの 雫」の販売』(プレスリリース)箕輪町、2018-11–01https://www.town.minowa.lg.jp/data/open/cnt/3/4213/6/20181101-02.pdf?201812040830112021年7月17日閲覧 

外部リンク

  • “マツブサ(松房)”. 松江の花図鑑. 2021年7月16日閲覧。
  • “マツブサ”. 宮島の植物と自然. 広島大学. 2021年7月17日閲覧。
  • “マツブサ”. 熊本大学薬学部 薬草園 植物データベース. 2021年7月16日閲覧。
  • “マツブサ”. イー薬草・ドット・コム. 一般社団法人 和ハーブ協会. 2021年7月16日閲覧。
  • Schisandra repanda”. Plants of the World online. Kew Botanical Garden. 2021年7月17日閲覧。 (英語)
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