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ポルチーニ(イタリア語:porcino [詳しくは後述])は、ハラタケ目- イグチ科- ヤマドリタケ属に分類されるキノコの一種。
狭義ではヤマドリタケ(学名:en:Boletus edulis)のみを指し、広義ではそれに類似の近縁種であるヤマドリタケモドキ(B. reticulatus)、B. pinophilus、B. aereusなども含む、(人為分類)上の総称である。
呼称
イタリア語で porcino (ポルチーノ)と言い、語義は「子豚」である。複数形で porcini (ポルチーニ)と言い、英語名の porcini (ポーチーニ[1])や日本語名「ポルチーニ」はこれに由来する。なお、英語圏や日本語圏では、フランス語名 cèpe (セップ)でも知られている。ドイツ語では「シュタインピルツ」(Steinpilz、〈石ようなキノコ〉と呼ばれる。
ポーランド語でポルチーニはボロヴィク(borowik)という呼称である。ポーランドでヤマドリタケ(いわゆる本ポルチーニ茸)はボロヴィク・シュラヘトヌィ(borowik szlachetny)といい、〈高貴なるポルチーニ〉の意味。
中国語では「牛肝菌」(ニウガンジュン)が、広義ではイグチ科全体 (zh:牛肝菌属)、狭義ではヤマドリタケ属(zh:牛肝菌科)を指す。その中でもzh:美味牛肝菌 (メイウェイ-, Boletus meiweiniuganjun)が優秀な食菌として知られる。
生物的特徴と利用
ポルチーニ各種を始め、イグチ科のキノコのほとんどはマツタケやトリュフ同様、樹木の根に菌根を作って共生する菌根菌であるため、純粋培養による栽培は困難であり、いまだに成功していない。そのため、流通するポルチーニは全て天然ものを採集したものである。
ヨーロッパでは20世紀後半に酸性雨などの環境破壊によって森林の衰退が進み、菌根菌の発生量が減少した。そのことが大いに影響し、21世紀においては、中国にて収獲されるポルチーニ(ヤマドリタケ(美味牛肝菌)の近縁種ムラサキヤマドリタケ)が多く世界に流通している。狭義のポルチーニであるヤマドリタケは、亜高山帯の針葉樹林のほかではほとんど見られない。
中国雲南省ではスライスした乾燥品(乾物)も販売されているが、現地で一般的なのは生のものであって炒め物やスープ料理に用いられることが多い。先述のとおり、ポルチーニとされるキノコは原則としてヤマドリタケとされているが、ヤマドリタケモドキ、ススケヤマドリタケ、ムラサキヤマドリタケもこれを含む場合があり、特に中国産の乾燥品はムラサキヤマドリタケが多いと言われている。
日本におけるポルチーニの流通形態は、主にスライスした乾燥品であり、一部に冷凍品も出回っている。自然発生品を採集するしかないため、生が出回る時期は限られる。イタリアから輸入されるポルチーニが珍重される一方、日本にもヤマドリタケの近縁種であるヤマドリタケモドキ(風味・歯切れはヤマドリタケよりやや劣るとされる)が産することはあまり知られておらず、商業ベースでは利用されていないのが実情である。
ヤマドリタケ属 (Boletus)の系統樹
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B. pallidus | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
上記図中ではブートストラップ値・学名がまだない種は省略した[2]。
アカヤマドリはRugiboletus extremiorientalisでBoletusではないが、日本では赤ポルチーニと呼ばれることもある。この種は東アジアのみに分布する。
B. miniato-olivaceusなど有毒種も存在している。また、en:Leccinum longicurvipesやen:Butyriboletus regiusなど過去にBoletusに分類されていた食用菌も多い。
料理法
栄養価
炭水化物が少なく、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含む[3]。
参考画像
採集されたヤマドリタケ
White mushroom, is widely distributed in the Carpathians.
脚注
関連項目
- イグチ科
- en:List of Boletus species - ヤマドリタケ属の菌類一覧