ホテイシメジ(布袋湿地、A.clavipes)はカラマツ林に生える灰色~黄色のおいしいキノコ。さまざまな料理に合う一方、アルコールと共に食べると大変危険である。
分布
形態
(傘)径は3~10㎝[1]。傘は最初(饅頭型)で、中央がやや窪んだ平ら((皿状))に開く[2]。傘の表の(表皮)は灰褐色でなめらか[1]。傘の裏は(ひだ)は白~クリーム色[1]。ひだは垂生するため、傘は横から見ると逆円錐形のように見える[3]。ひだは(直生)または(湾生)(垂生)[2]。胞子紋は白色[1]。
(柄)の高さは3~6㎝。柄の色は傘より濃い。(つば)や(つぼ)はなし[1]。中実[2]。柄の下の部分が膨らんでいる[1]。
(肉)は白色で、傘の周辺部では薄いが柄の近くでは厚く、無味[3]。
生態
名称
利用
天日乾燥して出汁に使用したりする[2]のが一般的。味噌汁、炊き込みご飯、酢の物、煮込み、雑煮、鍋物、天ぷら、フライ、佃煮、茶碗蒸し、塩焼きなど、主要な和食に合う。また、ポタージュ、煮込み、ピクルス、マリネ、グラタン、ピザ、シチュー、オムレツ、ホイル焼きなど、洋食に大いに合う。さらに中華スープ、油炒め、煮込む、あんかけなどの、中華料理にも合う。お吸い物、和え物、ポタージュ、コンソメ、ピラフ、コロッケ、チャーハン、ギョーザ、シュウマイ、(味噌焼き)、(たれ焼き)などでも食べられる。ほのかな甘い香りと、よい歯ごたえがあるる[4]。
アルコールと共に食べると、30分から1時間ほどして悪酔い(顔が赤くなり、頭痛、頻脈)の状態になる。重症の場合は呼吸困難、意識不明に陥るため、ホテイシメジ摂食前後1週間は禁酒の必要がある。(ジエノン)類、(共役エノン)が含まれており[3][4]、これがアルコールの分解を阻害し、急性アルコール中毒及び悪酔いを引き起こしていると考えられている[2]。
傘の肉が薄く、柄が細く、中毒することがないもの存在し、「ほていだまし」と呼んで区別している地方がある[3]。