概要
忠犬ハチ公の生涯を、実話に基づき創作を加えて描いた。
プロデューサーの奥山和由は、松竹社内でこの作品の企画を出したが資金面の問題で却下された。ならば外部作品の形で作ろうと考え、舞台の渋谷にちなみ東急グループに出資を依頼するべく、東急レクリエーションの社長も兼務していた岡田茂に橋渡しを頼んだ。岡田はこの依頼に応え五島昇を紹介。東急グループは出資を決め、さらに三井物産も製作に参加。これを聞いて松竹は最後に出資を決定した。『ハチ公物語』は異業種が映画ビジネスに算入した初の邦画といわれる[2]。
東映は岡田茂社長の関係で、映画のヒットを祈願としてよく財界人を集めたパーティを開催していたが、松竹は開催した実績が無く、この種のパーティーを初めて開いた[3]。「『ハチ公物語』を成功させる会」は1987年4月7日に銀座東急ホテルで、東急グループ、三井物産、松竹グループの共催で、各映画会社トップも顔を揃え、300人以上が集まり盛大な会となった[3]。松竹は不振続きで、初めて大企業が付いた本作で大きな弾みを付け、浮上の切っ掛けにしたいと気合が入った[3]。
2007年、アメリカ合衆国にて、リチャード・ギア主演によるリメイク版が制作が決定され[4]、『HACHI 約束の犬』の邦題で2009年に公開された。
2023年には中国でリメイクされている。
スタッフ
出演
- 上野秀次郎 - 仲代達矢
- 上野静子 - 八千草薫
- 森山積 - 柳葉敏郎
- 上野千鶴子 - 石野真子
- 煙草屋の内儀さん - 浦辺粂子
- 尾形才吉 - 尾美としのり
- お吉 - 春川ますみ
- 留さん - 山城新伍
- 芹沢道郎 - 山本圭
- 橋本八百蔵 - 殿山泰司
- 近藤梅蔵 - 加藤嘉
- 前川 - 井川比佐志
- 間瀬課長 - 高橋長英
- 町田巡査 - 石倉三郎
- 焼鳥屋の客 - 岸部四郎
- 女中・およし - 片桐はいり
- 旅館の主人 - 三木のり平
- 旅館のおかみ - 菅井きん
- たみ子 - 加藤登紀子
- 安井小荷物係 - 泉谷しげる
- 菊さん - 長門裕之
- 古川駅長 - 田村高廣
- 樋浦勉
- 原知佐子
- 黒田アーサー
- 野口ふみえ
- 田山真美子
- 及川以造
- 獅子てんや・瀬戸わんや
- 高崎隆二
- (中瀬博文)
『伝説の秋田犬 ハチ』
『伝説の秋田犬 ハチ』(でんせつのあきたけんハチ)は、2006年1月10日に放送された日本の単発ドラマである。日本テレビ系列の2時間ドラマ枠「ドラマ・コンプレックス」にて放送されたテレビドラマ。新藤兼人自身が『ハチ公物語』のシナリオをテレビドラマ用に大幅に変更している。エンドロールに、協力者として奥山和由・松竹の両者の名前があった。
スタッフ
- 原作・脚本 - 新藤兼人
- 監督 - 吉川一義
- 挿入曲 - DEPAPEPE「きっとまたいつか」
- 選曲・編曲 - 吉川清之
- プロデュース - 金田和樹、石坂久美男、里中哲夫、佐藤敦
- 製作協力 - 近代映画協会
- 製作著作 - 日本テレビ
出演
- 上野静子 - 泉ピン子
- 上野秀次郎 - 松方弘樹
- 上野千鶴子 - 乙葉
- 尾形才吉 - ドロンズ石本
- お吉 - 水町レイコ
- 森山績 - 西川忠志
- 留さん(焼鳥屋) - 山本圭壱(極楽とんぼ)
- 芹沢教授 - 河西健司
- 菊さん(植木屋) - 徳井優
- 妻・お好 - 駒塚由衣
- 八百蔵 - 大門伍朗
- 妻・お好 - 元井須美子
- 多やん(おでん屋) - ほんこん
- 三郎(ホルモン屋) - 蟹江一平
- 柿田久蔵 - 剛たつひと
- 柿田の妻 - 曽川留三子
- 駅長 - うえだ峻
エピソード
2019年3月23日放送の『月曜から夜ふかし』特別版「平成のテレビ問題大清算スペシャル」にて、マツコ・デラックスがもう一度見たいテレビ番組という触れ込みで本作が紹介された。ハチが渋谷駅前で息を引き取るラストシーンに、「ドラマ・コンプレックス」主題歌としてマドンナの『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』収録曲「ハウ・ハイ(How High)」が流れたことを取り上げ、その感動的なシーンと激しい楽曲との違和感から大きな話題を呼んだ[5]。
漫画
公開当時に発売された『別冊コロコロコミックスペシャル』第17号にて、さいとうはるおによる本作のコミカライズ読み切りが執筆されている。さいとうはこの作品以降、ハチという名の様々な犬たちを主役にした読み切りを同雑誌に多数執筆している。