アンドリー・イーホロヴィチ・ナザレンコ[1]（ウクライナ語: Андрій Ігорович Назаренко、英語: Andrii Igorovich Nazarenko、1995年1月18日 - ）[2]は、ウクライナのハルキウ（ハリコフ）出身の政治評論家、外交評論家、著作家[3]、元英語教師[4]、国際貿易従事者[5]。日本のナショナリスト団体である日本会議[6][7][8]、およびウクライナのナショナリスト政党である国民軍団（ナショナル・コー）の活動にも参画している[8]。
経歴
(ハルキウ・ラジオ・エンジニアリング高等専門学校)の「コンピューター・システムとネットワーク・メンテナンス」学部（ウクライナ語: відділення «обслуговування комп'ютерних систем і мереж»）で準学士を取得[3]。
ナザレンコが高専に在籍していた当時のウクライナでは、ソビエト連邦時代にウクライナ共産党員であったヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が親露政策を強引に推し進めていたが、これに反発する親欧米派の市民や学生が反ヤヌコーヴィチ運動を起こし[9]、2013年11月からはナザレンコも首都キーウと地元ハルキウで国民運動に参加[3]。2014年2月の後半には反ヤヌコーヴィチ運動が頂点に達して親露政権が100名以上の国民を殺害する事態に至り、国民を虐殺してもなお混乱を収拾できなかったヤヌコーヴィチ大統領は遂に国を捨ててロシアに亡命した[9]。
同年3月から7月にかけて、ナザレンコはロシアの軍事介入から国を守るウクライナ軍を支援するボランティア活動に参加[3]した。
2014年8月[3]、共愛学園前橋国際大学留学のため来日[10]。2016年、(イーストウエスト日本語学校)を卒業[4]。2016年8月15日、靖国神社境内参道の特設ステージで「靖國の心を未来へ！ 感謝の心をつなぐ青年フォーラム」が開催されたが[11]、このイベントでナザレンコはウクライナ人留学生としてスピーチをした[12]。2019年5月3日、永田町の砂防会館で「第21回公開憲法フォーラム」が開催され、下村博文自由民主党憲法改正推進本部長や遠山清彦公明党憲法調査会事務局長を含む1100名が参加したが、ナザレンコは共愛学園前橋国際大学留学生としてスピーチをした[13]。
2020年11月4日、「改憲実現オンライン集会2020」（主催＝同実行委員会、後援＝勝共 UNITE、国際勝共連合）にて基調講演を行い、自衛隊の明記など憲法改正の実現を訴えた[14]。これらは日刊紙世界日報に掲載された[14]。また同年12月18日の世界日報のコラム、「『家族』保護は国の優先課題 政治評論家 ナザレンコ・アンドリー氏に聞く」では、同性パートナーシップ制度をはじめ現在のLGBT運動について、政治家が反対の立場で発言すると、少なからぬテレビ・新聞から強く批判される事について、日本のメディアをどう見るかとしたインタビューが掲載された[15]。
2022年ロシアのウクライナ侵攻後、DHCが提供している「真相深入り!虎ノ門ニュース」にてニュースキャスターとして出演[16]。
主張
著作
日本語
- 自由を守る戦い―日本よ、ウクライナの轍を踏むな！（明成社、2019年） (ISBN 978-4905410553)
- プーチンの戦争（ワック、2022年） (ISBN 978-4898319598)
- <続>自由を守る戦い―ウクライナは滅びず（明成社、2022年） (ISBN 978-4905410706)
ロシア語
著者名は、ロシア語読みのアンドレイ・ナザレンコ（ロシア語: Андрей Назаренко）名義となっている。
- В лучах восходящего солнца. Японский национализм и его взгляд на историю（オリエンティール出版、2018年） (ISBN 978-6177701018)[20]
寄稿・対談
メディア出演
インターネット番組
- 2019年5月31日 (言論テレビ) Vol.345 - 櫻井よしこ、竹田恒泰との鼎談[24]
- 2019年6月18日 DHCテレビ 虎ノ門ニュース 百田尚樹×田北真樹子×ナザレンコ・アンドリー×居島一平[25]
- 2019年9月27日 DHCテレビ 虎ノ門ニュース 大高未貴×ナザレンコ・アンドリー×居島一平[26]
- 2021年3月12日 DHCテレビ 虎ノ門ニュース 藤井厳喜×ナザレンコ・アンドリー×居島一平[27]
- 2021年5月7日 DHCテレビ 虎ノ門ニュース 藤井厳喜×ナザレンコ・アンドリー×居島一平[28]、他
スピーチ
脚注
- ^ 姓名の順で父称を省略した、ナザレンコ・アンドリー（ウクライナ語: Назаренко Андрій、英語: Nazarenko Andrii）と呼ばれることも少なくない。
- ^ 父称と生年月日は本人のツイートを参照。
- ^ a b c d e 自由を守る戦い―日本よ、ウクライナの轍を踏むな！ | （株）明成社
- ^ a b Andrii Nazarenko | Facebook
- ^ 「改憲実現オンライン集会2020」開催 - 勝共 UNITE（ユナイト）
- ^ “【動画】「自由を守る戦い」ウクライナの青年 ナザレンコ・アンドリー氏から提言 « 日本会議”. www.nipponkaigi.org. 2022年6月15日閲覧。
- ^ “【東京都】６月５日 ★★★ ナザレンコ・アンドリー 講演会 ‼ « 日本会議”. www.nipponkaigi.org. 2022年6月15日閲覧。
- ^ a b “”. web.archive.org (2022年3月5日). 2023年4月29日閲覧。
- ^ a b 生田泰浩, 「現代ウクライナ社会の「分裂」に関する考察」『ロシア・東欧研究』 2014年 2014巻 43号 p.121-134, ロシア・東欧学会, doi:10.5823/jarees.2014.121。
- ^ 「沖縄は第2のクリミア」ウクライナ留学生が“護憲派”を一刀両断！ 「抑止力を無くして平和を得た国はない」 「公開憲法フォーラム」講演に注目集まる （1/3ページ） - zakzak
- ^ a b 靖國の心を未来へ！ 感謝の心をつなぐ青年フォーラム
- ^ a b 靖国神社・ウクライナ留学生のスピーチ｜｜Речь Андрея Назаренко в Храме Ясукуни - YouTube
- ^ a b 令和元年5月3日、公開憲法フォーラムが開催されました | 憲法改正を実現する1,000万人ネットワーク | 美しい日本の憲法をつくる国民の会
- ^ a b “「日本人は国守る覚悟決めよ」 | 世界日報”. 2022年7月12日閲覧。
- ^ “拡大する「同性パートナーシップ」 | 世界日報”. 2022年7月15日閲覧。
- ^ “”. DHCテレビ. 2022年6月15日閲覧。
- ^ 「日本はウクライナより危険」政治評論家ナザレンコ氏が警鐘鳴らすワケ…橋下徹氏ら “逃げろ” 論者に反論も（SmartFLASH） - Yahoo!ニュース
- ^ 【正論モーニング】「祖国に帰り戦いたい」在日ウクライナ人、ナザレンコ・アンドリーさんが問いかける覚悟 - 産経ニュース
- ^ 「憲法は守るべきか、変えるべきか」 憲法記念日に護憲派・改憲派がそれぞれ集会 広島（RCC中国放送） - Yahoo!ニュース
- ^ Отзывы о книге В лучах восходящего солнца. Японский национализм и его взгляд на историю （ロシア語）
- ^ 国を守るということ : ウクライナからのメッセージ : 2017-05｜書誌詳細｜国立国会図書館サーチ
- ^ 月刊正論2019年7月号 | Web「正論」｜Seiron
- ^ 月刊正論2019年8月号 | Web「正論」｜Seiron
- ^ 竹田恒泰・作家／ナザレンコ・アンドリー・ウクライナ人留学生 | 櫻LIVE - 櫻井よしこ | 言論テレビ
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関連項目
- アンドリー・グレンコ - 同じくウクライナ出身で日本で言論活動に従事
- 在日ウクライナ人