» www.Giftbox.Az - Bir birindən gözəl hədiyyə satışı
ウィキペディアランダム
毎日カテゴリ
共有: WhatsappFacebookTwitterVK

ツイフェミ

ツイフェミとは、Twitter上でフェミニズム的な言動を展開する人々またはその現象を指す俗語インターネットスラングである。ツイッター・フェミニズム[1][2]およびツイッター・フェミニスト[3][4]の略語である。後述の「評価・意見」にあるように、ツイフェミとされる言動や人物に対する否定的な文脈で使われることが多い。

ツイフェミになりすまして炎上を誘発する行為や、ストローマン論法によってフェミニストの発言を捏造する行為が横行していると指摘されている[5]。なりすましの具体例としては、青識亜論によるものがある(詳細は(青識亜論#FNAU))。

論争

スバルCMに関する論争

2014年11月スバルCMが炎上した[6]。このCMは、夫がサーフィンを楽しんでいる一方で妻と子供は車の中からそれを眺めているだけで、帰りは夫と子供が後部座席で眠るなか妻が車を運転するというものだった。これに対し、趣味に付き合わせた挙句に運転させることは男尊女卑であるという批判などが殺到した。一方で、サーファーの夫を持つライターのはなは、安全や効率の面から妥当な判断であると『おたくま経済新聞』の記事で反論した。

美濃加茂市観光協会のポスター問題

2015年11月美濃加茂市観光協会のポスターが炎上した。同協会はテレビアニメ「のうりん」とコラボしたスタンプラリー「みのかもまるっとスタンプラリー2015」を実施しており、ボイン良田こと良田胡蝶というキャラクターがその宣伝ポスターに起用されていた[6]。しかし、良田の巨乳が服に納まりきらず谷間がはっきり見えていたため、女性差別である、セクハラであるといった批判が殺到した[6]。批判を受け、同協会は公式サイトに謝罪文を掲載し、ポスターを撤去・刷新して再配布した[7][8]

バーチャルYouTuber「キズナアイ」論争

2018年10月NHKの特設サイト『まるわかりノーベル賞2018』が炎上した。本サイトにはVtuberキズナアイが出演しており、批判の論調は2種類あった。「胸など性的な部分を強調してアイキャッチにしたものをNHKが使うとは何ごとか」というものと、キズナアイが相槌を打つばかりで女性が「補助的な役割を担わされている」という性役割の問題である[9]

この論争について、キズナアイを運営していたActiv8株式会社[注釈 1]代表取締役の大坂武史は「批判的な声に関しては、有名になることで『見られ方が変わったのだ』と気づかされましたね」と回顧している[10]

評価・意見

坂爪真吾の見解

一般社団法人ホワイトハンズ代表理事である坂爪真吾は、著書やプレジデントオンラインに寄稿した記事においてツイフェミやその関連事項について多くの解説をしており、例えば次のように説明している。

  • ツイフェミという言葉は当初、ミソジニスト(女性嫌悪者)によって蔑称として用いられていた[11][12]。彼らは「今の日本は男性差別が公然と行われている『女尊男卑』社会であり、男性はあらゆる場面で女性から虐げられている」という偏った「真実」を信じており、その「真実」を伝えるためにはどんな手段を取っても許されるという歪んだ正義感を抱いている[13]。そのため、彼らは女性活動家やフェミニストを「フェミ」や「ツイフェミ」などとして批判や罵倒を繰り返していた[14]
  • Twitter上でフェミニズムと彼女たちが考えている理論を振りかざし、女性差別を行っていると彼女たちが見なした個人や組織を苛烈に攻撃する者たち、つまり、フェミニストと称して男性に対する過激な批判や憎悪に満ちたつぶやきを繰り返すアカウント群がツイフェミと呼ばれている[12]。彼女らは自らを絶対被害者化し、目に入るあらゆる情報に女性差別を見出した上で、根拠もなく他者の言動や表現を制約しようとしている[15]

坂爪真吾はさらに、ツイフェミのツイッターアカウント名には特徴があり、電車内で痴漢撲滅のシンボルである安全ピンや、#KuTooのシンボルであるスニーカーハイヒール、「私がエビデンス」という意味を示す海老エビデンスとかけている)の絵文字などがアカウント名に併記されることが多いとする[16]。そして、ツイフェミの中には女性差別に該当するとされる発言や表現についてSNSのタイムラインを常時監視しているアカウントが多数存在しており、そうしたユーザーたちによって「火種」が発見されると、ネット上で拡散や批判が爆発的に増加して、最終的に炎上にまで発展するという[17]

また、坂爪はツイフェミについて「男が許せない」怒りを10段階に分けて分析を行った[18]。それぞれレベル1から10までで、主語の全体化、主観的な差別認定、被害者を名乗る、説明責任の免除、中立の否定、ワラ人形叩きダブルスタンダードへの無自覚、対立に伴う暴力の肯定、対話の否定、男の存在自体が許せないといったものになっている[19]。ツイフェミの攻撃対象については、女性差別に無自覚な男性やフェミニズムに理解を示すリベラル男子が挙げられているが、ツイフェミ化した中高年女性のアカウントの中にはフェミニズムや社会運動の世界で主流派になれなかった人が少なくなく、成功したフェミニストに対するコンプレックスや冷遇されている不満などから、ツイフェミはフェミニズムやフェミニストを激しく攻撃すると述べている[20]

ツイフェミの思想の源泉について坂爪は日本キリスト教婦人矯風会であるとして、北原みのりが矯風会の設立を日本のフェミニズム史の原点として捉えたことや、矯風会の思想と運動を起点とすることで新しいフェミニズム史が切り開かれるという北原の宣言を参照しつつ、歴史的にツイフェミは「被害者/加害者」二元論感情論が優勢になるSNS時代に復活した「矯風会2.0」の影響を色濃く受けていると述べている[21]

その他

  • カナダのフェミニストサイト「Feminist Current」の創設者でフェミニストの(メガン・マーフィー)(英語版)[22]、ツイッターにおけるフェニミズムについて「フェミニストの運動と実際の信念、世界中でフェミニストらが成し遂げてきたことを代表するものでは全くない」「一般に、ツイッターは活動を起こすのには有害で非生産的な場である」と指摘している[23]。これは、Twitterのハッシュタグ「#twitterfeminism」を通じて議論を呼んだ。
    • 一方で、フェミニストブログ「(フェミニスティング)(英語版)」のコラムニストの1人であるヴェロニカ・フロレスは、「確かに、インターネットという物は粗暴である。仰る通り、面識のない者同士は互いに敬意を払って接すべきだという点について、我々は多くを学ぶ必要がある」とマーフィの主張に一定の理解を示したうえで「しかし、ツイッターを含むインターネットフェミニズムは、私たちが殆ど聞き取ることのできなかったはずの他者の声を拾い上げる場を提供し、互いを発見する事が困難であった場所や環境にあった仲間たちの為にコミュニティを生み出し、歴史的には排除されてきた対話をメインストリームへと飛び立たせもしたのだ」と、その成果を高く評価した[24]
  • ジェンダー論専門家の千田有紀はツイフェミに関する議論の中で、NHKの特設サイト『まるわかりノーベル賞2018』にキズナアイが登場し論争を呼んだ際、千田のキズナアイへの批判が文脈を切り取られてフェイクニュースメディアに拡散されツイッターで炎上したこと、炎上の原因となったはずの千田が書いた記事そのものは実際にはほとんどアクセスが無く読まれていなかったこと、一度炎上してしまうと千田本人が否定しても効果が無かったことを例に挙げて、「(ツイッターは)議論するメディアとしては難しいと思っている」とした[25]
  • プロデューサーの若新雄純は、信念をもって活動してきた右翼がインターネットの登場によって「右の思想=差別主義」のように同一視されるようになった一方、右翼は勢力が増えるという点で「ネトウヨ」を歓迎した向きもある、とした上で、フェミニストにとってもネットのカジュアルなフェミニストに混じっている差別主義的な人は迷惑だという思いがあるだろうと所感を述べた。しかし、「フェミニスト」がネット上で一種の市民権を得た以上、確固たる方針を示さないと、ネトフェミ・ツイフェミ的な存在は増え、日常生活が不満で行き場のない、拠り所がない人たちの逃げ場になりネット空間とセットに全体の質を下げることになりかねないと主張した[26]
  • ネット論客の青識亜論は、「ツイフェミ」の負の面として、差別やハラスメントの告発などの否定しづらい「正義」の問題に安直に接合して感情的になりやすく、ツイッターがリミッターを解除して「いくらでも相手を殴っていい」ように感じさせる役割をはたしてしまっていると意見した。一方で「ツイフェミ」の正の面として、女性が素直な感情を書け、議論ができる場所である点、学者やメディア関係者とも平場で話ができる点、大手メディアが独占していた言論の場を民主化した点などを指摘した[1]
  • 批評家後藤和智は、ツイフェミという言葉はフェミニズムに対する誤った偏見、憎悪、そして嘲笑を含む「(使用者による)恣意的で操作的な概念」であり、「男性向けのメディアや言論文化の持つ攻撃性を示す言葉としての性格をどんどん強めています」と指摘した[27][28]。その上で、女性を人間として尊重することや「男らしさ」を競わないことなどが大切ではないかと述べている。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ キズナアイは、2020年5月にActiv8株式会社からKizuna AI株式会社に移管した。

出典

  1. ^ a b “フェミニズム論争が活発化した2019年、“ツイフェミ”を乗り越え建設的な議論をするには?(AbemaTIMES)”. times.abema.tv (2020年1月7日). 2020年5月28日閲覧。
  2. ^ 坂爪真吾 (2020年8月25日). “SNSでフェミニズムを語る女性たちが、男にも女にも嫌われる決定的理由 性別二元論を批判したはずなのに…(『「許せない」がやめられない』徳間書店、の一部を再編集)”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン). 2021年1月6日閲覧。
  3. ^ “フェミニストの主張を「不快」に感じるのはなぜ?SNSの論争からフェミニズムと男女差別の本質を探る”. Kindai Picks. 2021年1月17日閲覧。
  4. ^ 奥田祥子『男が心配』PHP研究所、2022年。ISBN (978-4569852218)。 
  5. ^ “知識人「言論男社会」の深すぎる闇…「呉座勇一事件」の背景にあったもの”. 現代ビジネス (2021年5月27日). 2022年5月10日閲覧。
  6. ^ a b c “”. dailynewsonline.jp. 2022年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月13日閲覧。
  7. ^ “アニメ「のうりん」のコラボポスターで批判を受けた美濃加茂市 公式サイトに謝罪文を掲載”. ねとらぼ (2015年12月4日). 2022年11月13日閲覧。
  8. ^ “批判受けた「のうりん!」と美濃加茂市コラボポスター、新デザインを掲出 「作品自体は適切なもの」と企画は続行”. ねとらぼ (2015年12月8日). 2022年11月13日閲覧。
  9. ^ “NHKのサイトが炎上 VTuberが女性差別になるのはなぜ?”. 日刊ゲンダイ (2018年10月21日). 2022年11月13日閲覧。
  10. ^ Ryota Nasu (2018年12月28日). “キズナアイ、テレビ出演での批判に「見られ方が変わったと気づいた」 大坂武史さんが語る、「バーチャル」の可能性”. ハフポスト日本版. ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社. 2020年12月8日閲覧。
  11. ^ 坂爪 2020, p. 19.
  12. ^ a b 坂爪 2020, p. 75.
  13. ^ “「女性専用車両を許せない男」が女性に抱く6種類の怒り”. プレジデント社. 2020年11月13日閲覧。
  14. ^ “「女性専用車両を許せない男」が女性に抱く6種類の怒り”. プレジデント社. 2020年11月13日閲覧。
  15. ^ “フェミニストが女性差別だけでなく支援団体にも怒りを抱く構造的理由”. プレジデント社. 2020年11月12日閲覧。
  16. ^ 坂爪 2020, p. 75–76.
  17. ^ 坂爪 2020, p. 77.
  18. ^ 坂爪 2020, p. 78.
  19. ^ 坂爪 2020, p. 80.
  20. ^ 坂爪 2020, p. 110–112.
  21. ^ 坂爪 2020, p. 116.
  22. ^ “”. Feminist Current. 2021年9月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月17日閲覧。
  23. ^ “The trouble with Twitter feminism” (英語). Feminist Current (2013年12月18日). 2020年5月28日閲覧。
  24. ^ “ON CYNICISM, CALLING OUT, AND CREATING MOVEMENTS THAT DON’T LEAVE OUR PEOPLE BEHIND”. 2020年6月6日閲覧。
  25. ^ 22:52-
  26. ^ “「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論 | ABEMA TIMES”. times.abema.tv (2020年4月6日). 2020年5月28日閲覧。
  27. ^ 後藤和智 (2021年7月9日). “「ツイフェミ」とは一体何なのか? ツイッターにおける女性差別に関する考察”. wezzy. 株式会社サイゾー. 2021年8月8日閲覧。
  28. ^ 後藤和智 (2021年7月10日). “フェミニストへの罵倒表現「ツイフェミ」の背景にある4つのキーワード”. wezzy. 株式会社サイゾー. 2021年8月8日閲覧。

参考文献

  • 坂爪真吾『「許せない」がやめられない SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症』徳間書店、2020年。ISBN (9784198651114)。 

関連項目

ウィキペディア、ウィキ、本、library、論文、読んだ、ダウンロード、自由、無料ダウンロード、mp3、video、mp4、3gp、 jpg、jpeg、gif、png、画像、音楽、歌、映画、本、ゲーム、ゲーム。