ズムウォルト(英語: USS Zumwalt DDG-1000)は、アメリカ海軍のミサイル駆逐艦であり、ズムウォルト級ミサイル駆逐艦のネームシップである。アメリカ海軍作戦部長であった故エルモ・ズムウォルト・ジュニア海軍大将に因んで命名され、艦尾には「Z」が大書きされている[2]。
ズムウォルト | |
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基本情報 | |
建造所 | バス鉄工所 |
運用者 | アメリカ海軍 |
モットー | Pax Propter Vim (Peace Through Power)[1] |
艦歴 | |
発注 | 2008年2月14日 |
起工 | 2011年11月17日 |
進水 | 2013年10月28日 |
就役 | 2016年10月15日 |
その後 | 就役中 |
要目 | |
満載排水量 | 14,564 トン |
全長 | 600 ft (182.9 m) |
最大幅 | 80.7 ft (24.6 m) |
吃水 | 27.6 ft (8.4 m) |
機関 | ロールス・ロイス マリン トレント ガスタービン 2基 |
出力 | 78 MW |
推進器 | スクリュープロペラ 2軸 |
最大速力 | 30ノット以上 |
乗員 | 士官、兵員 140名 |
兵装 | 62口径155mm単装砲 2門 30mm機関砲 2門 Mk 57 VLS(20セル) 4基 |
搭載機 | SH-60 シーホーク 1機 MQ-8 UAV 3機 |
レーダー | AN/SPY-3 多機能レーダー 3基 AN/SPS-73 対水上/航海用 1基 |
ソナー | AN/SQS-60 中周波式 1基 AN/SQS-61 高周波式 1基 AN/SQR-20 曳航式 1基 |
徹底した傾斜平面造形からなるタンブルホーム型船形、砲身の収納機能、マストの廃止、レーダーアンテナの全面的固定フェイズドアレイ方式化などにより、在来のステルス設計艦艇と一線を画する高度なステルス性がある。建造費は43億ドル。
艦歴
ジェネラル・ダイナミクス社バス鉄工所にて建造されて、2011年11月17日最初の船体ブロックが船台に据え付けられ起工となった。[3]
2013年10月13日進水し、2015年12月7日バス鉄工所を離れて海上公試を開始した。
2016年5月20日に海軍に引渡し[4]、10月15日に就役[5]、初代艦長はジェームス・カーク大佐。メリーランド州ボルティモアからカリフォルニア州サンディエゴへ回航する途中にパナマ運河内で故障し、近くのアメリカ海軍施設まで曳航されたこともあった[6]。
実戦配備後は、佐世保基地での運用も予定されている[7]とされていたが、サンディエゴ海軍基地に配備された。2022年9月26日、故安倍晋三国葬儀への参列で来日するハリス副大統領の来日に合わせて横須賀基地に寄港し[2][8]、28日に副大統領の視察を受けた[9]。
脚注
- ^ ハリー・B・ハリス・ジュニア (2016年10月15日). “USS Zumwalt (DDG 1000) Commissioning Ceremony” (英語). アメリカインド太平洋軍. 2022年10月23日閲覧。
- ^ a b 「異色のステルス軍艦 米駆逐艦「ズムウォルト」初来日!」 『世界の艦船』第985集(2022年12月号) P.53-57
- ^ BIW news (PDF)
- ^ Atherton, Kelsey D. (2016-05-20) (英語). Zumwalt Destroyer Delivered To The Navy. Harlan, IA: Popular Science 2016年5月23日閲覧。.
- ^ “米最新鋭ステルス艦「ズムワルト」就役 司令官、中露を名指しで牽制「挑戦に対処…重要な役割”. 産経ニュース. (2016年10月16日)
- ^ “米海軍の最新鋭駆逐艦がパナマ運河で故障、えい航される”. AFP通信. (2016年11月23日)
- ^ “米海軍、佐世保にステルス艦想定”. 共同通信. (2016年2月11日)
- ^ 米海軍の最新鋭駆逐艦「ズムウォルト」がアジアへ 横須賀に入港
- ^ 米は台湾海峡で「ひるまず、恐れず」活動継続 ハリス副大統領
外部リンク
- バス鉄工所 (英語サイト)