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スーパーマンIII/電子の要塞

スーパーマンIII/電子の要塞』(スーパーマンスリー でんしのようさい、Superman Ⅲ)は、1983年アメリカ合衆国イギリススーパーヒーロー映画。監督はリチャード・レスター、出演はクリストファー・リーヴリチャード・プライヤーなど。アメリカン・コミック作品『スーパーマン』を原作としている。

スーパーマンIII/電子の要塞
Superman Ⅲ
監督 リチャード・レスター
脚本 デイヴィッド・ニューマン
レスリー・ニューマン
原作 キャラクター創造
ジェリー・シーゲル
(ジョー・シャスター)(英語版)
製作 (ピエール・スペングラー)(英語版)
製作総指揮 イリヤ・サルキンド
出演者 クリストファー・リーヴ
リチャード・プライヤー
音楽 (ケン・ソーン)(英語版)
撮影 (ロバート・ペインター)(英語版)
編集 ジョン・ヴィクター=スミス
製作会社 Dovemead Limited
Cantharus Productions N.V.
配給 ワーナー・ブラザース
公開 1983年6月17日
1983年7月9日
上映時間 123分
製作国 アメリカ合衆国
イギリス
言語 英語
製作費 $39,000,000[1]
興行収入 $59,950,623[1][2]
$80,200,000[1]
配給収入 9億1300万円[3]
前作 スーパーマンII/冒険篇
次作 スーパーマンIV/最強の敵
(テンプレートを表示)

概要

1978年から続く映画シリーズの3作目。悪役をレックス・ルーサー一味から大会社を経営するウェブスター姉弟に、ヒロインをロイス・レーンからラナ・ラング[注 1]に置き換えた作品。レックス・ルーサー役のジーン・ハックマンは4作品の中で唯一出演していない。

元々ナンバリング・タイトルではなかった(本来の題名は『スーパーマンvs.スーパーマン』)という経緯のある本作は、多分に番外篇的な要素を含んでいる。本来スラップスティックなコメディ活劇を得意とするリチャード・レスターが、『II』の途中参加を経て今作では本格的にメガホンを取った。有名コメディアンのリチャード・プライヤーもメインキャストに起用され、コメディ要素が大幅に増加。前2作のセルフ・パロディと呼べる作品に仕上がった。

悪の人格のスーパーマンのスーツは全体に浅黒く、リーヴも無精髭を生やして、いかにもやさぐれたイメージになっている。善悪2人「スーパーマン対クラーク・ケント」の対決ではリーヴが2役を演じ、スタンドインや合成によって当時の映像技術で可能な限りの演出をみせてくれる。

ストーリー

スーパーマンことクラーク・ケントは高校の同窓会に取材も兼ねて出席するため、地球での故郷スモールビルに里帰りした。そこで再会した旧友ラナ・ラングが離婚を経ていたことを知り、何かと力になってあげていた。その頃、コンピューター会社にプログラマーとして勤務する男ガス・ゴーマンは、社員に支払われなかった給料の端数分を自分に振り込ませるプログラムを思い付き、それを実行してしまう。その手口は当初成功するが、社長のロス・ウェブスターに見破られてしまい、ゴーマンはウェブスターの命令には逆らえない立場に落ちてしまった。コーヒー相場を牛耳って大儲けを企むウェブスターは、ゴーマンに命じて気象衛星を操り、自社の意向に従わないコロンビア共和国の上空で気候変動を起こそうとする。しかし、その悪事にスーパーマンの妨害が入った。憤慨したウェブスターはスーパーマンの弱点を探らせ、それがクリプトナイトと呼ばれる隕石にあると知る。ウェブスターから成分不明の部分をタールに置き換えて再現されたクリプトナイトを送られたスーパーマンは、その影響を受けて隠されていた悪の人格が現れる。しかしラナの息子・リッキー少年の訴えを聞いたことでスクラップ置き場に到着した頃、本来持っていた正義の人格(クラーク・ケントの姿)がそこから分離し、善悪二人のスーパーマンの戦いとなる。スクラップ置き場の設備を利用した壮絶な戦いの末、正義の人格が悪の人格を消滅させ、元の正義スーパーマンに変身した頃、ウェブスターはスーパーマンを迎撃すべく、本拠地でスーパー・コンピュータを構築していた。スーパーマンはスーパー・コンピュータを破壊しようとしてその装備に手を焼いていたが、里帰りの途中で収めた火災事故の現場となった工場が持っていた、ある物質に最後のチャンスを賭ける。

キャラクター

ガス・ゴーマン
演 - リチャード・プライヤー
何をやっても失敗して解雇され続け(概ね1日で解雇されていた。最短記録は28分)、36週連続で失業していた男。だが、ふとしたことで天才的なコンピュータ操作の才があることが発覚。社員に支払われなかった給料の端数分1/2セントを全て自分の口座に振り込ませるプログラムを組んだことで、社長のウェブスターに目を付けられ、悪事に加担させられてしまう。その報酬として自分の設計した「最強のコンピュータ」を望む。腕と口は立つが、非情に徹しきれない小悪党。
ロス・ウェブスター
演 - ロバート・ヴォーン
100社を超える関連支社を持つ貿易業の社長。だが、裏では金と権力にものを言わせ、市場の独占を企んでいる。ガスの類稀なるコンピュータ技術の才能を見抜き、彼にハッキングさせて世界中の貿易を牛耳ろうとする。
ヴェラ・ウェブスター
演 - (アニー・ロス)(英語版)
ロスの姉で参謀役。老け顔で、ガスにはロスの母親だと思われた。本人も気にしている様子で、人前では自分はロスの「年の離れた妹」と自称する。送電線から電気を奪い処々を停電させながら自発動したスーパー・コンピュータに巻き込まれ、体を機械で覆われてロスやローレライにも攻撃をかけるが、スーパーマンに阻止される。そしてスーパー・コンピュータの崩壊で元の体に戻る。
ローレライ
演 - (パメラ・スティーヴンソン)(英語版)
ロス・ウェブスターの雇った心霊栄養学の専門家。いかにもセクシー脳天気な態度を取っているが、それは芝居で、実際にはかなりのキレ者。悪に染まったスーパーマンをおびき出す役を買って出たりと積極的。

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
テレビ朝日
(吹替補完版)
スーパーマン
クラーク・ケント
クリストファー・リーヴ 佐々木功
ガス・ゴーマン リチャード・プライアー 樋浦勉
ラナ・ラング アネット・オトゥール 鈴木弘子
ロイス・レーン マーゴット・キダー 平野文
ペリー・ホワイト ジャッキー・クーパー 近石真介
ジミー・オルセン (マーク・マクルーア)(英語版) 古谷徹
ロス・ウェブスター ロバート・ヴォーン 矢島正明
ヴェラ・ウェブスター (アニー・ロス)(英語版) 来宮良子
ローレライ (パメラ・スティーヴンソン)(英語版) 松金よね子
ブラッド ギャヴァン・オハーリー 堀勝之祐
梶雅人
その他 渕崎ゆり子
島美弥子
市川千恵子
池水通洋
前沢迪雄
西尾徳
中島喜美栄
嶋俊介
千田光男
岡部政明
増岡弘
藤本譲
広瀬正志
島香裕
屋良有作
安田隆
大塚芳忠
高島雅羅
大門夏子
芝夏美
横尾まり
鈴木一輝
追加録音版キャスト
辻祐子
佐伯美由紀
もりなつこ
白滝まつり
青木崇
瀧村直樹
丸田光
藤高智大
西村太佑
演出 佐藤敏夫
翻訳 木原たけし
効果 遠藤堯雄
桜井俊哉
担当 圓井一夫
解説 淀川長治
制作 東北新社
ブロードメディア
初回放送 1985年10月6日
日曜洋画劇場
吹替補完版
2014年8月30日
『土曜吹替劇場』
  • Blu-ray『スーパーマン モーション・ピクチャー・アンソロジー』及び単品Blu-ray『スーパーマン 電子の要塞』には再放送短縮版の音源を収録。(正味120分)
  • WOWOWで放送された際に短縮版でのカット部分をオリジナルキャストで追加録音(ブラッド役の堀勝之祐は都合により梶雅人が代役)した「吹替補完版」が放送された[4]

スタッフ

作品の評価

Rotten Tomatoesによれば、56件の評論のうち高評価は30%にあたる17件で、平均点は10点満点中4.6点、批評家の一致した見解は「『スーパーマンIII/電子の要塞』は、ギャグやドタバタ、そしてリチャード・プライヤーを使いすぎていないところでは、以前のスーパーマン映画から核心部分を焼き直したプロットに頼っている。」となっている[5]Metacriticによれば、15件の評論のうち、高評価は3件、賛否混在は8件、低評価は4件で、平均点は100点満点中44点となっている[6]

脚注

注釈

  1. ^ ただしラナはスーパー・コンピュータの起こした停電の影響を受けた他は事件に巻き込まれず。またロイス本人も最初と最後のシーンには登場する。

出典

  1. ^ a b c Superman III” (英語). The Numbers. 2022年10月10日閲覧。
  2. ^ Superman III” (英語). Box Office Mojo. 2012年7月18日閲覧。
  3. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)420頁。
  4. ^ “ささきいさお:30年ぶりに「スーパーマン」吹き替え 完全版放送で「永久保存します」”. MANTAN WEB. (2014年7月5日). https://mantan-web.jp/article/20140704dog00m200069000c.html 2020年7月18日閲覧。 
  5. ^ "Superman III". Rotten Tomatoes (英語). 2022年10月10日閲覧
  6. ^ "Superman III" (英語). Metacritic. 2022年10月10日閲覧。

外部リンク

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