ジルコン(zircon[4])とは、化学組成 ZrSiO4で表される、ジルコニウムのケイ酸塩鉱物である。結晶系は正方晶系を取る。風信子(ヒヤシンス)鉱、ヒヤシンス鉱、風信子(ヒヤシンス)石とも言う。
ジルコン | |
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ブラジル産 | |
(分類) | ケイ酸塩鉱物 |
シュツルンツ分類 | 9.AD.30 |
Dana Classification | 51.5.2.1 |
化学式 | ZrSiO4 |
結晶系 | 正方晶系 |
へき開 | なし |
モース硬度 | 7.5 |
光沢 | 金剛光沢 |
色 | 褐色、橙色、緑色 |
条痕 | 白色 |
比重 | 4.7 |
文献 | [1][2][3] |
プロジェクト:鉱物/(Portal:地球科学) |
産出地
火成岩中に微小な結晶として、ジルコンは地球上で広く産する。風化や変質に強い鉱物なので、砕屑粒子として、砂岩などの堆積岩にも広く見られ、 これを(ジルコンサンド)などと呼ぶ[5]。また、それらが変成した岩石にも含まれる。
性質・特徴
ジルコンは、通常、ZrSiO4に近い化学組成を持つ。比重は 3.9 - 4.7、モース硬度は 7.5である。純粋な物は無色だが、不純物や結晶欠陥によって着色している場合がある。
ところで、ジルコニウムは(4族元素)の1つであり、さらに、同じ4族元素のハフニウムとは金属結合半径やイオン半径が近い。地球の地殻での濃度はジルコニウムの方が多いものの、ハフニウムも地殻中に存在する。このため、ジルコニウムの一部はハフニウムにより置き換えられ易い。特に、ハフニウムの割合が多い鉱物は、ハフノン(HfSiO4)と呼ばれる。
また、天然に産出したジルコンは、微量成分として希土類元素や、ウラン、トリウムなどを含む。ウランやトリウムを多く含む場合は、これらの原子核が崩壊した際に発生した放射線による損傷で、(メタミクト)現象が起きている場合がある。
用途・加工法
ジルコンは、ウラン、トリウムに富み、鉛に乏しいので、ウラン・鉛法あるいは(トリウム・鉛法)の放射年代測定の対象鉱物として重要である。フィッショントラック法による年代測定にも広く用いられる。
また、無色透明のジルコンはダイヤモンド類似石として、古くから装飾用の宝石として用いられている。ただし、合成品の(キュービックジルコニア)とは組成が異なる。
ジルコングループ
出典
- ^ 国立天文台編 編『理科年表 平成20年』丸善、2007年、643頁。ISBN (978-4-621-07902-7)。
- ^ Zircon (英語), MinDat.org, 2012年4月13日閲覧。(英語)
- ^ Zircon (英語), WebMineral.com, 2012年4月13日閲覧。(英語)
- ^ 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、181頁。ISBN (4-8181-8401-2)。
- ^ 萩谷宏 (1999年10月17日). “ジルコンサンド”. 砂つぶの地球科学. 2012年4月13日閲覧。
- ^ “最も古いダイヤモンド”. Nature Highlights (2007年8月). 2012年4月13日閲覧。
参考文献
関連項目
外部リンク
- Zircon Group (英語), MinDat.org, 2012年4月13日閲覧。(英語)